2-8 急性副鼻腔炎

緊急

2-8急性副鼻腔炎

眼窩内・頭蓋内合併症の除外
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30

日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。

このページの目次10項目

ページ内目次

1ポイント

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2鑑別のながれ

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3重症度スコア(日本鼻科学会、鼻漏・不機嫌・湿性咳嗽+鼻汁/後鼻漏の性状量)

軽症合計1〜3点鼻処置+抗菌薬非投与で5日間経過観察
中等症合計4〜6点鼻処置+アモキシシリン常用量で5日間投与
重症合計7〜8点鼻処置+アモキシシリン常用量で5日間投与。改善なければ高用量へ
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4計算・スコア

スコア

日本鼻科学会スコア(小児急性副鼻腔炎)

鼻漏
不機嫌・湿性咳嗽
鼻汁/後鼻漏の性状・量

合計 — / 8点

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5検査

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6処置・処方例

Rp. 1アモキシシリン(AMPC) 常用量20〜40mg/kg/日を3〜4回に分服、5日間 内服
中等症以上の第一選択。5日後に改善なければ高用量AMPCまたは他系統薬へ変更。製剤・在庫は当院で確認する
  1. 製剤: アモキシシリン細粒10%(100mg/g、例: サワシリン細粒10%・パセトシン細粒10%)またはアモキシシリン細粒20%(200mg/g、例: ワイドシリン細粒20%)
  2. 1日量は20〜40mg/kg/日(力価)。10%細粒なら1日 —〜—、20%細粒なら1日 —〜—(いずれも20〜40mg/kg/日の換算)
  3. 上記1日量を3〜4回に分けて内服する。5日間投与し、5日後に改善なければ高用量または他系統薬へ変更
  4. 上限は1日90mg/kg(力価)を超えない。10%細粒なら1日 —、20%細粒なら1日 —が上限の目安(90mg/kg/日)
2歳以下・耐性菌リスクの高い児は高用量アモキシシリン・クラブラン酸を検討することがある(専門施設判断)。
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7紹介の目安

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8診療中の疑問と回答

黄色い鼻汁が続く。抗菌薬が必要な細菌性副鼻腔炎?
鼻汁の色だけでは決めない。改善しない鼻汁・日中の咳が10日を超える、いったん改善して再び悪化する、39℃以上の発熱と膿性鼻汁が3日以上続く、という経過を確認する。さらに国内の重症度スコアと合併症を評価する。このページの院内方針院内では軽症は鼻処置を行い5日間観察し、中等症以上で抗菌薬を検討する。
根拠:AAP 2013 小児急性細菌性副鼻腔炎:診断、72時間の再評価、合併症 / 日本鼻科学会:鼻副鼻腔炎診療の手引き2024
抗菌薬の3日目に鼻汁が残る。増量すべき?
残っていても減っている症状と、全く改善しない・悪化する症状を分ける。AAPは72時間で改善しない場合の再評価を推奨するが、これは自動的な増量指示ではない。服薬状況、用量、診断と合併症を確認する。院内の予定評価は5日後としつつ、悪化時や改善の兆しが乏しい場合は早めに再診し、所見に応じて変更する。
根拠:AAP 2013 小児急性細菌性副鼻腔炎:診断、72時間の再評価、合併症
薬を替え続ける前に、何を見直す?
投与量・飲めているか・直近の抗菌薬歴に加え、アレルギー性鼻炎など非感染性の原因や構造的な問題を再評価する。不応例では耐性菌も考えるが、薬を順番に試すだけにしない。適切な治療でも不応・反復する場合は耳鼻科に相談し、必要な検体採取や内視鏡評価を依頼する。
根拠:IDSA 2012:副鼻腔炎の治療不応と培養・紹介
治りきらないからCTや鼻汁培養を全員に出す?
単純な急性副鼻腔炎の確定にCTを用いない。鼻咽腔の培養は副鼻腔内の原因菌を正確に反映せず、その結果だけで広域薬へ替えない。適切な初期治療に不応で原因菌の確認が必要なら、耳鼻科と相談して採取方法を選ぶ。眼窩内・頭蓋内合併症を疑う場合の画像は別扱いで、検査可能な施設へ送る。
根拠:AAP 2013 小児急性細菌性副鼻腔炎:診断、72時間の再評価、合併症 / IDSA 2012:副鼻腔炎の治療不応と培養・紹介
まぶたが腫れた。内服の増量で翌日まで待てる?
眼球運動時痛・運動制限、複視、眼球突出、視力低下、強い頭痛、意識変容、けいれんを確認する。これらや急速な眼周囲腫脹があれば合併症として即日紹介する。当院の当直帯はCTが撮れないため、画像を待つための経過観察にしない。眼科・耳鼻科、必要に応じ脳神経外科が対応できる施設へ相談する。
根拠:AAP 2013 小児急性細菌性副鼻腔炎:診断、72時間の再評価、合併症
抗菌薬の5日分が終わる。鼻汁がゼロになるまで延長する?
このページの5日は院内の再評価を伴う処方単位であり、すべての患児の総治療期間を5日と固定する意味ではない。症状が改善しているか、発熱や痛みが残るかで終了・継続・診断の見直しを判断し、残存鼻汁だけで漫然と延長しない。IDSA 2012は小児で10〜14日を推奨しており、国内運用と混在させず担当医が総期間を決める。
根拠:IDSA 2012:副鼻腔炎の治療不応と培養・紹介 / 日本鼻科学会:鼻副鼻腔炎診療の手引き2024
軽症でも抗菌薬を出す?
出さない。軽症は鼻処置を優先し、抗菌薬は投与せず5日間経過観察する。5日後に改善なければ抗菌薬投与へ移行する。
画像で確定診断する?
しない。画像検査はウイルス性上気道炎との鑑別に寄与せず、合併症を疑わない限り不要。CT所見は特異度が低く過剰診断につながりやすい。
5日たっても良くならない場合は?
経過観察・お薬のいずれでも5日たっても改善しなければ再評価・薬剤変更を検討する。
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10家族への説明

まぶたが片方だけ急に腫れる・赤くなる、目が動かしにくい・物が二重に見える、高い熱が続き強い頭痛や繰り返す嘔吐を伴う、というときは様子を見続けずに連絡してください。経過観察やお薬を始めたあとに症状がかえって悪くなる、5日たっても良くなっている感じがしないときも受診してください。

一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。

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