6-15 白癬・疥癬・シラミ

緊急

6-15白癬・疥癬・シラミ

病態・根拠
このページの目次9項目

1三つの病態を分ける

白癬は皮膚糸状菌、疥癬はヒゼンダニ、アタマジラミは頭髪の昆虫寄生であり、同じ掻痒でも確認する所見と治療が異なる。環状病変や脱毛、夜間の掻痒と接触者、毛に付着する虫体・卵などを分けて観察する。衛生不良や養育の問題と決めつけない。[1][2][3]

2診断を確かめる意味

白癬では病変から適切に採取した検体の直接鏡検を基本に、病型や治療不応に応じ培養等を選ぶ。採取場所や既治療によって検出は変わる。湿疹と決めつけてステロイドを続けると病像が変わり、診断が難しくなることがある。頭部の脱毛・鱗屑、炎症性腫瘤は頭部白癬等を考えて皮膚科へつなぐ。[2]

疥癬は虫体・虫卵の確認を試み、皮疹の分布、掻痒、接触歴を併せて評価する。検体陰性一回だけで疑いを解消しない。角化型は通常疥癬より感染性が強く、本人の治療と同時に感染対策担当へ相談する。[1]

アタマジラミは頭髪根元を中心に虫体と卵を確認する。フケと異なる毛に固着する卵や虫体を観察し、診断と治療後の評価につなげる。[3]

3治療を選ぶ根拠と小児での限界

局所白癬と頭部白癬では薬剤到達が異なり、頭部病変は外用だけで済ませず全身治療を皮膚科で検討する。国内2025GLは小児の内服抗真菌薬について添付文書上の制約と説明の必要性を記載する。海外の体重別投与表を国内小児処方へそのまま移さない。[2]

疥癬は年齢・体重、塗布可能範囲、国内適応を確認して薬剤を選び、接触者と施設の対応も調整する。治療後に掻痒だけが残ることがあるため、虫体や新規皮疹、塗り残し・再曝露を確認して再投薬を判断する。[1]

シラミは国内で使用できる駆除剤の用法と反復使用の条件を確認し、目の細かい櫛を併用する。全員の剃毛や一律の登校停止を指示せず、接触者確認と頭髪・共用物の扱いを家族・園学校と共有する。[3]

4専門紹介と再評価

診断用の鏡検・培養の当直帯の実施体制は未確認のため、検査可能と仮定せず、非典型、乳幼児の広範囲病変、角化型、頭部白癬、治療不応を皮膚科へつなぐ。薬剤の変更だけでなく、病原体の確認、接触者、治療手順、二次感染を見直す。[1][2][3]

5出典・適用範囲

国内資料を使用。[2]は公式公開の2025年版本文へ更新。[1]は疥癬GL第3版で、その後の薬剤添付文書・追補も個別確認を要する。年齢・体重による未確認用量は追加せず、登校判断は小児科学会と現行の学校医・感染対策方針に合わせる。 確認日:2026-10-23。

6臨床医が迷う場面

7疥癬治療後もかゆい。すぐ同じ薬を追加する?

治療後もかゆみが残ることはあり、かゆみだけで駆虫失敗としない。新しい皮疹・疥癬トンネル、虫体の確認、塗り残し、接触者の未治療を見直す。再評価をせず駆虫薬を反復せず、残る炎症への対処と再治療の必要性を皮膚科で区別する。

根拠:日本皮膚科学会 疥癬診療ガイドライン第3版

8同居家族は無症状なら対応不要?

潜伏期間には無症状のことがある。誰とどの程度接触したかを確認し、患者と接触者の診察・治療時期、寝具や衣類の扱いをそろえる。患者だけ繰り返し治療しても再感染し得るため、家庭・施設の連絡先を含む感染対策を皮膚科と調整する。

根拠:日本皮膚科学会 疥癬診療ガイドライン第3版

9痂皮が厚いが、かゆみは弱い。通常の疥癬と同じ?

免疫低下や厚い角化を伴う皮疹では角化型を疑う。かゆみの弱さで感染力を低く見積もらず、接触予防策・個室管理を開始し皮膚科へ速やかに相談する。診断と治療に加え、接触者調査や環境対策を同時に進め、通常型の外来処方だけで完結させない。

根拠:日本皮膚科学会 疥癬診療ガイドライン第3版

一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。

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