1-12小児感染性心内膜炎
かんせんせいしんないまくえん・IE・心内膜炎
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30
日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。
このページの目次8項目
1ポイント
- 持続/反復発熱、倦怠感・体重減少に加え、心疾患手術/人工物・中心静脈路歴、新規心雑音や塞栓所見を確認する。[1][2]
- 心不全、塞栓性神経症状、持続敗血症:循環・神経を救急評価し、小児循環器/心臓外科・感染症・集中治療へ相談する。[1][2]
- 入院で原因菌・自己弁/人工物・感受性と合併症に応じた静注抗菌薬を選び、心不全、感染制御や塞栓リスクで手術を判断する。[1][2]
2鑑別のながれ
- 遷延熱→先天性心疾患術後/人工物/中心静脈路→IEを疑い血液培養と心エコーで評価する。[1]
- 発熱+塞栓/心不全→心雑音や培養結果が典型的でない→IEを除外せず他病態も評価し、専門精査を続ける。[1][2]
3検査
- 抗菌薬前に適切な血液培養を複数採取し、心エコーと経時的診察・検査を組み合わせる。小児の培養量は体格に合わせる。[1][2]
- 培養陰性や疣贅が見えない場合でも除外せず、先行抗菌薬や画像の限界を考慮し、追加画像/検査を専門医と選ぶ。[1][2]
4対応の注意
避けること・注意:診断前の安易な短期抗菌薬で菌学診断を損なわない。一方、重症敗血症で培養確定のために必要治療を遅らせない。[1][2]。
↑ このページの入口へ5初期対応と継続管理
初期対応
- 入院で原因菌・自己弁/人工物・感受性と合併症に応じた静注抗菌薬を選び、心不全、感染制御や塞栓リスクで手術を判断する。[1][2]
フォローと再評価
- 菌血症の消失、心機能、塞栓や薬剤有害事象を追い、治療後も再発・心疾患のフォローを継続する。[1]
根拠と適用範囲
- AHA Infective Endocarditis in Childhood: 2015 Update:小児specific scientific statement。2015年、後続の診断基準更新とは区別
- 日本感染症学会 クイック・リファレンス 感染性心内膜炎:2025年、全年齢、2023 Duke-ISCVIDにも言及。成人頻度/死亡率は不採用
6帰宅・入院の目安
- 帰宅初期疑い例の帰宅を一律に認めない。安定例の外来静注等は専門チームが適応・監視体制を確認した場合のみ。[1]
- 入院強い疑いや診断例は専門入院評価・治療を原則として相談する。[2]
- 搬送・紹介小児循環器と心臓外科、感染症診療が連携できる施設へ紹介する。[1][2]
7診療中の疑問と回答
- 心疾患のある児の長引く熱に、外来抗菌薬を試す?
- 人工物や手術歴、中心静脈路、新しい雑音と塞栓症状を確認する。安定していれば抗菌薬前に血液培養を採り循環器・感染症へ相談する。外来薬を反復すると培養診断を難しくする。ショックや心不全があれば培養のために治療を遅らせない。
根拠:AHA 小児感染性心内膜炎2015 update - 最初の心エコーで疣贅がなければ除外できる?
- 病初期や人工物がある場合は描出できないことがある。菌血症の持続と臨床所見から疑いが高ければ、再検や別の画像を専門科と検討する。単回の陰性エコーだけで抗菌薬を終了せず、培養結果と合併症の推移を合わせて判断する。
根拠:AHA 小児感染性心内膜炎2015 update - 解熱して培養が陰性化したら内服へ替える?
- 感染部位、原因菌、人工物、弁障害と塞栓リスクにより長期の治療計画が必要になる。発熱性UTIなどと同じ短期の内服切替を行わず、専門チームが期間・投与経路を決める。新たな心不全、伝導障害、持続菌血症は手術適応も含め再評価する。
根拠:AHA 小児感染性心内膜炎2015 update
8家族への説明
心臓の病歴や手術、カテーテルの有無を伝える。診断には血液培養と心臓画像を組み合わせ、長い治療や手術が必要な場合がある。[1][2]
一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。