1-28A群溶連菌性咽頭炎
病態・根拠
このページの目次11項目
1一目でわかるフロー
受診(咽頭痛・発熱)
→ レッドフラグ評価(扁桃周囲膿瘍/咽後膿瘍/急性喉頭蓋炎/Lemierre/劇症型溶連菌感染症〔STSS〕等の徴候→即・上位/紹介)
→ 3歳未満か? → Yes: 原則GAS検査・治療の適応外(濃厚接触歴 or 周囲での流行があれば例外)
→ No : Centor/McIsaac基準で事前確率を評価
→ 事前確率が高い(原則2〜3点以上)→ 迅速抗原検査(陽性→培養不要)
→ 陽性: アモキシシリン水和物 10日間(GAS除菌=リウマチ熱予防が主目的)
→ 陰性/未施行かつウイルス性が濃厚: 抗菌薬投与せず対症療法
→ 再診・帰宅指導(登校基準・リウマチ熱/腎炎徴候・脱水徴候の説明)→ 紹介基準に該当すれば紹介図は横にスクロールできます →
2レッドフラグ(見逃し厳禁)
- 急性喉頭蓋炎: 突然発症・高熱、流涎(唾液を飲み込めない)、開口障害、吸気性喘鳴(stridor)、sniffing position/tripod position(三脚様姿勢)。小児では口腔内診察・採血・レントゲン撮影などの刺激で気道閉塞が急速に増悪しうるため、これらの検査は行わず、安全に気道確保できる施設へ速やかに搬送する [出典: 厚労省 抗微生物薬適正使用の手引き 第四版 医科・外来編(一般外来における成人・学童期以降の小児編 p.26/一般外来における乳幼児編 p.65)]。
- 扁桃周囲膿瘍・咽後膿瘍・Ludwigアンギーナ・Lemierre症候群: 「人生最悪の喉の痛み」、開口障害(trismus)、嚥下困難・唾液を飲み込めない(流涎)、片側性の激しい咽頭痛、口蓋垂偏位、耳への放散痛、頸部腫脹/項部硬直・斜頸。急激な全身状態の悪化を伴う [出典: 同手引き 学童期以降の小児編 p.26/乳幼児編 p.65/日本小児感染症学会誌 小児感染免疫 Vol.32 No.4 (2020) https://www.jspid.jp/wp-content/uploads/pdf/03204/032040315.pdf]。
- 劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS): GAS咽頭炎の経過中またはその前後に、四肢の激しい疼痛・急速な腫脹、意識障害、血圧低下(末梢冷感・頻脈・尿量低下等のショック徴候)を認めた場合は劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS、いわゆる「人食いバクテリア」感染症)を疑い、直ちに救急・集中治療対応(血液培養・広域抗菌薬・クリンダマイシン併用・外科的評価を含む)が可能な施設へ紹介・搬送する。通常軽症の咽頭炎を起こす同じGASが、数十時間以内に軟部組織壊死・多臓器不全・ショックへ進展し致死率30〜40%に達することがある。2023年夏以降、病原性の高いM1UK系統株の国内集積を背景に報告数が急増しており、2024年第1〜11週(1/1〜3/17)のGASによるSTSS届出数は335例(過去6年の同時期平均77.5例を大きく上回る)、全血清群合計では521例に達した(38府県126症例は国立感染症研究所へ菌株解析のため送付された症例数であり、届出総数ではない)(出典: 国立健康危機管理研究機構「劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)」および「国内における劇症型溶血性レンサ球菌感染症の増加について」2024年3月29日, 確認日 2026-09-25)
- 猩紅熱(scarlet fever): GAS咽頭炎の一病型。発熱後12〜24時間で紙やすり様の鮮紅色発疹(顔面は口囲蒼白を伴う頬部紅潮)、発症2〜4日後にいちご舌(苺舌)が出現する。緊急性は高くないが見逃すと保護者説明で混乱するため押さえる [出典: 日本小児科学会 溶連菌感染症 https://www.jpeds.or.jp/general/prevention/yobo-kansensho/kansensho03-07.html]。
