4-25熱中症
このページの目次7項目
1脱水だけでは説明できない重症所見
2治療の順番と限界
衣服を緩め、涼しい場所へ移して冷却を始める。重症では点滴だけで熱負荷を十分に下げられないため、外からの積極的冷却と呼吸循環管理を並行する。小児の最適な冷却法を比較する強い根拠はなく、国内ガイドラインは単一の方法を明確に推奨していない。監視できる範囲で、設備・人員に合う方法を選ぶ。[1]
経口補水は覚醒して嚥下できる場合に限り、意識障害や持続嘔吐があれば誤嚥を避ける。冷却中は体温の下がり過ぎにも注意する。解熱薬で反応を見ることを冷却の代わりにしない。循環不全、意識障害、乏尿などがあれば電解質、血糖、腎肝機能、筋障害や凝固異常を評価し、臓器障害を追う。[1]
当院にPICUがないため、重症を疑ったら冷却を開始したうえで搬送を調整する。家族には、体温が下がっただけで回復とは言えず、意識・尿量・臓器機能の確認が必要と説明する。回復後は暑熱曝露と運動再開を個別に見直し、乳児への自己判断の大量の水追加や車内放置を避ける。[1][2](当院運用)
3出典
- 国内・日本救急医学会:熱中症診療ガイドライン2024(小児章・初期治療章)(本文確認:2026-10-23)
- 海外・米国小児科学会 HealthyChildren:Extreme Heat, Tips to Keep Kids Safe(本文確認:2026-10-23)
海外資料の薬剤・処置は国内の承認・院内採用を意味しない。本文の施設条件を前提に適用する。
4臨床医が迷う場面
5高体温なら解熱薬を使い、効くまで待ってよい?
熱中症を疑う高体温では速やかな冷却と呼吸循環の評価を優先し、解熱薬の反応を待たない。意識異常や自力で飲めない状態は緊急対応が必要。暑熱曝露があっても感染症、中毒などを除外せず、冷却と原因評価を並行する。
6涼しい場所で体温が下がれば、すぐ帰してよい?
意識・歩行・飲水が普段に戻ったか、尿量と循環、悪心・筋痛の残存を確認する。重症経過では肝腎障害や凝固異常などが遅れて明らかになるため、体温の正常化だけで帰宅を決めない。経過と検査から観察・入院を判断する。
7氷で冷やし続ければよい?小児の冷却終了はどう判断する?
小児は体格に対する体表面積が大きく、急激に冷えすぎることがある。体温は測定部位を記録して反復し、意識・循環と合わせて冷却方法を調整する。成人の終了温度を小児へ一律に当てはめず、搬送中も冷却と過冷却の監視を引き継ぐ。
一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。