3-7 腸重積症

緊急

3-7腸重積症

病態・根拠
このページの目次8項目

1間欠的に元気になる理由と落とし穴

腸重積は腸管の一部が隣の腸管内に入り込み、閉塞と静脈うっ血を起こす。進行すると虚血・穿孔・腹膜炎やショックに至る。乳幼児で多いが年長児でも起こり、年長児や反復例では器質的な先進部も考える。[1]

周期的な痛み・啼泣、蒼白、嘔吐が手掛かりで、発作の間は元気に見えることがある。乳児では説明できない傾眠だけが前面に出る場合もある。初期の下痢で胃腸炎と判断しやすく、血便は遅い所見なので、いちごゼリー状便が出るまで待たない。[1][2]

2画像の目的と陰性の限界

経験のある検者による腹部超音波が第一選択である。ベッドサイド超音波は訓練を受けた医師が陽性を確認する助けになるが、陰性だけで除外しない。単純X線は閉塞や穿孔の評価に用いるもので、正常でも腸重積を除外できない。[1]

当院では夜間超音波と外科がないため、疑った時点で専門施設へ相談する。単純X線が利用できても、撮影で搬送を遅らせない。鑑別には胃腸炎だけでなく軸捻転などの閉塞、IgA血管炎の腹部合併症もあり、胆汁性嘔吐・腹膜刺激・循環不良は外科救急として扱う。[1][2](当院運用)

3治療前の安定化と専門治療

絶飲食として鎮痛と静脈路確保を行い、循環不全は診断画像より先に治療する。空気・造影剤などによる非観血的整復は、穿孔時に手術へ移れる小児外科のバックアップがある施設で行う。当院で診断目的の浣腸や整復を試みない。[1](当院運用)

ショック、腹膜炎、穿孔疑いでは非観血的整復が適切でない場合があり、外科側が判断する。整復できた後も再発は起こり得るため、観察や飲食再開、退院は専門施設の計画に従う。家族には、痛みが消えた時間があることや便が正常だったことでは否定できず、繰り返す苦痛やぐったりを具体的に伝えてもらう。[1][2]

4出典

  1. 海外・RCH:Intussusception(本文確認:2026-10-23)
  2. 海外・Perth Children’s Hospital:Gastrointestinal bleeding lower GIT(年齢別鑑別)(本文確認:2026-10-23)

海外資料の薬剤・処置は国内の承認・院内採用を意味しない。本文の施設条件を前提に適用する。

5臨床医が迷う場面

6診察中は笑っている。間欠的啼泣でも帰してよい?

発作間欠期に元気でも腸重積は否定できない。急な泣き方、蒼白、嘔吐、反応低下の時間経過を聞き、腹部所見と全身状態を評価する。血便や腫瘤の出現を待たず疑いで動く。当院の当直帯は確診できないため、超音波・整復可能な施設へ相談する。

出典:RCH 腸重積(海外小児指針)

7下痢もあるので胃腸炎として経口補水を続ける?

初期の腸重積は下痢を伴い胃腸炎に見えることがある。間欠的疼痛、蒼白、繰り返す嘔吐、眠り込みがあれば再評価する。疑いが高ければ飲食を止め、輸液・鎮痛と搬送調整を行う。便の性状だけで診断せず、症状のパターンを重視する。

出典:RCH 腸重積(海外小児指針)

8整復後に同じ症状が戻った。処方薬を飲んで待てる?

再発を考え、整復した施設へ速やかに連絡する。痛みや嘔吐を薬で抑えて様子を見ず、再評価と必要な超音波・処置につなぐ。持続痛、発熱、腹膜刺激、循環不良があれば穿孔なども考え救急対応する。退院時に家族が連絡先と再受診の方法を理解しているか確認する。

出典:RCH 腸重積(海外小児指針)

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