7-1外耳炎
耳介牽引で痛みが増強・耳のかゆみ
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30
日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。
このページの目次7項目
1ポイント
- 外耳炎は鼓膜の手前の炎症で中耳炎とは場所が違う。耳かき等でできた傷から細菌が入って発症する。
- 耳を引っぱると痛みが強くなるのが外耳炎の特徴とされる(中耳炎との対比自体は一次資料未確認)。
- 耳のかゆみが起こる原因はほとんどの場合が外耳炎。膿性の耳だれは細菌感染、漿液性は湿疹を示唆する。
- 顔面神経麻痺やめまいを伴う耳痛は緊急。悪性外耳道炎(免疫不全児の難治例)も持てない前提で相談する。
2鑑別のながれ
- 耳痛→顔面神経麻痺(額のしわ寄せ・閉眼・口角の左右差)やめまいを伴う→緊急。脳卒中・頭蓋内病変も除外
- 耳介・耳後部の発赤腫脹が急速に拡大し全身状態が悪い(ぐったり・発熱強い)→皮膚所見と不釣り合いな強い痛みがある→蜂窩織炎に準じ緊急評価。壊死性筋膜炎も疑う
- 耳痛→免疫不全・血液疾患があり治療してもかえって増悪する→悪性外耳道炎(頭蓋底骨髄炎)の可能性
- 耳後部腫脹+耳介の前方偏位→急性中耳炎の経過中→乳様突起炎
- 激しい耳痛+水疱→水痘・帯状疱疹の既往なし→水痘・帯状疱疹ウイルスによる炎症(顔面神経麻痺があれば緊急)
3検査
- 外耳道の視診:発赤・腫脹・耳漏の性状(膿性か漿液性か)を見る。
- 鼓膜の観察(可能なら):見えない・評価できないなら中耳炎合併を除外できず、耳鼻科フォローで鼓膜評価を依頼する。
- 耳前部:瘻孔・小さな穴・陥凹(先天性耳瘻孔の感染)を見る。
- 耳ピアス(特に軟骨部)の有無・部位を問診し、発赤腫脹が耳介・耳後部へ広がれば蜂窩織炎に準じて評価する。
- 顔面神経:額のしわ寄せ・閉眼・口角の左右差を確認する。左右差があれば119判断。
4帰宅・入院の目安
- 帰宅典型的な外耳炎(全身状態良好):耳癤型(限局性の腫れ)は内服抗菌薬+外用ステロイド、びまん性は点耳薬での局所処置を当院で開始し、耳鼻科外来へフォロー(薬剤名・用量は院内採用薬・アンチバイオグラムで確認。処方前に薬剤アレルギー歴を確認する)、耳介・耳後部へ広がる発赤腫脹で全身状態良好:蜂窩織炎に準じて当院で治療を開始し、乳様突起炎疑い・増悪時は送る
- 搬送・紹介顔面神経麻痺・めまいを伴う耳痛:持てない。緊急で送る、耳介・耳後部の発赤腫脹が急速に拡大し全身状態が悪い:蜂窩織炎に準じて緊急評価。皮膚所見と不釣り合いな強い痛みなら壊死性筋膜炎も疑い持てない、悪性外耳道炎を疑う(免疫不全+難治性):持てない可能性が高い、先天性耳瘻孔の感染:消炎後に摘出術目的で耳鼻科紹介
5診療中の疑問と回答
- 点耳薬を使っても痛い。内服抗菌薬へ変える?
- 外耳道が腫れや耳垢で塞がり薬が届いていない、鼓膜穿孔を伴う中耳炎、真菌などを見直す。鼓膜と外耳道を確認し、必要なら耳鼻科で清掃・薬の到達を改善する。局所感染だけなら全身薬の追加を自動化せず、拡大や全身症状の有無で判断する。
根拠:Perth Children's Hospital Otitis externa - 外耳道が狭く鼓膜が見えないが、以前の点耳薬でよい?
- 穿孔の有無が不明なまま製剤を流用しない。薬の鼓膜穿孔時の安全性を確認し、腫脹・排液・異物を評価する。薬が届かない閉塞例は耳鼻科へ相談する。処置による損傷を避けるため、見えない場所を綿棒や器具で強く操作しない。
根拠:Perth Children's Hospital Otitis externa - 耳の見た目より痛みが強く夜も眠れない。鎮痛だけで待つ?
- 強い夜間痛、顔面神経症状、耳後部の腫れ、顔面へ広がる発赤は通常の外耳炎として扱わない。免疫不全・糖尿病など背景も確認し、壊死性外耳道炎、乳様突起炎などを念頭に緊急耳鼻科評価を依頼する。治療不応例では培養も検討する。
根拠:Perth Children's Hospital Otitis externa
- 外耳炎と中耳炎はどう見分けるか?
- 耳を引っぱったり耳の入り口を押すと痛みが強くなれば外耳炎を示唆する。ただしこの対比自体は一次資料での裏付けがない。
- 発熱を伴うのが普通か?
- 外耳炎は通常全身状態に大きく影響しない。発熱が強い・ぐったりなら別の病態を疑う。
7家族への説明
今回の症状は、鼓膜の手前にある『外耳』という部分の炎症、外耳炎です。耳かきなどで耳の中を傷つけたところに細菌が入って起こることが多く、耳を触ったり引っぱったりすると痛みが強くなるのが特徴です。治療は耳鼻咽喉科での処置と、抗菌薬や痛み止めのお薬です。処方されたお薬は指示どおり最後まで使ってください。治るまでは耳の中をいじらず、水を入れないようにしてください。顔の動きが左右で違う、めまいが強い、痛みや腫れがどんどん強くなる場合は、すぐにご連絡ください。
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