9-3急性糸球体腎炎(溶連菌感染後)
病態・根拠
このページの目次9項目
1鑑別の考え方:血尿だけでなく、水と血圧の病気として診る
2先行感染の検査と、今の腎障害の検査を分ける
3利尿・降圧と抗菌薬は目的が異なる
4尿所見だけを追って終わらせない
血圧・腎機能・体液量が改善してから退院・外来管理を考える。補体や腎機能が回復しない、蛋白尿が増える、肉眼的血尿が持続・再発する場合は専門再評価が必要である。顕微鏡的血尿が残る期間と、腎機能や補体の異常が続くことを同じ扱いにしない。[1]
5出典と適用範囲
- [1] RCH Post-streptococcal glomerulonephritis。血圧・体液量、検査・紹介・経時的フォロー。2025年更新。
- [2] CDC Clinical Guidelines for PSGN。免疫性病態、先行感染の証拠、除菌と伝播防止の目的。
海外の即放性降圧薬の具体量や家庭での利尿薬継続方針は、この解説では国内へ転用しない。
6臨床医が迷う場面
7茶色い尿が薄くなれば、降圧薬や利尿薬はやめてよい?
尿色だけで治療終了を決めない。体重、血圧、尿量、浮腫、腎機能・電解質を確認し、体液過剰と高血圧の改善に合わせて調整する。頭痛・嘔吐、呼吸困難は尿の見た目に関係なく緊急再評価し、けいれんや意識障害があれば専門施設へ急ぐ。
8溶連菌が先行した腎炎なら、抗菌薬で腎炎も治る?
腎炎は感染後の免疫反応で、抗菌薬だけで体液過剰や高血圧が改善するわけではない。残る溶連菌の除菌・伝播予防と、腎炎の支持療法を分けて考える。抗菌薬を開始しても体重・尿量・血圧を追い、低補体や蛋白尿が続く例は腎臓専門医へ相談する。
9血尿が長引く。ステロイドを始めるべき?
血尿だけで免疫抑制薬を追加しない。蛋白尿、腎機能、血圧、補体の回復を合わせて追う。遷延する低補体、増える蛋白尿、腎機能悪化などは典型的な回復から外れるため別病態を再評価する。専門医と生検等の必要性を判断し、尿色のみで増悪としない。
一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。