10-2チック・トゥレット症
病態・根拠
このページの目次11項目
1チックの現れ方と病名の区別
チックは突然の短い動作や発声を繰り返す状態で、まばたき、顔しかめ、首振り、咳払い等から複雑な動作・発語まで幅がある。反復する一見不適切な行動が、本人の故意ではなく症状の場合がある。運動・音声の種類、発症年齢、持続と増減、生活への影響を確認し、診断名は専門的基準に沿って整理する。[1]
2鑑別を変える所見
3検査と専門紹介の基準
4治療は症状数より機能障害に合わせる
5経過を見る時の確認
6現行の分類を確認する
発症から1年未満は暫定的チック症、1年以上の運動又は音声の一方は持続性チック症、複数の運動と一つ以上の音声チックが経過中にあり1年以上ならトゥレット症を検討する。両者の同時出現を必要とせず、18歳未満発症と薬剤・他疾患等の除外も確認する。[4]
7出典・適用範囲
- [1] 日本小児神経学会 チック。
- [2] NICE NG127 小児不随意運動。
- [3] 日本小児神経学会 チックの治療。
[1][3]は国内小児神経学会Q&A、[2]は英国の紹介指針。Q&Aの旧来の持続期間・寛解期間の表現は、そのまま最新診断基準として採用していない。薬剤用量は追加していない。 確認日:2026-10-23。
- [4] CDC Diagnosing Tic Disorders。2026年公開、DSM-5-TRに基づく分類。国内の薬剤承認の根拠ではない。
8臨床医が迷う場面
9まばたきが増えた。薬を始めるべき?
単純な運動チックで本人の苦痛や生活障害がなければ、直ちに薬や専門紹介を必要としない。意思で完全に止められる癖ではないことを家族と学校に説明し、注意や叱責を避ける。頻度だけでなく痛み、授業、対人関係への影響を次回確認する。
10チックが強くて困っている場合、どこにつなぐ?
本人の生活への影響を確認し、強迫症状や不安が中心なら精神保健、ADHDや自閉スペクトラム症が疑われれば発達評価へつなぐ。重いチック自体は小児神経に相談する。薬物療法は副作用と併存症を含む専門評価を受けて調整する。
11急に全身が動きにくくなったが、チックとして経過観察できる?
急に出現した舞踏運動、失調、ジストニアは、いつものチックと区別して直ちに神経評価へつなぐ。意識、歩行、薬剤曝露、感染後の経過を確認する。従来のチック診断があっても、運動の性質が変わった場合はその診断だけで説明しない。
一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。