8-2化膿性関節炎・骨髄炎
病態・根拠
このページの目次9項目
1病態:骨と関節の感染は隣り合う
小児の骨髄炎・化膿性関節炎は血行性に起きることが多く、隣接した骨と関節の感染が併存する場合がある。炎症がある関節を動かすと痛いため、乳児では泣く、片側を動かさない、年長児では歩かないという形で現れる。発熱がないことや、軽い外傷の直後という説明だけで感染を除外しない。[1]
2鑑別:一過性滑膜炎でよいかを考える
3検査の役割と限界
4治療と紹介:検体採取を待てるか
5出典と適用範囲
- [1] RCH Bone and joint infection。小児の認識、鑑別、画像と専門相談。
- [2] PIDS/IDSA 2023 Acute Bacterial Arthritis in Pediatrics。血液・関節液検査、画像の限界、抗菌薬開始の時機、個別の治療期間。
PIDS/IDSAは主に急性細菌性関節炎を対象とする。骨髄炎単独の全治療計画へ短期治療の推奨を転用しない。
6臨床医が迷う場面
7炎症反応が低くX線も正常なら、骨関節感染は否定できる?
初期や一部の病原体では検査異常が乏しい。荷重不能、関節可動時痛、局在する圧痛、動かさない四肢を重視する。疑いが残れば超音波・MRIや専門評価を相談する。当院では関節炎を疑った時点で処置可能な施設へつなぎ、画像変化を待たない。
8培養のために抗菌薬を待ってよい?
全身状態が悪い・急速に進行する場合は、採れる血液培養を確保して抗菌薬を遅らせない。安定例では関節液採取との順序を整形外科と速やかに調整する。培養を優先するあまり搬送や治療を遅らせず、投与薬と採取時刻を引き継ぐ。
9熱が下がったら、すぐ内服へ切り替えてよい?
解熱だけでなく疼痛、可動域、荷重、炎症反応、菌血症や膿瘍の有無と内服可能性を評価する。原因菌に有効な薬が選べ、服薬と再診が確実かを専門医と判断する。合併症や経過で治療期間が変わるため、一律の日数で静注終了や全治療終了としない。
一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。