10-13新生児けいれん・HIEを疑うとき
しんせいじけいれん・低酸素性虚血性脳症・HIE
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30
日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。
このページの目次8項目
1ポイント
- 分娩経過、蘇生内容、血液ガス、発症時刻と神経所見を記録し、意識、筋緊張、反射、吸啜、けいれんを確認する。[1]
- 無呼吸、哺乳不良、活気低下、異常運動を新生児の重症徴候として扱う。[2]
- 意識低下・けいれんと周産期低酸素の所見:出生時刻を確認してNICUへ直ちに連絡し、治療適応評価の機会を失わないよう搬送調整する。[1][3]
- 保温・呼吸循環・血糖管理を行い、神経学的観察を続ける。[1][2]
2鑑別のながれ
- 新生児の異常運動・反応低下→周産期低酸素所見、蘇生歴、神経所見を確認→HIE等を疑い治療適応の時間を意識してNICUへ連絡する。[1]
- 新生児のけいれん→血糖・電解質、体温、感染徴候、哺乳を評価→低血糖・感染・代謝疾患等も考え、HIEだけに限定しない。[1][2]
3検査
- 血糖・血液ガス・電解質を評価し、感染や代謝疾患に応じ検査を追加する。[1][2]
- aEEG等は専門評価の補助で、目視の異常運動だけで病因や予後を確定しない。[1]
4対応の注意
避けること・注意:専門家の指示や温度監視なしに児を冷やすことを避ける。[1][3] けいれんが止まったという一点で帰宅、予後説明、HIE否定を行わない。[1][2]。
↑ このページの入口へ5初期対応と継続管理
初期対応
- 保温・呼吸循環・血糖管理を行い、神経学的観察を続ける。[1][2]
- HIEの低体温療法候補は出生後6時間以内の適応評価・開始機会を逃さないよう直ちにNICUへ連絡する。在胎・脳症の程度・除外条件を専門医が判断し、専門設備と監視下で実施する。独自に氷等で冷却せず、搬送中の体温管理もNICUの指示を受ける。[1][3]
フォローと再評価
- 専門施設で原因・神経所見・脳波等の推移を評価し、長期の発達フォローにつなぐ。具体的検査日程は専門計画を確認する。[1][3]
根拠と適用範囲
- NCPR eラーニング 呼吸の安定化・蘇生後ケア:国内教材。HIE低体温療法の適応枠組み、血糖管理。
- RCH Recognition of the seriously unwell neonate and young infant:新生児の異常運動、感染・代謝鑑別、初期評価。
- AHA/AAP 2025 Neonatal Resuscitation:蘇生後ケアと適切な専門環境での低体温療法。
6帰宅・入院の目安
- 入院新生児のけいれん・脳症疑いは監視と原因評価ができる環境へ入院する。[1][2]
- 搬送・紹介NICU、新生児神経診療と搬送チームへ緊急連絡する。[1][2]
7診療中の疑問と回答
- 新生児のぴくつきは、動画だけでけいれんと決められる?
- 刺激との関係や動きを押さえた時の反応は参考になるが、非けいれん性の動きと臨床所見だけで確定できない。呼吸、循環、体温、血糖を確認し、疑いがあればNICUへ相談して脳波を含め評価する。無呼吸・反応低下を伴う時は撮影や観察を優先しない。
根拠:AHA/AAP 新生児蘇生GL2025 / ILAE 新生児発作治療GL2023(最終報告) / RCH 重症新生児の初期評価 - 低酸素の可能性があれば搬送まで自己流に冷やす?
- 出生時刻、在胎週数、蘇生経過と神経所見を早急にNICUへ伝え、低体温療法の適応を相談する。対象と開始可能な時間が限られるため連絡を遅らせないが、保冷剤等で無監視に冷却しない。搬送中の温度・呼吸循環管理も受入チームと決める。
根拠:AHA/AAP 新生児蘇生GL2025 / ILAE 新生児発作治療GL2023(最終報告) / RCH 重症新生児の初期評価 - 血糖を補正して動きが止まれば帰せる?
- 新生児の低血糖・けいれん様症状は原因検索と再発監視が必要。感染、出血、電解質異常や周産期障害を評価し、脳波も含めて専門チームで判断する。一時的な症状消失だけで終了せず、NICUなど観察と治療のできる場所へつなぐ。
根拠:AHA/AAP 新生児蘇生GL2025 / ILAE 新生児発作治療GL2023(最終報告) / RCH 重症新生児の初期評価
8家族への説明
異常運動の原因を調べながら呼吸・血糖等を安定させること、専門病院で時間を区切って治療適応を評価することを説明する。初期所見だけで長期予後を断定しない。[1][3]
一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。