5-2 くり返すおなかの痛み(機能性腹痛)

緊急

5-2くり返すおなかの痛み(機能性腹痛)

レッドフラグを外してから機能性と診断する
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30

日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。

このページの目次8項目

ページ内目次

1ポイント

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2鑑別のながれ

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3検査

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4処置・処方例

Rp. 1酸化マグネシウム(便秘合併時) 0.02〜0.1 g/kg/日、分2。開始量は0.03〜0.05 g/kg/日を目安に漸増 内服
反復性腹痛に便秘の合併があれば、まず便秘を治療する(便秘は反復性腹痛の隠れた原因として頻度が高い)
  1. 開始量: 1日量 —〜—を分2(朝夕など)で内服させる
  2. 効果をみながら1日量 —〜—の範囲で漸増・調整する
  3. 軟便になりすぎる場合は減量する
Rp. 2プロバイオティクス(IBS型) Lactobacillus reuteriまたはL. rhamnosus GGを6〜8週間 内服
IBS型で食物繊維の調整・低FODMAP食の試験的除去と並行して考慮する(中等度のエビデンス)。製品・用量は採用品で確認
  1. Lactobacillus reuteriまたはL. rhamnosus GGを含む製剤を6〜8週間内服させる
  2. 6〜8週間で改善を評価する
  3. 症状が再燃した場合は再開を検討する
Rp. 3六君子湯(FD型) 5.0〜7.5 g/日、分2〜3 内服
排便と無関係な心窩部痛・膨満感(FD型)に考慮する。この量は体重30kg前後を目安とした成人量の1/2〜2/3程度の表示で、体重比例のスケーリングではない。小児では保険適用外のことが多く、使用にあたっては注意が必要(採用品で確認)
  1. 1日量5.0〜7.5gを分2〜3(食前)で内服させる
  2. 小児での確立した体重換算量ではないため、症状・忍容性を見ながら調整する
腹部片頭痛の予防薬(シプロヘプタジン等)・三環系抗うつ薬・SSRIは、正本に小児での確立した用量が無いため本シートには量を書かない(専門医管理下の検討事項)。下痢優位型IBSのポリカルボフィルカルシウムは添付文書上『小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない』ため、使う場合は年齢・体重に応じ個別に判断する(当直で新規開始する薬ではない)。 避けること・注意:レッドフラグがないまま画像検査・侵襲的検査を繰り返さない。三環系抗うつ薬(アミトリプチリン等)は小児のうつ病治療における使用経験が少なく、鎮痛目的でのoff-label使用も有効性エビデンスが不十分。使うなら専門医管理下に限定する。慢性的なNSAIDs・オピオイド系鎮痛薬の連用も避ける。
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5帰宅・入院の目安

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6診療中の疑問と回答

検査が正常なら、痛みは気のせいと説明する?
痛みが本物であることを伝え、機能性腹痛の仕組みを説明する。欠席、食事、睡眠、活動への影響を聞き、痛みをゼロにすることだけでなく生活回復の目標を作る。定期的に成長や新たな赤旗を確認し、検査を繰り返すだけの対応にしない。
根拠:RCH 慢性腹痛(海外小児指針)
いつもの腹痛で来たが、今回は強い。定期処方だけでよい?
今回の発症、部位、嘔吐・血便・発熱、局在する圧痛を診直す。特に急な下腹部痛や陰嚢症状は捻転などを考え、慢性痛のラベルで緊急疾患を除外しない。当院当直帯で必要な画像ができなければ、検査可能な施設へ早期相談する。
根拠:RCH 慢性腹痛(海外小児指針)
腹痛が続くから、食物除去や鎮痛薬を次々追加する?
便秘の有無、症状と食事・排便の関連を再評価する。根拠のない多品目除去は成長・栄養を損ねるため、試す場合も栄養士等と目的・期間・再評価を決める。長期NSAIDs・オピオイドは避け、支障が強い例は消化器や心理支援へつなぐ。
根拠:RCH 慢性腹痛(海外小児指針)
どこまで検査すればよいか?
レッドフラグがなく身体診察が正常で便潜血陰性なら、それ以上の検査なしに機能性腹痛と診断してよい。画像検査のルーチン施行や繰り返す採血は過剰。
「いつもの腹痛」と違うときは?
思春期女子の突然発症の強い下腹部痛は、繰り返していても今回が突然で強いなら卵巣・付属器捻転を考え、扱いを変える。
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8家族への説明

体重が減ってきた、身長の伸びが鈍ってきた、便に血が混じる、吐いたものに血や緑色(胆汁)が混じる、原因のわからない発熱が続く、痛みで夜中に目が覚める、おへそから離れた強い痛みが続く、関節が腫れる・原因不明の発疹がある、思春期の女の子で片方だけ急に強いおなかの下の痛みが起こった——このいずれかがあれば、様子を見ずに連絡してください。

一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。

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