4-15 小児の心不全・心筋症を疑うとき

緊急

4-15小児の心不全・心筋症を疑うとき

病態・根拠
このページの目次13項目

1病態と認識

心臓が体の必要量を満たして送り出せないと、肺や全身への液体貯留・灌流不足を来す。原因は先天性病変、心筋疾患、不整脈など一様でない。[1][3]

  • 哺乳や遊びの発汗、呼吸の苦しさ、体重増加不良、易疲労、尿量減少、冷たい皮膚やむくみを確認する。[1][2]

2鑑別と見逃しを避ける所見

起点手がかり考える病態・行動
哺乳・呼吸の問題発汗、体重増加不良、尿量低下を伴う単純な呼吸器感染だけでなく心不全を評価する。[1][2]
運動で疲れる・息切れ胸痛や動悸、成長や診察所見も確認心筋疾患・不整脈等も含め循環器評価へつなぐ。[1][3]

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3検査の使い方と限界

  • 病歴と診察に加え、ECG・心エコー・胸部画像・血液尿検査を病態に応じ選ぶ。[1]
  • 症状は他疾患とも似るため、哺乳量・成長・呼吸・全身所見を組み合わせる。[1]

4初期対応・経過と専門診療への境界

  • ECG・SpO2・血圧・灌流・尿量を監視し、低酸素や呼吸障害には病態に応じた酸素・呼吸支持を開始する。体液量を反復評価し、一律の大量輸液を反復しない。うっ血/体液過剰は静注利尿薬、低心拍出・ショックは強心/血管作動薬の早期導入を循環器・PICUと判断する。エコーや搬送待ちで支持療法を遅らせない。短絡性心疾患等は病変別の循環評価を要する。[1][4]
  • 普段の状態と急な変化を家族・かかりつけ担当者から確認し、悪化時の連絡を早める。[2]
  • 家庭では普段の呼吸・摂取・活動・体重・尿量の変化と専門計画の連絡基準を共有する。[2]

5帰宅・外来フォロー

  • 安定した既知心不全は専門医の個別治療計画と悪化時連絡先を持って管理する。[1][2]

6入院・継続観察

  • 新たな呼吸・灌流不全や哺乳不良を認める場合は専門施設で入院を含め評価する。[1][2]

7専門相談・搬送

  • 疑い段階で小児循環器へ相談する。原因となる心筋症・CHD・不整脈を評価する。[1][3]

8避けること・適用上の注意

  • 成人用心不全治療の用量や輸液方針を小児へ一律に転用しない。[1][3]
  • CHOP家族資料は2015著作権表記。認識の補助にとどめ、現行薬剤治療根拠に使わない。
  • 国内小児心不全の治療適応・薬剤量、BNPの年齢別基準は未採用。

専門治療の固定オーダーや院内の採用薬・連絡先は、この原稿の作成だけで確定しない。病態の悪化は検査や通常の紹介予約を待たず再評価する。

9出典と適用範囲

  • [4] ISHLT 2025 小児心不全ガイドライン。急性心不全の呼吸支持、体液評価、利尿・強心/血管作動薬。心筋機能障害が主対象で、左右短絡による心不全は対象外。先天性心疾患は病変別判断が必要。 確認: 2026-10-23。

根拠調査日: 2026-10-23。医師による逐条確認と院内適合性の確認は未完了。

10臨床医が迷う場面

11哺乳で汗をかき体重が増えない。授乳量を増やして様子を見る?

授乳時の頻呼吸・疲労、肝腫大、尿量、末梢灌流を確認する。心不全では摂取不足だけでなく循環負荷が問題になり、哺乳を無理に増やすだけでは解決しない。呼吸苦や灌流不良があれば入院・循環器評価を急ぎ、栄養の方法も心機能に合わせて相談する。

出典:ISHLT 小児心不全GL2025 / RCH 重症児の初期蘇生(海外)

12むくみがあるので利尿薬を増やせばよい?

体重変化だけでなく、呼吸、肝腫大、灌流、尿量、腎機能・電解質を確認する。うっ血と低心拍出が共存する例では利尿だけで悪化することもある。既存の処方と実服用を確認し、増量や強心薬の要否は循環器と判断する。成人の用量を流用しない。

出典:ISHLT 小児心不全GL2025 / RCH 重症児の初期蘇生(海外)

13血圧が低く冷たい児に、通常の脱水と同じ輸液をしてよい?

心機能低下やうっ血が疑わしければ、一律の急速・大量輸液を繰り返さない。呼吸と灌流を監視し、初期支持療法を行いながら循環器・PICUへ直ちに相談する。酸素化だけでなく臓器灌流が目標であり、病変に応じた薬物支持と搬送を急ぐ。

出典:ISHLT 小児心不全GL2025 / RCH 重症児の初期蘇生(海外)

一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。

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