5-13 小児の血便・下血

緊急

5-13小児の血便・下血

病態・根拠
このページの目次7項目

1色より先に循環と腹部を評価する

血便は、裂肛などの局所出血から腸管虚血まで原因が広い。まず顔色、頻脈、末梢循環、意識、尿量を確認し、量の多い持続出血やショックなら蘇生と専門施設への連絡を優先する。赤い便は下部消化管を示唆するが、食品や飲み込んだ血液でも似た色になるため、便そのものや写真を確認する。[1]

硬便の表面に少量の鮮血がつき、排便時痛と裂肛があれば便秘関連を考える。一方、乳児の腹部膨満・胆汁性嘔吐・全身不良は腸回転異常に伴う軸捻転などの外科救急を疑う。元気に見える乳児の粘血便では食物蛋白関連大腸炎も候補だが、危険疾患を除外せず除去食だけで経過をみない。[1]

2鑑別に沿った検査

発熱・腹痛を伴う血性下痢では感染性腸炎、反復する血便と体重減少・慢性症状ではIBD、痛みの乏しい反復出血では若年性ポリープやMeckel憩室を考える。痛みがないことは大量出血の安全性を示さない。服薬、ビタミンK投与歴、家族の出血・腸疾患歴も聞く。[1]

間欠的な啼泣、蒼白、嘔吐、説明できない傾眠があれば腸重積を考える。血便や腹部腫瘤がそろうのを待たず、症状のない間の元気さでも除外しない。血便は腸管うっ血・虚血が進んだ後に現れることがある。[2]

血算や凝固、腎機能などは出血と全身への影響を、便検査は感染性病原体を調べる目的で選ぶ。便培養の結果待ちは外科病変の除外を代行しない。当院の夜間腹部超音波・外科・内視鏡不在を踏まえ、胆汁性嘔吐、腹膜刺激、腸重積疑い、大量出血は搬送先へ直接相談する。帰宅例も血便の増加、蒼白、痛みの増悪、尿量低下で直ちに再診する。[1][2](当院運用)

3出典

  1. 海外・Perth Children’s Hospital:Gastrointestinal bleeding lower GIT(本文確認:2026-10-23)
  2. 海外・RCH:Intussusception(本文確認:2026-10-23)

海外資料の薬剤・処置は国内の承認・院内採用を意味しない。本文の施設条件を前提に適用する。

4臨床医が迷う場面

5硬便の表面に血が付く。裂肛として下剤だけでよい?

排便痛、硬便、肛門の裂創を確認する。裂肛が見える少量出血なら便を軟らかくする対応を行うが、量が多い、反復する、体重減少・発熱・下痢を伴う場合は他疾患を評価する。肛門所見だけで腸管の出血源を全て否定しない。

根拠:Perth Children's Hospital Lower GI bleeding

6痛みのない大量出血が止まった。翌週再診でよい?

出血が止まっても貧血・循環不全を評価する。小児の無痛性多量出血ではMeckel憩室などを疑い、小児外科・消化器へ速やかに相談する。顔色不良、頻脈、末梢循環不良があれば安定化と搬送を優先し、次の出血を待たない。

根拠:Perth Children's Hospital Lower GI bleeding

7元気な乳児の血便ならすぐミルクを変更する?

母体血の嚥下、裂肛、感染、アレルギー性腸炎などを経過と診察で区別する。嘔吐・膨満・反応低下や循環不良は緊急疾患を考える。食事変更を行う場合も栄養と改善の評価を計画し、原因を確かめず複数食品の除去を長期化させない。

根拠:Perth Children's Hospital Lower GI bleeding

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