8-9 歩かない・手足を動かさない(外傷・跛行)

緊急

8-9歩かない・手足を動かさない(外傷・跛行)

発熱があれば化膿性関節炎を最初に外す
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30

日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。

このページの目次10項目

ページ内目次

1ポイント

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2鑑別のながれ

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3レッドフラグ→次の一手

119開放骨折(創から骨が見える・皮膚の連続性が断たれている)創を清潔に覆い固定。整形外科のある施設へ緊急搬送
119鎮痛に反応しない強い痛み+腫脹+他動的伸展で増悪コンパートメント症候群。締め付けを解除し、患肢を心臓より高く上げすぎない。緊急で整形外科へ
緊急発熱+関節を動かさない・荷重不能当直帯はESRが出ないためKocher基準のESRをCRPで代用した当直帯用スコアで判断。化膿性関節炎を疑えば穿刺は行わず、確定を待たず整形外科のある施設へ搬送
緊急乳児(特に歩けない児)の骨折虐待を疑う閾値を下げる。全身骨X線と通告の検討
緊急受傷機転と所見が合わない/受診までの時間が長い/説明が変わる同上(虐待を疑う)
緊急麻痺・脈拍消失コンパートメント症候群の進行例。緊急
当日発熱なし・荷重可能・経過が矛盾しない単純性股関節炎などを考えつつ、再評価の日時を約束する
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4計算・スコア

スコア

Kocher基準(化膿性股関節炎の予測)

発熱
患肢の荷重
赤沈(ESR)
白血球数

合計 — / 4点

全項目を選択すると判定が出ます。

当院は院内ESR以外の3項目までしか夜間に揃わない。夜間はKocherの代わりに下の当直帯用スコア(ESRをCRPで代用)で判断し、翌日ESRを追加してこの表で確認し直す。

スコア

当直帯用スコア(KocherのESRをCRPで代用・原著Caird基準とは別物)

発熱
患肢の荷重
CRP
白血球数

合計 — / 4点

全項目を選択すると判定が出ます。

当院は院内夜間にESRが出せないため、Kocher基準のESR項目をCRPに置き換えた当直帯用の4項目。原著のCaird基準はKocherの4項目にCRPを『追加』した5項目モデルで、本表とは項目構成が異なる(原著は二次情報経由で未検証)。翌日ESRが出たら上のKocher基準で確認し直す。

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5検査

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6処置・処方例

Rp. 1アセトアミノフェン 1回10〜15mg/kg、4〜6時間以上あけて。1日総量60mg/kgかつ1500mgを超えない(1回最大500mg) 内服/坐剤
送ると決めたら固定と並行して鎮痛する。採用品で確認
  1. カロナールシロップ2%(20mg/mL)なら —〜—、細粒20%(200mg/g)なら —〜— を1回(10〜15mg/kg)
  2. 坐剤(アンヒバ・アルピニー)は1回 —〜— に一番近い規格・個数を選ぶ(50・100・200mg)
  3. 次は4〜6時間以上あける。1日の合計は — まで
避けること・注意:発熱があって歩けない児をKocherスコアが低いことだけで『様子見』で帰すこと、虐待を疑う所見(受傷機転と所見の不一致・受診までの時間の長さ・説明が変わる)を見過ごすこと。
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7送る・持つの目安

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8診療中の疑問と回答

発熱と跛行があるが、単純X線が正常なら帰宅できる?
正常X線でも初期の骨・関節感染を除外できない。発熱、関節可動域制限、腫脹、荷重不能があれば化膿性関節炎を考え、緊急に整形外科へ相談する。採血や画像の一項目が正常でも、臨床所見が強ければ帰宅判断の根拠にしない。
根拠:RCH 跛行・荷重不能児
膝を痛がるときも股関節を診る必要がある?
股関節の痛みが膝に現れることがあるため、訴える場所だけでなく上下の関節、股関節、脊椎、腹部を診る。年長児の荷重不能や股関節可動域制限では大腿骨頭すべり症も考える。痛い脚を歩かせて確認することを繰り返さず、荷重を避けて紹介する。
根拠:RCH 跛行・荷重不能児
一過性股関節炎として帰宅させた後、いつ見直す?
鎮痛後に歩け、危険所見がなく、再評価の手段があることを確認する。発熱、痛みの増悪、再び歩けない場合は予定日を待たず再診とする。症状が7日を超えて続く場合や診断が不明な場合は、単なる経過延長とせず画像を含む再評価・専門相談へ進む。
根拠:RCH 跛行・荷重不能児
Kocherスコアが低ければ様子を見ていい?
低くても、発熱があって歩けない児は様子見で帰さない。当直帯はESRが出ないため当直帯用スコア(ESRをCRPで代用)で判断し、高ければ穿刺は行わず確定を待たずに送る。翌日ESRが出たらKocher基準で確認し直す。
赤沈が夜間に出ないときは?
当直帯用スコア(発熱>38.5℃・荷重不能・CRP>2.0mg/dL・白血球>12,000/μL、KocherのESRをCRPで代用)で判断し、翌日ESRを追加する。
乳児の骨折は外傷歴があれば安心?
安心できない。歩けない児の骨折はそれだけで虐待を疑う理由になる。受傷機転と所見が合うかを必ず確認する。
送ると決めたら、まず何をする?
①固定(動かさない)・鎮痛→②開放創は清潔に覆う→③受け入れ先へ先に電話(発熱の有無とスコアの該当数を最初に伝える)→④絶食(手術になりうる場合)の順で進める。
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10家族への説明

痛がって使わない手足には、骨や関節の中で急いで治療が必要なものが隠れていることがあります。とくに熱があって足をつけない場合は、関節の中に細菌が入っている可能性を先に確かめます。当院では手術ができないので、必要と判断したら、できる病院にお願いします。

一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。

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