8-8 肘内障(うでを動かさない)

緊急

8-8肘内障(うでを動かさない)

腫脹・変形がなければ整復。あれば先にX線
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30

日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。

このページの目次8項目

ページ内目次

1ポイント

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2鑑別のながれ

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3検査

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4肘内障の整復(過回内法→回外屈曲法)

  1. 第一選択は過回内法:患側肘を90°屈曲位に保ち、片手の母指を橈骨頭上に当てて固定、もう一方の手で手関節を把持し、急速に前腕を過回内させる
  2. 整復成功の指標:橈骨頭部でのクリック音・触知可能なはじける感覚。多くは整復直後〜数分で疼痛が消失し腕を使い始める
  3. 過回内法が無効なら回外屈曲法へ切り替える:同様の把持で、1回の連続動作として前腕を急速にしっかり回外させたのち、肘関節を完全屈曲位まで持っていく
  4. 施術後10〜15分は患肢の自動運動を観察し、整復が得られたか確認する
  5. 整復後は簡単な固定を行うことも行わないこともある(一律のGL推奨はなく施設判断)。固定するなら整復後2日間、肘を屈曲位・前腕回外位に保つと、固定しない場合より再発率が下がるとの報告がある
やってはいけない・落とし穴
  • 整復手技は施設で習った方法(過回内法・回外屈曲法)以外は用いない
  • 腫脹・変形がある例へ整復操作を先行させない(骨折を悪化させるリスク。先にX線で除外する)
  • 機転不明・非典型例に画像評価を経ず反射的に整復を試みない
  • 整復不成功のまま繰り返し無理な整復操作を反復しない(2〜3回不成功なら画像評価・整形外科紹介に切り替える)
  • 典型例に鎮静・麻酔をルーチンで使わない
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5紹介の目安

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6診療中の疑問と回答

腕を使わない乳児に、すぐ整復してよい?
機転、姿勢と圧痛を確認し、腫脹・変形・紫斑、骨性圧痛や発熱がないか診る。典型例なら画像前の整復を検討できるが、非典型の年齢や外傷、感染・骨折の疑いがあれば同じ手順を繰り返さず画像・専門相談を先に行う。
根拠:RCH Pulled elbow
整復のクリックがあれば帰宅させてよい?
クリックだけでなく実際に腕を使い、上方の物に手を伸ばせることと疼痛を確認する。通常は数十分以内に使い始める。使わない場合は診断と整復の成否を再評価し、回数を決めず反復せずに上級医・画像評価へ進む。
根拠:RCH Pulled elbow
整復後も少し使わないが、受傷から長時間経っている。どうする?
時間が経った受傷では回復が遅れることがあるが、骨折を見逃していないか再確認する。専門医と相談し必要なら固定・画像と短期再診を設定する。成功が確実でないまま説明なく帰宅させず、痛み増悪・腫脹や使用困難の持続は再受診とする。
根拠:RCH Pulled elbow
整復前に必ずレントゲンを撮る?
撮らない。腫脹なし・機転が典型的・所見が典型的なら整復前X線は不要で、麻酔も不要で直ちに整復してよい。
過回内法と回外屈曲法どちらを先に試す?
過回内法が第一選択。2017年のコクランレビューで初回整復の不成功率は過回内法9.2%、回外屈曲法26.4%だった。無効なら回外屈曲法に切り替える。
整復後どのくらいで腕を使い始める?
多くは30分以内。使わないままなら再整復の可否と骨折の可能性を再評価する。
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8家族への説明

手を引いたあと腕を使わないときは、よくある肘の靱帯のずれのことが多いです。指先の色が悪い、腫れや変形がある、戻したあとも使わないときはすぐ連絡してください。

一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。

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