8-2 化膿性関節炎・骨髄炎

緊急

8-2化膿性関節炎・骨髄炎

歩きたがらない・腕をあげない → 関節か骨かを分ける
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30

日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。

このページの目次9項目

ページ内目次

1ポイント

↑ このページの入口へ

2鑑別のながれ

↑ このページの入口へ

3検査

↑ このページの入口へ

4対応の注意

避けること・注意:熱がない・けがをしていないことを理由に感染を否定すること、化膿性関節炎を疑いながら当院で関節穿刺のみ行うこと、抗菌薬投与前に血液培養を採り忘れること。
↑ このページの入口へ

5関節か骨かを分ける診察(他動運動・圧痛の探り方)

  1. 乳児は服を全部脱がせて全身の関節を見る。動かさない肢を探す
  2. 疑う関節を、あらゆる方向にゆっくり他動運動させる。関節そのものが痛むなら化膿性関節炎を疑う
  3. 股関節を疑うときは肢位を見る:軽度屈曲・外転・外旋位で固定されていれば、それ自体が陽性所見(関節内圧が最も低い肢位で固定される)
  4. 長管骨の骨幹端を一点ずつ圧迫して探る。骨幹端の一点に強い圧痛があれば骨髄炎を疑う(関節自体は初期は動かせる)
  5. 痛がる場所が関節そのものか骨の一点かで、化膿性関節炎(持てない・時間の勝負で搬送)と骨髄炎(血培を採って搬送)を分ける
やってはいけない・落とし穴
  • 熱がない・けがをしていないことを理由に感染を否定しない
  • 化膿性関節炎を疑いながら当院で関節穿刺のみ行わない。ドレナージができないため、疑った時点で整形外科のある施設へ搬送する
  • 化膿性か単純性か決められないなら、決められないこと自体を搬送の理由とする
↑ このページの入口へ

6送る・持つの目安

↑ このページの入口へ

7診療中の疑問と回答

炎症反応が低くX線も正常なら、骨関節感染は否定できる?
初期や一部の病原体では検査異常が乏しい。荷重不能、関節可動時痛、局在する圧痛、動かさない四肢を重視する。疑いが残れば超音波・MRIや専門評価を相談する。当院では関節炎を疑った時点で処置可能な施設へつなぎ、画像変化を待たない。
根拠:PIDS/IDSA 小児細菌性関節炎GL2023 / RCH 骨・関節感染(海外)
培養のために抗菌薬を待ってよい?
全身状態が悪い・急速に進行する場合は、採れる血液培養を確保して抗菌薬を遅らせない。安定例では関節液採取との順序を整形外科と速やかに調整する。培養を優先するあまり搬送や治療を遅らせず、投与薬と採取時刻を引き継ぐ。
根拠:PIDS/IDSA 小児細菌性関節炎GL2023 / RCH 骨・関節感染(海外)
熱が下がったら、すぐ内服へ切り替えてよい?
解熱だけでなく疼痛、可動域、荷重、炎症反応、菌血症や膿瘍の有無と内服可能性を評価する。原因菌に有効な薬が選べ、服薬と再診が確実かを専門医と判断する。合併症や経過で治療期間が変わるため、一律の日数で静注終了や全治療終了としない。
根拠:PIDS/IDSA 小児細菌性関節炎GL2023 / RCH 骨・関節感染(海外)
熱がなければ感染は否定できる?
できない。熱がないこともある。けがをしていないことも感染を否定する材料にならない。
X線が正常なら骨髄炎は否定できる?
できない。骨破壊が写るのは発症から7〜10日後。初期は正常でも否定しない。
関節炎か骨髄炎か迷うときは?
痛がる場所で分ける。関節そのものが痛むなら関節炎、骨幹端の一点なら骨髄炎。決められないなら送る。
培養を採った後なら、搬送を待たずに当院で抗菌薬を始めていい?
よい。搬送先と電話で開始のタイミングを決める。
↑ このページの入口へ

9家族への説明

足を使わない、腕をあげないというのは、子どもが痛みを訴える言い方です。原因は、けが・ばい菌の感染・血液の病気など、いくつも考えられます。特に、関節にばい菌が入る病気(化膿性関節炎)は、時間が経つほど関節が壊れてしまうので、早く見つけて、関節にたまった膿を出す処置が必要になります。この処置は当院ではできないため、できる病院にお願いします。熱がないから感染ではない、けがをしていないから感染ではない、とは言えません。今日はばい菌を調べる血液の検査(培養)を採らせてください。お薬を始める前に採らないと、原因のばい菌がわからなくなるためです。

一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。

スペースで絞り込み(例:夜尿症 休薬)↑↓ 移動 / Enter 開く