11-5 リンパ節腫脹(悪性を外す)

緊急

11-5リンパ節腫脹(悪性を外す)

病態・根拠
このページの目次9項目

1病態と診察の焦点

小児の頸部リンパ節は上気道感染に反応して腫れ、感染症状が消えた後も数週から数か月触れることがある。一方、片側で圧痛・発赤が強い腫れは細菌性リンパ節炎を、無痛性に増大する腫れや全身症状は悪性疾患を含む病態を考える。長さだけで良悪性を決めず、経時変化と分布を重視する。[1][2]

2鑑別を深める問診・所見

局所だけでなく他部位のリンパ節、肝脾腫、皮膚・頭皮、歯科感染を確認する。発熱の持続、寝汗、体重減少、紫斑、猫との接触、結核曝露や渡航、治療への反応は鑑別を変える情報である。開口障害、含み声、嚥下困難は単純な表在性リンパ節炎より深い頸部感染を疑う。[1]

経過・所見評価の方向
元気で上気道感染後、縮小傾向反応性として観察を検討。[1]
片側の圧痛・発赤、波動細菌性炎症・膿瘍。抗菌薬に加え排膿の要否を評価。[1]
増大する無痛性腫脹、体重減少・寝汗リンパ腫などの専門精査を急ぐ。[2]
呼吸困難、顔面浮腫、神経症状腫瘤による気道・血管・脊髄圧迫を考え緊急対応。[2]

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3検査の意味と選び方

良好な全身状態で典型的な反応性腫脹なら一律の採血・画像は不要である。持続・増悪例や全身所見があれば血算・血液像、炎症、LDHなどを病歴に合わせて選ぶ。超音波は膿瘍や局所構造を評価するが、良性を保証する検査ではない。生検が必要な場合は専門科と検体の取り方を先に相談する。[1]

4治療と再評価

細菌性が疑わしい場合は起炎菌と感染入口を考え、院内基準で抗菌薬を選ぶ。外来治療では短期に痛み、発赤、大きさ、全身状態を再確認する。改善しなければ薬剤変更だけを反復せず、膿瘍・非典型感染・悪性疾患などを再検討する。排膿・生検ができず、夜間のエコー・鏡検もない当院では、その検査を翌朝待てる状態かを上級医と判断する。[1][2]

5出典・適用範囲

[1]は豪州小児施設の経路、[2]は国内の公的な小児リンパ腫解説。敗血症用の抗菌薬表を、安定した外来リンパ節炎へそのまま適用しない。 確認日:2026-10-23。

6臨床医が迷う場面

7首のしこりが数週間残る。全員に抗菌薬を出す?

ウイルス後の反応性リンパ節は長く触れることがある。全身状態、縮小傾向、圧痛・発赤・片側性を確認し、細菌性を疑う所見がなければ抗菌薬を漫然と使わない。鎖骨上窩、硬く固着する腫瘤、体重減少・寝汗は別に評価して紹介する。

根拠:RCH Cervical lymphadenopathy

8化膿性リンパ節炎で内服2日後も改善しない。薬を増やす?

48時間前後の診察で発熱、腫脹、痛みと内服状況を確認する。波動や増大があれば膿瘍を疑い超音波・外科相談を考える。頸部運動制限、流涎、呼吸・嚥下障害は深頸部感染として急ぐ。耐性菌だけを想定して内服変更を繰り返さない。

根拠:RCH Cervical lymphadenopathy

9ステロイドで腫れを小さくしてから紹介してよい?

原因不明の持続性・進行性リンパ節腫脹に診断前のステロイドを安易に使わない。悪性疾患などの評価を妨げる可能性がある。血算・血液像と全身所見を確認し、必要な画像・生検を専門科と相談する。呼吸苦や臥位困難なら緊急紹介する。

根拠:RCH Cervical lymphadenopathy

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