1-8帰国後発熱・輸入感染症
きこくごはつねつ・マラリア・渡航後
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30
日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。
このページの目次8項目
1ポイント
- 国名だけでなく地域・日程、帰国/発症日、蚊/動物・淡水・飲食、現地医療と薬剤、同行者の症状を確認する。[1]
- 循環不全、意識障害、出血、呼吸困難またはマラリア疑い:安定化と感染対策を行い、速やかな検査・治療ができる専門施設に連絡する。[1][2][3]
- 重症度と鑑別で治療・隔離を選び、敗血症や一般肺炎・尿路感染も並行評価する。マラリア陽性/疑い時は感染症専門医と迅速に治療方針を決める。[1][3]
2鑑別のながれ
- 帰国後発熱→マラリア流行地、予防薬を服用済みでも→熱帯熱マラリアを速やかに検査する。[1][3]
- 発熱+発疹/出血/呼吸症状→地域の流行と曝露・潜伏期間が合致→感染対策が必要な疾患を専門医と絞り、一般感染症も並行評価する。[1]
3検査
- マラリア流行地後の発熱は即時検査を手配し、塗抹等で病原体・種・寄生率を評価する。迅速に検査できなければ移送を強く検討する。[3]
- 塗抹は初回陰性でも疑いが強ければ反復する。NAAT等の検査特性により再検要否が異なるため、陰性を一律に解釈しない。[3]
4対応の注意
避けること・注意:解熱していることや予防薬服用でマラリアを除外しない。数日かかる外注だけで緊急診断を済ませない。[1][3]。
↑ このページの入口へ5初期対応と継続管理
初期対応
- 重症度と鑑別で治療・隔離を選び、敗血症や一般肺炎・尿路感染も並行評価する。マラリア陽性/疑い時は感染症専門医と迅速に治療方針を決める。[1][3]
フォローと再評価
- 原因不明で外来なら再診計画を確実にし、新しい皮疹・出血・意識変化/呼吸症状では直ちに再評価する。[1][2]
根拠と適用範囲
- CDC Yellow Book 2026 Post-Travel Evaluation of the Ill Traveler:全年齢の渡航後診療、小児投与量は含めない
- 厚生労働省FORTH 旅行から帰って:国内公的受診案内、マラリアの緊急性
- CDC Evaluation and Diagnosis of Malaria:2026年8月、検査緊急性・塗抹/NAATの違い
6帰宅・入院の目安
- 帰宅重大疾患を評価し、全身が安定し追跡確実な場合に外来を検討する。[1]
- 入院全身性発熱で診断不明、急変リスク、フォロー不確実な場合は入院閾値を低くする。[1]
- 搬送・紹介熱帯病/小児感染症へ連絡し、検査・薬剤・感染管理の実施能力を確認して紹介する。[1][3]
7診療中の疑問と回答
- マラリア予防薬を飲んでいたので検査しなくてよい?
- 予防内服や目立つ蚊刺がないことだけでマラリアを除外しない。訪問地域、期間、発症日を確認し、流行地域からの発熱では迅速に検査・治療可能な施設へ相談する。重症化し得るため、解熱薬で翌日まで待つ方針にしない。
根拠:CDC Yellow Book 2026 帰国後患者の評価 - 最初のマラリア検査が陰性なら帰してよい?
- 発症早期や低寄生虫量では検出できないことがある。曝露と臨床像から疑いが残る場合は再検計画を専門家と決め、追跡の確実性で入院も検討する。敗血症など一般的な感染症も並行評価し、旅行歴だけに診断を絞らない。
根拠:CDC Yellow Book 2026 帰国後患者の評価 - 帰国後の発熱なら通常の待合へ案内してよい?
- 地域、接触歴、発疹・呼吸器症状・出血症状から必要な感染対策を初期に決める。麻疹など高感染性疾患や重篤輸入感染症が疑われれば、通常動線に入れる前に感染管理・保健所等へ相談する。検査・搬送先にも事前に情報を共有する。
根拠:CDC Yellow Book 2026 帰国後患者の評価
8家族への説明
旅行先と日付を必ず伝える。帰国から時間がたってから発症する病気もあり、熱が下がった時でも安心とは限らない。[1][2]
一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。