- リウマチ熱(急性リウマチ熱: ARF)を疑う徴候: GAS咽頭炎の先行感染から通常2〜3週間後に、移動性多関節炎、心炎(新規雑音・心不全徴候)、舞踏病(Sydenham chorea)、輪状紅斑、皮下結節などが出現しうる(症状の詳細はJones基準に基づく一般的な臨床知識であり、下記手引きの引用範囲外)。これらを認めた場合は小児循環器専門医への紹介を検討する。GAS咽頭炎の治療(抗菌薬)はリウマチ熱の一次予防が主目的であり、発症から9日以内の抗菌薬開始でARF予防効果が証明されている [出典: 厚労省 抗微生物薬適正使用の手引き 第四版 医科・外来編(乳幼児編 p.66)]。
- 咽頭痛の非典型的放散痛: 嚥下痛が乏しいのに咽頭痛を訴える場合、急性心筋梗塞・くも膜下出血・頸動脈解離・椎骨動脈解離などからの放散痛の可能性も指摘されている(成人が主だが鑑別の視点として記載)[出典: 同手引き 学童期以降の小児編 p.26]。
3重症度・病型の判定
Centorの基準/McIsaacの基準(GASによる咽頭炎の可能性を判断する参考指標。年齢補正を含むのがMcIsaac)[出典: 厚労省 抗微生物薬適正使用の手引き 第四版 医科・外来編(McIsaac基準=学童期以降の小児編 p.26/Centor基準=乳幼児編 p.64)]
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 発熱 38℃以上 | 1点 |
| 咳がない | 1点 |
| 圧痛を伴う前頸部リンパ節腫脹 | 1点 |
| 白苔を伴う扁桃腫脹 | 1点 |
| 年齢 3〜14歳 | +1点(15〜44歳 0点、45歳以上 -1点) |
表は横にスクロールできます →
- 小児でもCentor基準は用いられるが、最高得点(4点)でもGAS陽性率は68%にとどまる。点数のみでGASと判断すると過剰診断・過剰治療につながるため、より正確な診断には検査診断(迅速抗原検査)が必要 [出典: 同手引き 乳幼児編 p.64]。
- GAS咽頭炎とウイルス性咽頭炎の鑑別所見: GAS咽頭炎は突然発症・発熱・頭痛・嘔気嘔吐・腹痛・圧痛を伴う前頸部リンパ節腫脹・猩紅熱様皮疹が特徴的。ウイルス性咽頭炎は結膜炎・咳嗽・嗄声・鼻汁・筋肉痛・下痢を伴うことが多い [出典: 同手引き 乳幼児編 p.64 表3]。
- 3歳未満での特記事項(重要): GASによる急性咽頭炎は5〜12歳で頻度が高く、3歳未満では稀。3歳未満ではGAS咽頭炎自体が少ないことに加え、続発する急性リウマチ熱(ARF)の合併も少ないため、GAS咽頭炎患者との濃厚接触歴がある場合、または周囲でGAS咽頭炎が流行している場合を除き、原則として検査を行わないことが推奨されている(3歳未満にはCentor基準も通常適用しない)[出典: 同手引き 乳幼児編 p.63(疫学)・p.64-65(検査適応・表5)]。
- 川崎病の鑑別: 6主要症状(発熱、両側眼球結膜の充血、口唇の紅潮・いちご舌・口腔咽頭粘膜のびまん性発赤、発疹〔BCG接種痕の発赤を含む〕、四肢末端の変化〔急性期の手足硬性浮腫・手掌足底または指趾先端の紅斑、回復期の指先からの膜様落屑〕、急性期の非化膿性頸部リンパ節腫脹)のうち5症状以上を認める場合は川崎病と診断する。改訂6版では発熱の日数要件(旧「5日以上」)は撤廃されており、発熱の遷延日数を鑑別の条件にしない。GAS陰性または抗菌薬投与後も解熱しない場合は特に注意する。3歳未満はGAS咽頭炎自体が稀な年齢層であり、この年齢で上記所見を伴う発熱をみた場合は川崎病を優先的に検討する(猩紅熱様皮疹・いちご舌・頸部リンパ節腫脹という所見の共通性から、GAS咽頭炎との鑑別で見落としやすい)(出典: 日本川崎病学会・日本川崎病研究センター「川崎病診断の手引き 改訂第6版」2019年5月, 確認日 2026-09-25)
