3-10 卵巣腫瘍茎捻転(女児の急性腹症)

緊急

3-10卵巣腫瘍茎捻転(女児の急性腹症)

下腹部痛・卵巣捻転・エコー
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30

日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。

このページの目次7項目

ページ内目次

1ポイント

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2鑑別のながれ

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3検査

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4帰宅・入院の目安

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5診療中の疑問と回答

片側の強い腹痛がいったん治った。捻転は否定できる?
捻転と自然整復で痛みが断続的になることがある。突然の片側痛、嘔吐、腫瘤の既往を確認し、改善だけで帰宅させない。初経前でも起こり得るため、疑った時点で小児外科・婦人科へ相談し、画像待ちの遅延を避ける。
根拠:RCH 思春期女児の下腹部痛 / ACOG Adnexal torsion in adolescents:Dopplerの限界・温存
超音波で血流が見えたら手術評価は不要?
卵巣血流が見えても捻転を完全には除外できない。症状と卵巣腫大・形態などを合わせ、疑いが高ければ専門外科評価を続ける。当直に超音波ができない当院では、検査できる翌朝まで待たず受入先へ連絡する。
根拠:RCH 思春期女児の下腹部痛 / ACOG Adnexal torsion in adolescents:Dopplerの限界・温存
発症から時間が経っていれば温存は難しいので急がない?
経過時間だけで卵巣温存不能とは判断しない。迅速に専門施設へつなぎ、捻転解除と温存の可否を手術所見を含めて判断してもらう。妊娠可能性がある児では妊娠反応と子宮外妊娠も並行評価するが、転送を不必要に遅らせない。
根拠:RCH 思春期女児の下腹部痛 / ACOG Adnexal torsion in adolescents:Dopplerの限界・温存
時間が経っているから手遅れ?
そうではない。発症から時間が経過した卵巣茎捻転でも、若年者では積極的に卵巣温存を行うべきとされ、卵巣を残せた報告がある。
初経前だから婦人科疾患はない?
違う。骨盤漏斗靭帯が延長している初経前の女子に多くみられる。
右下腹部痛で虫垂炎として動いたが所見が合わない。次は?
卵巣を見る。右側での捻転が多く(S状結腸が左側に位置し右骨盤内のスペースが広いため)、虫垂炎と紛らわしい。
痛みが今おさまっている。帰していい?
帰さない。自然整復と再捻転を繰り返すことがある。
エコーが陰性なら卵巣捻転は否定できる?
できない。感度は72.1%程度とされる。当院は院内夜間そもそもエコーが無いので、疑った時点で電話する。
下痢がない嘔吐+強い腹痛を「胃腸炎」として帰したあと、痛みが続いている。どうする?
胃腸炎と決めつけない。下痢を伴わない嘔吐+強い腹痛を胃腸炎で説明するのは診断の遅れの典型パターン。経過観察にせず相談に回す。
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7家族への説明

卵巣がねじれてしまう病気(卵巣腫瘍茎捻転)を考えています。卵巣に袋(嚢腫)や腫瘍があると、それが重みになって、根元でねじれてしまうことがあります。ねじれると血が通わなくなるため、早く戻すほど卵巣を残せる可能性が高くなります。これは手術ができる病院にお願いする必要があります。男の子の『精巣がねじれる病気』と同じ考え方です。時間が経っているから手遅れ、ということはありません。しばらく経ってから手術をしても、卵巣を残せた報告があります。なお、腫瘍といっても、ねじれる原因の多くは良性です(悪性は2%以下)。

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