1-21 伝染性単核症(EBV)

緊急

1-21伝染性単核症(EBV)

抗菌薬が効かない扁桃炎・薬疹・脾腫
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30

日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。

このページの目次9項目

ページ内目次

1ポイント

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2鑑別のながれ

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3検査

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4処置・処方例

Rp. 1アセトアミノフェン 1回10〜15mg/kg、4〜6時間以上あけて。1日総量60mg/kgかつ1500mgを超えない(1回最大500mg) 内服
第一選択。解熱・咽頭痛の苦痛緩和が目的。特異的治療薬はない
  1. シロップ(カロナールシロップ2%=20mg/mL):—〜—(10〜15mg/kg)を1回
  2. 細粒(カロナール細粒20%=200mg/g):—〜—(10〜15mg/kg)を1回
  3. 坐剤:1回 —〜— に一番近い規格・個数を選ぶ(アンヒバ/アルピニー 50・100・200mg。10kgなら100mgを1個)
  4. 次は4〜6時間以上あける。1日の合計は — まで
避けること・注意:ペニシリン系(ABPC/AMPC)を出さない。薬疹が出る。すでに出ていれば中止する。
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5脾腫の触診

  1. 仰臥位にして膝を軽く曲げさせ、腹壁の力を抜かせる
  2. 左手を背側から左脇腹に当てて脾臓を前方へ押し上げるように支え、右手を左上腹部(左肋骨縁の下)に置く(双手診)
  3. 右手は臍の下あたりからゆっくり左上方(左肋骨縁に向けて)へ進める。上方からいきなり触診すると巨大な脾腫を見逃す
  4. 手で強く突かない。呼吸に合わせて指先で触れにいく
  5. 触れたら左肋骨縁の下に何cm触れるかを記録する。乳児では左肋骨縁下に1〜2cm触れるのは正常範囲
やってはいけない・落とし穴
  • 上方から先に触診すると、すでに骨盤方向まで達した巨大な脾腫を見逃す
  • 既に腫大している脾臓を手で強く突くと脾破裂のリスクがあるため、決して強く押し込まない
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6送る/持つ

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7診療中の疑問と回答

抗菌薬で良くならない扁桃炎。さらに広い薬へ変える?
EBVなどの単核症、膿瘍や別の感染を再評価し、リンパ節・肝脾腫・血算・肝機能を確認する。EBVが疑われる場合はAMPCなどを漫然と追加しない。呼吸・嚥下障害や脱水があれば、外来で薬を替えるだけにせず入院評価を考える。
根拠:CDC Infectious mononucleosis
解熱したので接触スポーツへ戻してよい?
解熱だけで脾腫や脾破裂リスクがなくなったとはいえない。腹痛、脾腫、全身状態を再評価し、復帰時期は既存の運動制限方針と担当医の判断に従う。左上腹部痛、肩痛、失神や顔色不良は直ちに救急評価し、腹部への衝撃を避ける。
根拠:CDC Infectious mononucleosis
だるさが数週続く。抗菌薬の追加が必要?
単核症では回復後もしばらく疲労が残り得る。睡眠・飲水・学校活動を調整しつつ、発熱再燃、黄疸、出血、体重減少などを再評価する。長引くことだけで抗菌薬を追加せず、経過が非典型なら別の感染症や血液疾患を検討する。
根拠:CDC Infectious mononucleosis
溶連菌迅速検査が陽性ならEBVは否定できる?
できない。陽性でもEBVの合併はありうる。「陽性だからEBVではない」と決めない。
異型リンパ球が少なければEBVを否定できる?
できない。10〜50%と著増する例もあれば数%以下のこともある。少ないことを否定の根拠にしない。
脾腫があるときの運動制限期間は?
保守的に3〜4週間の運動制限とし、腹部超音波等で脾腫消退を確認できれば解除する。
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9家族への説明

EBウイルスによる感染症で、のどの腫れ・高熱・首のリンパ節の腫れが1〜2週間続くのが特徴です。抗菌薬は効きません。むしろ、ある種の抗菌薬を飲むと全身に発疹が出ることがあるため使いません。脾臓(ひぞう)が腫れている場合は、ぶつけると破裂する危険があるので、運動は主治医の許可が出るまで控えてください。水が飲めない・息が苦しい・お腹の左上が強く痛む、といったときはすぐ来てください。

一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。

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