- 伝染性単核症(EBV・CMV・HIV・風疹ウイルス・トキソプラズマ等)との鑑別: Centor/McIsaac基準では容易に高得点になり鑑別困難。耳介後部・後頭部リンパ節腫脹や脾腫、血液検査でリンパ球分画35%以上が伝染性単核症を示唆する所見として報告されている [出典: 同手引き 学童期以降の小児編 p.26]。
4検査
- 必要:
- 3歳以上で、咽頭炎の症状・症候があり、事前確率が高いと判断した児に対するGAS迅速抗原検査(感度70〜90%、特異度95%。特異度が高いため陽性であれば培養検査は不要)[出典: 同手引き 乳幼児編 p.65 表5]。
- GAS迅速抗原検査で陰性だが臨床的にGASの可能性が高いと判断される場合の追加培養検査(標準検査法だが流行期は保菌者も多く鑑別が難しい点に留意)[出典: 同手引き 乳幼児編 p.65]。
- 不要・過剰になりがち:
- 3歳未満児への迅速検査(濃厚接触歴がある場合、または周囲で流行している場合を除き原則不要)[出典: 同手引き 乳幼児編 p.63・p.65]。
- 咳・鼻汁・結膜炎などウイルス感染症を強く示唆する所見がある場合の検査(事前確率が低い)[出典: 同手引き 乳幼児編 p.65]。
- 無症状児へのスクリーニング検査(無症状児の10〜30%にGAS保菌が認められるため、検査すると偽陽性的に「陽性」を拾い過剰治療につながる)[出典: 同手引き 乳幼児編 p.63]。
- 迅速検査陰性後の繰り返し検査(繰り返しても陽性率は向上しない)[出典: 同手引き 乳幼児編 p.65]。
5治療
- 第一選択:(アモキシシリン水和物内服。※以下は体重換算の一般的な考え方であり、個別処方値ではない)
- 用量の考え方: アモキシシリン水和物 30〜50mg/kg/日(分2または分3)、最大1,000mg/日、内服10日間。
- 目的は3つ: ①GAS除菌によるリウマチ熱(ARF)予防(発症9日以内の抗菌薬開始で予防効果が証明されている)、②症状の早期緩和(抗菌薬は有症状期間を半日〜1日短縮)、③周囲への感染伝播防止 [出典: 厚労省 抗微生物薬適正使用の手引き 第四版 医科・外来編 乳幼児編 p.66]。
- 治療期間は10日間を推奨(短期4〜6日の非ペニシリン系抗菌薬との比較では、短期群は症状消失がやや早いが再燃率が高いとの報告がある。副作用・リウマチ熱/腎炎合併率に有意差はなし)[出典: 同手引き 乳幼児編 p.67]。
- アモキシシリン水和物とセファロスポリン系抗菌薬の比較では、除菌率はアモキシシリン水和物群で有意に高いとする日本の研究がある(91.7% vs 82.0%、p=0.01、再発率に差なし)[出典: 同手引き 乳幼児編 p.67]。
- 第二選択・無効時:
- 軽症のペニシリンアレルギーには経口第1世代セファロスポリン系(セファレキシン)。
- 重症のペニシリンアレルギー(アナフィラキシー等)にはクリンダマイシン15mg/kg/日(分3、5mg/kg/回1日3回)、10日間経口投与。重症感染症時の用量については、厚労省「抗微生物薬適正使用の手引き」第四版が30mg/kg/日(分3、10mg/kg/回1日3回)、最大900mg/日、10日間と明記する一方、クリンダマイシン内用薬の添付文書は20mg/kg/日(分3〜4)と定めており、両者で数値が異なることを確認した。決定=通常のGAS咽頭炎(重度ペニシリンアレルギー時)はクリンダマイシン15mg/kg/日 分3で確定。30mg/kg/日〔手引き「重症感染症」欄、p.68〕・20mg/kg/日〔添付文書〕の使い分けは、手引き本文に「重症感染症」の定義の明記がなく、通常の咽頭炎の重症化を含むか別疾患を指すかが未確定のため本ファイルでは踏み込まない(未確認: 「重症感染症」が指す臨床像)。重症化を疑う場合はセクション1のSTSS搬送基準に従う(出典: 厚生労働省 抗微生物薬適正使用の手引き 第四版 乳幼児編 p.67〔15mg/kg/日〕・p.68〔30mg/kg/日〕, クリンダマイシン内用薬添付文書〔JAPIC 2026年6月改訂第4版〕, 確認日 2026-09-25)
