6-16 蜂窩織炎・眼窩周囲蜂窩織炎

緊急

6-16蜂窩織炎・眼窩周囲蜂窩織炎

病態・根拠
このページの目次9項目

1病態:皮膚だけの病気で終わるとは限らない

蜂窩織炎は皮膚・皮下組織の細菌感染で、溶連菌や黄色ブドウ球菌が主な原因となる。傷口が見つからない場合もある。局所感染から全身の感染反応へ進むことがあり、蜂窩織炎という診断自体は敗血症やショックを否定しない。循環不良、反応低下、急速な拡大があれば、原因病名の再検討と同時に重症感染として対応する。[1]

2鑑別:かゆみ、膿瘍、深部の痛みを分ける

虫刺されの反応は刺し口とかゆみが目立ち、痛みが乏しいことが手がかりとなる。膿瘍では液体貯留があり、抗菌薬だけでなく排膿の必要性を評価する。見た目に比べて強い痛み、急速な進行、全身不良では壊死性軟部組織感染を疑い、外科相談を遅らせない。これらを同じ外来抗菌薬の経過観察へまとめない。[1]

眼周囲の発赤では眼窩隔膜より深い感染を分ける。眼球運動痛・運動制限、視力低下・複視、眼球突出、強い頭痛は眼窩内感染の赤旗であり、視力と頭蓋内合併症を守るため、耳鼻科・眼科と画像評価が必要となる。[2]

3検査と初期治療

全身状態が良い軽症例では血液検査・血液培養を一律に行わない。排液があれば培養し、膿瘍・異物・深部感染を疑えば超音波等を選ぶ。培養結果が出るまでは局所所見と重症度に応じて溶連菌・ブドウ球菌を対象に治療し、結果と反応に応じて薬剤を絞る。薬剤選択は国内の感受性と施設手順で確認する。[1]

当直帯に画像・外科処置ができない場合、壊死性病変、膿瘍、眼窩内感染を疑った時点で受入先へ連絡する。眼窩内感染を疑う児のCTの鎮静・気道管理も、受入側と調整する。[1][2]

4経過で判断し直す

開始後の発赤の変化だけで直ちに無効と断定しない一方、悪化や全身症状を「最初は広がるもの」と見過ごさない。範囲、痛み、体温、飲水、循環を比較し、改善が乏しければ感染源・診断・感受性・服薬を再評価する。帰宅には経口治療と再診が可能なことが必要で、急な拡大、強い痛み、眼症状、元気低下なら予定前に受診する。[1][2]

5出典と適用範囲

海外の抗菌薬用量・MRSAの地域頻度は院内処方へ転用していない。

6臨床医が迷う場面

7抗菌薬開始翌日に赤みが少し広がった。直ちに変更する?

開始直後は見かけ上悪化することもある。範囲を記録し、疼痛、発熱、全身状態と服薬状況を合わせて評価する。ただし不釣り合いな強い痛み、急速な進行、壊死・水疱、循環不良は待たず外科・上位施設へ相談する。安定例でも24〜48時間で再評価する。

出典:RCH 小児皮膚軟部組織感染(海外指針) / RCH 眼窩・眼窩周囲蜂窩織炎(海外指針)

8眼瞼が腫れているが、内服して明日まで待てる?

視力・複視・眼球運動時痛、眼球突出、強い頭痛を確認する。評価困難な乳幼児や腫脹で眼を診られない例も慎重に扱う。当院当直帯は造影CTができないため、眼窩内感染を否定できず迷う場合は検査可能な施設へ同日相談する。

出典:RCH 小児皮膚軟部組織感染(海外指針) / RCH 眼窩・眼窩周囲蜂窩織炎(海外指針)

9膿瘍を伴う蜂窩織炎は抗菌薬増量だけで治る?

波動や限局した腫脹、改善しない疼痛があれば膿瘍・異物を再評価し、超音波などと排膿の要否を相談する。感染源の処置が必要なら薬の変更だけでは不十分。当院で独自に穿刺・切開せず、処置可能な外科へつなぐ。

出典:RCH 小児皮膚軟部組織感染(海外指針) / RCH 眼窩・眼窩周囲蜂窩織炎(海外指針)

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