3-5消化管異物(ボタン電池・磁石・鋭利物)
このページの目次7項目
1異物の材質が緊急度を決める
2検査の限界と次の行動
高リスク、種類不明、症状ありでは位置と個数の確認が必要になる。小児の撮影は頸部・胸部・腹部を含める必要があり、硬貨らしい円形影でも正面の二重輪郭や側面の段差を確認する。側面像の条件によって段差が見えない場合があるため、一つの特徴がないだけで電池を否定しない。[1][2]
無症状の低リスク異物を観察する方針は、材質・大きさ・単数であることが確かで、診察と飲水に問題がない場合に限る。放射線で見えにくい異物もあり、単純X線陰性だけで症状を説明せず帰宅としない。磁石が一つの影に見えても重なりがないか専門科と確認する。[1]
当院には緊急内視鏡や外科がないため、高リスク異物では画像と搬送調整を並行する。吐かせない。飲食で押し流そうとせず、食道電池疑いでは原則絶飲食として受入先と相談する。海外のハチミツ投与には年齢・経過時間・嚥下可能などの条件があり、摘出を遅らせる代替処置にはしない。電池摘出後も遅発性出血などの監視を専門施設で続ける。[1][2](当院運用)
3出典
- 海外・RCH:Foreign body ingestion(本文確認:2026-10-23)
- 海外・National Capital Poison Center:Button battery ingestion triage and treatment guideline(本文確認:2026-10-23)
海外資料の薬剤・処置は国内の承認・院内採用を意味しない。本文の施設条件を前提に適用する。
4臨床医が迷う場面
5X線で磁石が1個に見えれば自然排泄を待てる?
複数の磁石が重なって1個に見える可能性があるため、個数と別の金属片の誤飲を確認する。複数磁石や磁石と金属の組合せは腸壁を挟んで障害を起こし得る。無症状でも高リスクとして専門科へ相談し、一般の小さな異物と同じ帰宅基準を使わない。
根拠:RCH 消化管異物
6水で膨らむ玩具を飲んだが、X線陰性なら安心?
吸水性ポリマーなど拡張する異物は高リスクで、通常のX線で見えないことがある。現物、包装、飲んだ時刻と数量を確認し、陰性画像だけで除外しない。嘔吐、腹痛、腹満があれば閉塞を疑い、早期に消化器・外科へ相談する。
根拠:RCH 消化管異物
7コインと思った丸い異物。どこまで確認する?
食道の円形異物ではボタン電池を必ず鑑別し、画像の二重輪郭などを確認する。電池なら短時間で深い障害を生じるため、無症状でも緊急摘出できる施設へ連絡する。当院は胃以遠でも電池を観察せず紹介する方針で、経口摂取は再開せず受入先と相談する。
根拠:RCH 消化管異物
一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。