- 日本ではGASのクリンダマイシン耐性(CLDM, MIC≧1μg/mL)が2007〜2010年の12%から2011〜2014年に24%へ、マクロライド系(EM・CAM, MIC≧1μg/mL)耐性も同期間に45%から61%へ上昇したと、国立感染症研究所 溶血性レンサ球菌レファレンスセンターの調査(春田一憲ほか, 小児感染免疫31(4):313-320, 2019 に引用)で報告されている。地域差があるため、使用する際は可能な限り施設・地域の感受性結果を参考にする(出典: 春田一憲ほか 小児感染免疫31(4):313-320, 2019, 確認日 2026-09-25)
- やってはいけない/非推奨:
- 迅速抗原検査・培養検査でGASが検出されていない急性咽頭炎への抗菌薬投与(多くはウイルス性で抗菌薬の適応がない)[出典: 同手引き 乳幼児編 p.65-66]。
- Centor/McIsaacの点数のみでGASと確定し治療すること(小児では最高得点でも陽性率68%であり過剰診断・過剰治療につながる)[出典: 同手引き 乳幼児編 p.64]。
- 咽頭痛を訴える患児で、扁桃周囲膿瘍・咽後膿瘍・急性喉頭蓋炎などを疑うRed Flagがある場合に、口腔内診察・採血・レントゲン撮影などで患児を刺激すること(気道閉塞増悪のリスク)[出典: 同手引き 学童期以降の小児編 p.26/乳幼児編 p.65]。
- 「抗菌薬でリウマチ熱は防げるが糸球体腎炎は防げない」という理解の欠如: 溶連菌感染後急性糸球体腎炎(PSAGN)に対する抗菌薬の予防効果はリウマチ熱ほど確立しておらず、感染後36時間以内かつ腎炎確立前の投与でのみ限定的な予防効果の可能性が指摘されているにとどまる。過度に「抗菌薬で腎炎も防げる」と説明しないこと [出典: MSDマニュアル プロフェッショナル版「感染後糸球体腎炎(PIGN)」 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/03-泌尿器疾患/糸球体疾患/感染後糸球体腎炎-pign]。
- 解熱鎮痛薬はアセトアミノフェンを優先する。侵襲性GAS感染症とNSAIDsの関連は症例報告・総説レベルの議論で、日本のGLに明文化された禁忌ではない(参考として記載)。
6再診・帰宅指導・保護者説明
- 再受診すべきサイン(保護者に伝える):
- のどを強く痛がる、唾液を飲み込めない・よだれが増える、開口障害、呼吸がしんどそう→緊急受診(急性喉頭蓋炎・扁桃周囲膿瘍などを念頭に)[出典: 同手引き 学童期以降の小児編 p.26/乳幼児編 p.65]。
- 四肢の激しい痛み・急速な腫脹、ぐったりする、意識がはっきりしない、顔色が悪く手足が冷たい等の症状(血圧低下によるショック徴候)があれば直ちに救急受診(劇症型溶血性レンサ球菌感染症〔STSS〕を念頭に。数十時間で軟部組織壊死・多臓器不全に進展し致死率30〜40%に達しうる病態)(出典: 国立健康危機管理研究機構「劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)」, 確認日 2026-09-25)
- 抗菌薬を指示通り10日間飲みきる必要があること、解熱したからといって自己判断で中止しないこと(リウマチ熱予防のため)[出典: 同手引き 乳幼児編 p.67]。
- GASが検出されなかった場合も、大半はウイルス性のため対症療法で経過をみるが、3日以上たって症状が良くならない・悪化する場合は再受診 [出典: 同手引き(要原本確認・該当ページ未確認)]。
- 水分がほとんど摂れない、半日以上おしっこが出ない、ぐったりして活気がない、泣いても涙が出ない等の脱水を疑うサインがあれば早めに再受診する(乳幼児は嚥下痛のため水分摂取ができず、気道症状が目立たないまま脱水が進行することがある)[出典: 日本小児科学会 一般向け情報(発熱・脱水の目安)https://www.jpeds.or.jp/小児科外来における一般的な脱水評価の考え方]。
