4-11 小児の初期評価(最初の5分)

緊急

4-11小児の初期評価(最初の5分)

病態・根拠
このページの目次7項目

1診断名がなくても開始する

小児の循環停止は低酸素や循環不全から進むことが多い。最初の目標は病名の確定より、換気と臓器灌流が保たれているかを確認し、崩れた機能を同時に支えることである。応援要請、リーダー、気道、循環、記録・時間管理を早く割り当て、所見と処置への反応を声に出して共有する。[1][2]

Aでは声・啼泣・気道音と分泌物、Bでは呼吸数だけでなく努力・胸の動き・空気の入り、Cでは脈拍・末梢冷感・毛細血管再充満・意識・尿量をみる。低血圧や低酸素は進行してから出ることがあり、数値が正常でも、疲弊や反応低下を軽症としない。[1]

2その所見に何を行うか

気道の位置調整や必要な吸引を行い、呼吸が不十分ならバッグマスク換気を開始する。胸郭が上がるかを見て密着と姿勢を直し、可能なら二人法で行う。モニターや採血の準備のために換気を待たない。反応がなく正常に呼吸していなければ、脈拍確認に時間をかけず蘇生アルゴリズムへ移る。[1][2]

循環不全では静脈路または骨髄路の確保を急ぎ、必要な蘇生液を投与した後は、意識・脈・再充満・呼吸を再評価する。輸液は一度決めた量を繰り返す作業ではなく、循環改善と過負荷の兆候を見ながら調整する。Dでは血糖、瞳孔、けいれんを確認し、低血糖など速やかに修正できる原因を探す。[1]

当院にPICUや外科がないことは、初期対応と搬送相談を並行する理由になる。気道閉塞、重症外傷、止まらないけいれん、ショックなどは必要な専門機能を具体的に伝え、現状の呼吸循環、実施処置、反応と発症時刻を引き継ぐ。初療中も子どもを再評価する担当を残し、検査結果待ちで観察が途切れないようにする。家族対応は担当を分け、今行っている救命処置を短く説明する。[1][2](当院運用)

3出典

  1. 海外・RCH:Resuscitation, care of the seriously unwell child(本文確認:2026-10-23)
  2. 海外・RCH:Resuscitation, hospital management of cardiopulmonary arrest(本文確認:2026-10-23)

海外資料の薬剤・処置は国内の承認・院内採用を意味しない。本文の施設条件を前提に適用する。

4臨床医が迷う場面

5輸液後も頻脈がある。もう一度同量を入れる?

頻脈だけで反復せず、灌流、意識、尿量、呼吸、肝腫大などを投与前と比較する。改善が乏しい、呼吸苦や肝腫大が増す場合は輸液過剰・心原性ショックを考える。原因と次の循環支持を上級医・搬送先と相談し、当院で大量輸液を続けない。

出典:RCH 重症児の初期蘇生(海外指針)

6バイタルが測れないほど暴れる児は、鎮静してから評価する?

まず離れて外観・呼吸・皮膚循環を見て、保護者と楽な姿勢で評価する。低酸素やショックによる不穏を単なる恐怖としない。鎮静で気道・呼吸を悪化させることがあるため、評価目的だけで安易に使わず必要なモニターと応援を確保する。

出典:RCH 重症児の初期蘇生(海外指針)

7検査結果がそろう前に搬送を相談してもよい?

重い呼吸仕事量、反応低下、循環不良など、当院の対応能力を超える所見で早期に相談する。初期処置と相談は並行し、年齢、疑う病態、バイタルの推移、処置への反応を短く伝える。画像や採血の完了を待つことで治療・搬送を遅らせない。

出典:RCH 重症児の初期蘇生(海外指針)

一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。

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