10-3顔面神経麻痺
このページの目次7項目
1Bell麻痺と呼ぶ前の診察
2検査と治療で確実なこと
典型例では一律の採血や画像は不要だが、白血病や感染などの代替診断を疑う所見があれば血算などを選ぶ。神経画像は専門医と相談して目的を決める。当院の夜間CT/MRI不在を理由に、中枢症状を伴う例の評価を翌日に延ばさない。[1](当院運用)
閉眼できないと涙が角膜表面に行き渡らず、乾燥・角膜損傷を起こす。潤滑と夜間の閉眼保護は回復を待つ間にも必要で、眼痛、赤み、見えづらさがあれば眼科へ相談する。家族には保護の手順を実際に確認する。[1]
小児の早期プレドニゾロンは成人ほど利益が確立していない。小児の無作為化試験では1か月の完全回復改善を示せず、参加数不足のため重要な利益・害を完全には除外できなかった。「無効と証明された」とも「全例に必要」とも説明せず、診断・年齢・重症度を専門科と共有して方針を決める。[2]
初診時の顔面機能と閉眼を記録し、1〜2週で再評価を計画する。進行や新しい神経症状があればその日程を待たない。水疱がある例での抗ウイルス薬は、帯状疱疹などの診断を踏まえて相談する。[1]
3出典
- 海外・RCH:Facial weakness and Bell’s palsy(本文確認:2026-10-23)
- 海外・一次研究抄録:Babl et al. Neurology 2022, BellPIC無作為化試験(本文確認:2026-10-23)
海外資料の薬剤・処置は国内の承認・院内採用を意味しない。本文の施設条件を前提に適用する。
4臨床医が迷う場面
5Bell麻痺らしいので成人と同じステロイドをすぐ出す?
小児では自然回復が多く、ステロイドの利益は成人と同程度には確立していない。耳痛・水疱、中耳炎、外傷、他の神経所見を評価して原因を分ける。当院では開始判断を耳鼻科へ委ねる方針を守り、成人レジメンをそのまま転用しない。
6目が閉じないが、顔の麻痺が治るまで待つ?
閉眼不全では角膜障害を防ぐケアが必要。痛み、充血、見え方を確認し、潤滑・夜間保護の方法を眼科や耳鼻科と相談する。角膜痛や視力変化があれば評価を急ぐ。全身薬の開始可否が決まるまで眼の保護を保留しない。
7再発する顔面麻痺も同じBell麻痺と扱ってよい?
反復、両側性、進行性、他の脳神経・四肢所見を伴う場合は別原因を再評価する。頭痛、歩行障害、全身症状や外傷歴を確認し、耳鼻科・小児神経へ相談する。顔面だけの所見や額の動き一つに頼らず、全身神経診察を行う。
一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。