13-4予防接種のスケジュール
定期接種の標準スケジュールと2025〜2026年の制度変更
β版 · 紙面の最終確認 2026-09-28
日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。
このページの目次5項目
1ポイント
- 2024年4月に四種混合+ヒブ単独から五種混合(DPT-IPV-Hib)へ移行、2025年7月に四種混合が販売終了(同年12月最終ロット失効)。以後は在庫切れ次第、既接種回数にかかわらず五種混合へ切替可。
- 小児用肺炎球菌は2024年10月にPCV13の供給が終了し、PCV20が原則・PCV15も選択可。PCV13開始児はPCV20へ切替可だが、PCV15開始児は原則PCV15を最後まで(非対称ルール)。
- HPVは2026年4月改訂で2価・4価が定期接種対象から除外され女性は9価(シルガード9)のみが定期接種。男性の定期接種化は未確定(自費・自治体助成の任意接種)。
- ロタウイルスワクチンの生後15週0日以降の初回接種開始は推奨されない。初回は生後14週6日までに完了が必須。
2検査
- ロタウイルス(1価/5価):生後2か月から開始、初回は生後14週6日までに完了。接種可能期間は1価:出生6週〜24週0日まで/5価:出生6週〜32週0日まで(2回目以降を含む最終期限)。禁忌は腸重積症の既往・先天性消化管障害(未治療)・重症複合免疫不全(SCID)
- B型肝炎(ユニバーサル):生後2か月・3か月・7〜8か月(標準)、接種可能期間は生後1歳になるまで。HBs抗原陽性母体児の母子感染予防(生後12時間以内+HBIG+1か月+6か月)とは別スケジュールであり混同しない
- 五種混合(DPT-IPV-Hib):生後2・3・4か月(初回、3〜8週間隔)+生後12〜18か月(追加)。定期接種の接種可能期間は生後2か月〜7歳6か月未満
- 肺炎球菌(PCV15/PCV20):生後2・3・4か月(初回)+生後12〜15か月(追加)。接種可能期間は生後2か月〜6歳未満
- BCG:生後5か月〜8か月未満が標準。接種可能期間は生後1歳になるまで。禁忌は免疫機能に異常のある疾患・免疫抑制をきたす治療を受けている者(播種性BCG感染症のリスク)
- 麻疹風疹混合(MR):第1期は1歳(12〜24か月未満)、第2期は5〜7歳未満(就学前1年間)。禁忌は重症複合免疫不全・進行したHIV感染等の免疫不全児
- 水痘:1回目12〜15か月、2回目は1回目から6〜12か月後(標準)。接種可能期間は12〜36か月未満、最低間隔3か月
- 日本脳炎:第1期は初回2回(生後6か月から可能・標準3歳)+追加1回(4歳)、第2期は1回(9〜12歳、標準9歳)。接種可能期間は第1期:生後6か月〜7歳6か月未満/第2期:9〜13歳未満。特例対象者(平成7年4月2日〜19年4月1日生まれ)は20歳未満まで定期接種扱い
- 異なるワクチン間の間隔:注射生ワクチン(MR・麻しん単独・風しん単独・水痘・BCG)→注射生ワクチンは27日以上。それ以外の組み合わせは間隔制限なし
- 注射薬の接種量は体重によらず固定量(多くは0.5mL、一部0.25mL)。体重換算での増減は行わない
3対応の注意
避けること・注意:免疫不全・免疫抑制治療中(ステロイド全身投与・免疫抑制薬・抗がん剤治療等)の児に生ワクチン(BCG・MR・水痘)を一律に接種すること。ロタウイルスワクチンの生後15週0日以降の初回接種開始。四種混合が「まだ使える」という前提での予診票作成。小児インフルエンザワクチンを定期接種と誤って案内すること。PCV15開始児をPCV20へ安易に切り替えること。HPV男性への接種を「定期接種で無料」と案内すること(2026年7月時点で自費・自治体助成の任意接種にとどまる)。
4Q&A
- 免疫不全が疑われる子に生ワクチンを打ってよい?
- 禁忌。BCG・MR・水痘は生ワクチンであり、原発性免疫不全や免疫抑制治療中の児(ステロイド全身投与・免疫抑制薬内服・抗がん剤治療等)は接種不適当者にあたり、接種しない。
- 予診票で「近親者に先天性免疫不全症の疑い」に該当したら、BCGは予定通り打ってよい?
- 接種要注意者に該当する(禁忌ではない)。児本人でなく近親者の申告であっても、予診時の健康状態を勘案し、インフォームド・コンセントが成立したうえで慎重に接種可否を判断する。
- けいれんの既往や重い喘息のある子に、五種混合やフルミストを打ってよい?
- 明らかなリスク因子がなければ外来担当医が判断してよい。判断に迷う場合のみ小児神経科・免疫科・アレルギー科へ相談する(院内方針院内)。けいれんの既往のみを理由に一律延期しない。
- ロタウイルスの初回接種はいつまでにすればよい?
- 生後14週6日までに完了が必須。生後15週0日以降の初回接種開始は腸重積リスクの観点から推奨されない。
- 途中までPCV13で打った子は残りをPCV20に変えてよい?
- 変えてよい。PCV13で1〜3回接種済みの児は残りをPCV20(またはPCV15)で継続できる。ただしPCV15で開始した児は原則PCV15で完遂する。
- HPVの2価・4価はもう打てない?
- 2026年4月改訂で2価・4価が定期接種対象から除外され、女性は9価(シルガード9)のみが定期接種になっている。
- MR(または水痘・BCG)を打った後、次のワクチンはいつから打てる?
- 注射生ワクチン(MR・水痘・BCG等)同士なら27日以上あける。それ以外の組み合わせ(不活化同士、不活化↔生、経口生のロタ↔何でも)は間隔制限なし。
5家族への説明
五種混合になって、これまで2本だった注射が1本にまとまりました。ワクチンの中身は変わりません。肺炎球菌のワクチンは種類が新しくなりましたが、これまで受けていた回数分はそのまま活かせることがほとんどです。ただし途中から種類が変わる場合は、念のため打ち直しが必要かどうかを確認させてください。ロタウイルスのワクチンだけは、最初の1回目を生後14週6日(生後3か月半ば)までに済ませる必要があります。体調不良で予定が延びそうなときは早めにご相談ください。おなかの手術を受けたことがある、免疫の病気があると言われている場合は、先に必ず教えてください。子宮頸がんワクチンは、2026年4月から女の子は9価タイプ1本に統一されました。男の子への接種はまだ国の定期接種にはなっていませんが、自費や自治体の助成で受けられる場合があります。
詳しい根拠・出典は 詳細リファレンス へ
一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。