10-23 不登校・こころのSOS

緊急

10-23不登校・こころのSOS

病態・根拠
このページの目次9項目

1不登校は一つの疾患名ではない

登校困難には、身体疾患、睡眠・概日リズム、抑うつ・不安、発達上の困難、いじめや家庭・学校環境など複数の要因が重なる。欠席日数だけで原因や重症度を決めず、本人の苦痛、安全、生活機能を評価する。支援は登校という結果だけを目標にせず、本人が社会的に自立していく過程を支える。[1][2]

2診察で分けて確認すること

本人と話せる時間を設け、学校・家庭・友人関係と、眠れる時間、食事、活動、楽しめることを具体的に聴く。保護者の説明と本人の体験が異なることもあるため、どちらかだけで判断しない。腹痛・頭痛等の症状は実際の苦痛として扱い、成長、発熱、出血、神経所見など身体疾患の手がかりを評価する。[2]

「朝だけ不調」は起立性調節障害の証明にはならない。体位との関連、睡眠相、抑うつ・不安と生活環境を整理し、症候に合わせた身体評価へつなげる。逆に身体検査が正常でも、本人の安全や心理的危機を否定する根拠にはしない。[2]

3緊急性と専門評価

自傷・自殺念慮、虐待、家で安全に過ごせない状態は登校支援の面談とは分けて当日評価する。重い抑うつやセルフケアの低下、食事水分を保てない状態も専門医療を要する。安全を保てない本人を一人で帰さず、上級医と児童精神科等への接続・保護を調整する。[2]

4支援計画と再評価

軽症で安全が保たれる場合も、次の診察と学校・教育支援担当との連絡方法を決める。本人の意向を確認して情報共有し、別室、教育支援センター、ICT等の学びの機会を相談する。登校の強要や親だけへの原因帰属を避ける。[1]

医療では睡眠、食事、身体活動、対人接触、本人が選ぶ小さな目標を追う。登校回数だけを治療効果にしない。症状が続く・悪化する場合は抑うつ・不安や発達、身体疾患を再評価し、長期欠席での診療の途切れも確認する。薬物療法は不登校そのものに一律に用いず、対象疾患の診断と専門判断に基づく。[1][2]

5出典・適用範囲

[1]は国内の教育支援通知で医療の診断基準ではない。[2]は英国の小児抑うつGLで、すべての登校困難に抑うつがあるという意味ではない。英国の制度・薬剤承認は転用していない。 確認日:2026-10-23。

6臨床医が迷う場面

7登校できた日数だけを治療目標にしてよい?

本人の安全と健康、学び・人とのつながりを保つことを目標に含める。睡眠、身体症状、いじめや家庭・学校での困難を確認する。無理な登校の約束ではなく、本人ができる活動を小さく設定し、学校・相談先と役割と次の確認日を決める。

根拠:文部科学省 不登校児童生徒への支援の在り方 / 厚労省 ゲートキーパー養成研修テキスト第3版

8朝の腹痛や起床困難は不登校が原因と考えてよい?

発症時期、休日にもあるか、食事と睡眠、体重や診察所見を確認する。起立性調節障害など身体疾患と抑うつ・不安を並行評価し、心理面だけに帰結させない。体重減少、血便、発熱や神経症状などがあれば身体の精査を優先する。

根拠:文部科学省 不登校児童生徒への支援の在り方 / 厚労省 ゲートキーパー養成研修テキスト第3版

9死にたい気持ちはないと言えば、そのまま通常再診でよい?

一度の返答だけで決めず、最近の自傷、具体的計画・手段、焦燥、支えてくれる人と安全な居場所を確認する。切迫した危険や安全確保ができない場合は一人にせず緊急精神科連携へ。危険が切迫していなくても連絡先と早期再診を共有する。

根拠:文部科学省 不登校児童生徒への支援の在り方 / 厚労省 ゲートキーパー養成研修テキスト第3版

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