9-4血尿・蛋白尿(学校検尿から)
このページの目次7項目
1尿所見と全身所見を組み合わせる
2原因を絞る問診と検査
発熱・排尿痛・頻尿は尿路感染、側腹部痛は結石や尿路病変、紫斑や関節痛は血管炎などを示唆する。家族の血尿・腎不全・難聴、運動、月経、外傷、薬剤も確認する。潜血のみの所見と、蛋白尿や全身異常を伴う所見を同じ緊急度にしない。[1]
孤立した無症候性の顕微鏡的血尿では、運動や月経などの条件を避けた反復検尿で持続性を確認できる。蛋白尿は早朝尿の蛋白/Cr比などで定量し、発熱時だけの一過性所見か持続する異常かを見分ける。試験紙の濃さ一回だけで長期診断や治療を決めない。[1][2]
肉眼的血尿、持続性所見、蛋白尿合併では、尿培養・沈渣、腎機能、アルブミン、状況に合う補体や画像などを選ぶ。検査を全部そろえることを紹介条件にしない。肺水腫、強い高血圧症状、乏尿、全身不良があればその日に腎専門科へ相談する。当院は腎生検を行わず、免疫治療や生検適応は専門科で判断する。[1][2](当院運用)
家族には次回の採尿方法と血圧確認の予定を伝える。尿の色だけで回復を判断せず、顔の腫れ、頭痛、息苦しさ、尿量低下で再受診する。[1][2]
3出典
- 海外・RCH:Haematuria(本文確認:2026-10-23)
- 海外・NSW Ministry of Health:Proteinuria or nephrotic syndrome in paediatric patients(本文確認:2026-10-23)
海外資料の薬剤・処置は国内の承認・院内採用を意味しない。本文の施設条件を前提に適用する。
4臨床医が迷う場面
5学校検尿で潜血が出た。すぐ薬や運動制限が必要?
症状と血圧、浮腫、蛋白尿を確認し、運動や月経の影響を避けて再検する。無症候の顕微鏡的血尿だけで薬を開始しない。持続する場合は沈渣や家族歴などを評価し、蛋白尿・高血圧・腎機能異常が重なる場合は腎臓専門科へ相談する。
6昼の尿だけ蛋白陽性。正常として終了してよい?
早朝尿を正しく採取し、尿蛋白/Cr比などで持続性を確認する。起立性の可能性があっても、血尿・浮腫・高血圧や腎機能異常を除外する。再検時期を決め、強い蛋白尿や持続する異常は学校検尿の紹介基準に沿って専門科へつなぐ。
7赤い尿が出たが元気。次回予約まで待てる?
肉眼的血尿では痛み、発熱、血塊、尿量、浮腫と血圧を評価する。乏尿や高血圧、蛋白尿、腎機能異常があれば緊急度を上げる。色だけで腎炎と断定せず、尿沈渣等で血尿を確認し、当直に検査ができなければ必要な評価が可能な施設へ相談する。
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