4-2 けいれん重積・無熱性けいれん

緊急

4-2けいれん重積・無熱性けいれん

病態・根拠
このページの目次10項目

1発作を早く止める理由

けいれんが続くと自然停止しにくくなり、呼吸・循環、代謝への負担と神経障害の危険が増す。強直間代発作が5分続く、または意識が戻らず発作を反復する場合は、長時間になるまで待たず治療する。開始時刻が不明で発作が続いている時も、時計の確認を理由に初期治療を遅らせない。[1][2]

2発作の制御と原因評価を並行する

気道・換気・酸素化、循環を確保し、血糖を速やかに確認する。発熱、中枢神経感染、低血糖・電解質異常、中毒、外傷、服薬中断などを検討する。発作の型、左右差、持続、意識の回復、既往と救急薬の計画を聴き、家族・救急隊が既に投与した薬剤と時刻を必ず引き継ぐ。[1][2]

3段階的治療と薬剤の重複防止

第一段階では適切な経路のベンゾジアゼピンを院内手順・個別計画に従って用い、呼吸抑制への準備を同時に行う。静脈路がないことだけで治療を止めず、使用可能な非静脈経路を確認する。投与歴を数えず同じ薬を重ねると呼吸抑制を増すおそれがあるため、病院前の投与も治療経過に含める。[1][2]

十分な初期治療でも発作が続けば第二段階へ進み、上級医と集中治療施設に早く連絡する。第三段階の麻酔・人工呼吸管理を持たない当院では、第二段階の結果がすべて出てから搬送相談を始めない。採用薬、投与法・監視と搬送中の対応を相談先と共有する。[1][2]

4検査の順序と限界

採血や画像で発作停止を遅らせない。神経診察や経過に応じて血液ガス・電解質、感染・中毒、画像を選ぶ。けいれんが見えなくなっても意識が回復しない場合は、薬剤作用だけでなく非けいれん性重積や原因疾患を考える。脳波と集中治療が必要な状況を専門施設へ伝える。[1][2]

5安定後の引継ぎ

発作開始・停止、全投薬の名称・経路・量・時刻、呼吸循環の変化、血糖補正と反応を時系列で記録する。家族には原因精査と再発時の救急薬計画が別に必要であると説明し、今回止まったことだけで帰宅方針を決めない。[1][2]

6出典・適用範囲

[1]は国内小児神経学会GL2023総論、[2]は豪州小児専門施設の急性管理GL。病院前薬を含む用量・投与上限と国内承認は院内手順・最新添付文書に従う。本詳細に新たな固定用量を追加しない。 確認日:2026-10-23。

7臨床医が迷う場面

8救急隊や家庭で薬を使っている。院内で初回量からやり直す?

すでに投与した薬名・経路・量・時刻を必ず確認する。院外投与も累積量と呼吸抑制の評価に含め、投与歴不明のままベンゾジアゼピンを重ねない。発作が続けば気道管理の準備と第二選択薬・搬送相談を並行し、治療の時計を来院時にリセットしない。

出典:日本小児神経学会 小児けいれん重積GL2023

9けいれんの動きが止まったのに反応が戻らない。薬が効いたと判断する?

呼吸・血糖・循環を再確認し、投与薬の鎮静に加えて非けいれん性重積を疑う。眼球偏倚や微細な反復運動の有無も見て、脳波と原因評価が可能な施設へ相談する。外見上の停止だけで治療終了とせず、意識が回復する方向かを経時的に記録する。

出典:日本小児神経学会 小児けいれん重積GL2023

10第二選択薬を使い切ってから搬送を探せばよい?

当院は持続麻酔・人工呼吸管理へ進めないため、第二選択薬を検討する段階で受入先へ連絡する。薬剤の準備・投与中も呼吸循環を監視し、搬送に必要な情報を揃える。難治化してから連絡すると気道管理や次段階治療が遅れるため、相談と治療を同時に進める。

出典:日本小児神経学会 小児けいれん重積GL2023

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