- 治療後数週間してからの血尿・むくみ(腎炎)、関節の痛み・不随意運動・動悸(リウマチ熱)が出た場合は速やかに受診 [出典: 日本小児科学会 溶連菌感染症ページ/同手引き 乳幼児編 p.66]。
- 経過の見通し:
- GAS咽頭炎の自然経過は3〜4日で軽快することが多い。抗菌薬は症状の消失をやや早めるが劇的な差ではない(有症状期間を半日〜1日短縮) [出典: 同手引き 乳幼児編 p.66]。
- ウイルス性咽頭炎(GAS陰性)の場合も通常2〜3日から10日間程度で改善する [出典: 同手引き(要原本確認・該当ページ未確認)]。
- 紹介・入院の閾値:
- 扁桃周囲膿瘍・咽後膿瘍を疑う所見(開口障害・片側性腫脹・口蓋垂偏位など)→ 耳鼻咽喉科紹介(ドレナージ適応の判断含む)[出典: 小児感染免疫 Vol.32 No.4 https://www.jspid.jp/wp-content/uploads/pdf/03204/032040315.pdf]。
- 急性喉頭蓋炎を疑う所見 → 安全に気道確保できる施設へ緊急搬送(院内での刺激的な検査は避ける)[出典: 同手引き 乳幼児編 p.65]。
- 劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)を疑う所見(四肢激痛・急速腫脹・ショック徴候)→ 救急・集中治療対応が可能な施設へ緊急紹介/搬送(血液培養・広域抗菌薬・外科的評価の適応判断を含む)。STSSは突然発症し数十時間で軟部組織壊死・多臓器不全に進展し致死率30〜40%に達しうる病態であり、初発時のショックへの対応と集中治療が重要とされる(出典: 国立健康危機管理研究機構「劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)」, 確認日 2026-09-25)
- リウマチ熱を疑う徴候(心雑音、多関節炎、舞踏病等)→ 小児循環器専門医へ紹介。
- 川崎病を疑う所見(発熱+上記所見。診断の手引き改訂第6版で発熱の日数要件は撤廃)→ 小児循環器・入院診療体制への紹介を検討(急性期治療の遅れが冠動脈瘤という不可逆的後遺症につながり得るため)。
7出典
- 厚生労働省 抗微生物薬適正使用の手引き 第四版 医科・外来編(2026年1月16日公表、同年4月更新版掲出): https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001630903.pdf (最新版掲載: https://amr.jihs.go.jp/medics/2-8-1.html)。本文書は「一般外来における成人・学童期以降の小児編」(p.21-)と「一般外来における乳幼児編」(p.55-、急性咽頭炎はp.63-68〔2026-09-26訂正: 従来「p.63-67」としていたが、クリンダマイシン「重症感染症」欄の記載がp.68冒頭にあるため範囲を修正〕)の2部構成。急性咽頭炎の診断・治療、Centor/McIsaac基準、3歳未満の注意、Red Flag、アモキシシリン等の用量・日数、クリンダマイシン代替薬用量、リウマチ熱予防のタイミングは本ファイル中の該当箇所に個別ページを付記。
- 日本小児科学会「溶連菌感染症」(一般の方向け): https://www.jpeds.or.jp/general/prevention/yobo-kansensho/kansensho03-07.html (症状・猩紅熱・登校基準・合併症)
- こども家庭庁(旧厚労省)「保育所における感染症対策ガイドライン」(2018年改訂版): https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/e4b817c9-5282-4ccc-b0d5-ce15d7b5018c/c60bb9fc/20230720_policies_hoiku_25.pdf (登園再開の目安=抗菌薬内服後24時間以上経過・症状軽快)
- 学校保健安全法施行規則 第18条・第19条(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/333M50000080018 (学校感染症の分類)/学校感染症一覧 令和5年5月改正版(金沢大学保健管理センター公開資料): https://hsc.w3.kanazawa-u.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2024/09/学校感染症一覧.pdf (溶連菌感染症は第三種「その他の感染症」に分類。法令上一律の出席停止日数の定めはなく、「病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで」/重大流行時のみ校長が学校医の意見を聞き緊急的措置。臨床現場での慣行としての「抗菌薬内服後24時間経過し全身状態良好なら登校可」は、法的な一律基準ではなく医学的な感染性低下の目安として運用されている点に注意)
- 日本小児感染症学会誌『小児感染免疫』Vol.32 No.4(2020)扁桃周囲膿瘍に関する報告: https://www.jspid.jp/wp-content/uploads/pdf/03204/032040315.pdf (扁桃周囲膿瘍の臨床症状・所見の頻度)
- MSDマニュアル プロフェッショナル版「感染後糸球体腎炎(PIGN)」: https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/03-泌尿器疾患/糸球体疾患/感染後糸球体腎炎-pign (抗菌薬治療の腎炎予防効果は限定的・感染後36時間以内投与でのみ可能性)
- 国立健康危機管理研究機構(JIHS)感染症情報提供サイト「劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)」: https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ka/STSS/index.html/東京都感染症情報センター: https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/s-group-a//「国内における劇症型溶血性レンサ球菌感染症の増加について」: https://id-info.jihs.go.jp/risk-assessment/streptococcal-toxic-shock-syndrome/stss-2023-2024.html
- 国立成育医療研究センター「川崎病」: https://www.ncchd.go.jp/hospital/sickness/children/030.html/日本川崎病学会 川崎病診断の手引き(改訂6版)
※ 点数・GLは改定される。運用前に最新版を確認。本ファイルは2026-07-30時点で厚労省「抗微生物薬適正使用の手引き 第四版 医科・外来編」(2026年1月16日公表)を確認・反映済みだが、今後さらに版が更新されている場合は差分を確認すること。
8臨床医が迷う場面
9のどが赤く熱が高いだけで溶連菌として処方する?
ウイルス性咽頭炎が多いため、咳・鼻汁・結膜充血などと年齢を確認し、検査の適応を判断する。典型症状だけで一律処方せず、院内の検査方針に従う。流涎、開口障害、含み声、呼吸障害があれば通常の咽頭炎から外して気道・深頸部感染を評価する。
10適切な抗菌薬を飲んでも悪化する。耐性菌の薬へ変更?
まず実際の服薬、診断、膿瘍・気道合併症を再評価する。片側の腫脹、開口障害、頸部痛・可動制限、持続高熱は専門評価が必要。急速な全身悪化、四肢の激痛・腫脹やショックは侵襲性感染を考え、内服変更だけで待たない。
11治療後すぐ同じ咽頭症状が出たら、残薬で再治療する?
再感染、飲み残し、保菌に別のウイルス感染が重なった状態などを考える。症状と検査適応を再評価し、残薬や家族の薬で治療させない。無症状になった後の検査や追加治療は一律にせず、リウマチ熱リスク・家族内状況と院内方針で判断する。
一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。