7-2 眼外傷・化学眼外傷(洗眼が最優先)

緊急

7-2眼外傷・化学眼外傷(洗眼が最優先)

病態・根拠
このページの目次7項目

1眼の形を保てているかを先に判断する

外傷後の強い眼痛、視力低下、羞明は、結膜の赤みだけで判断しない。受傷物、速度、化学物質の種類を聞き、協力が得られる範囲で左右別の見え方・瞳孔・眼球運動を評価する。小児では診察困難そのものが損傷の重さを隠すため、正常所見を得られなければ早期に眼科へ相談する。[1]

不整な瞳孔、眼球形状の変化、前房出血、高速の鋭利物による受傷では開放性眼球損傷を疑う。圧迫で内容物がさらに脱出し得るので、疑った時点で診察を中止し、硬いシールドで保護する。圧迫眼帯、眼球を押す操作、刺さった物の抜去は行わず、絶飲食と鎮痛を行って緊急眼科へつなぐ。[1][2]

2検査と処置の順番

化学損傷は洗浄の遅れで傷害が深くなる。薬品名の確認や視力検査を終えるまで待たず、直ちに十分な洗浄を開始する。アルカリは深部へ浸透しやすく、痛みが軽くなっても安全とは判断しない。洗浄後の評価と眼科連絡を続ける。[1]

角膜上皮欠損はフルオレセインで可視化できるが、当院では先に開放性損傷を除外し、実施可能な範囲に限る。大きい・深い・角膜中央の異物は局所摘出の対象にしない。上方視での複視や制限に吐き気・嘔吐が伴えば、眼窩骨折による筋の絞扼も考え、単なる打撲として帰宅させない。[1](当院運用)

点眼麻酔は診察を助けるが、反復使用は角膜の治癒を妨げるため家庭用に継続しない。夜間眼科不在時は、視力低下、開放性損傷疑い、眼球運動異常、化学損傷の専門評価を翌日に先延ばしせず搬送先と相談する。帰宅例も痛み・羞明・見え方の悪化で直ちに再受診する。[1][2]

3出典

  1. 海外・RCH:Acute eye injury(本文確認:2026-10-23)
  2. 海外・RCH:Penetrating eye injury(本文確認:2026-10-23)

海外資料の薬剤・処置は国内の承認・院内採用を意味しない。本文の施設条件を前提に適用する。

4臨床医が迷う場面

5化学物質が入った。成分を調べてから洗眼を始める?

洗眼を遅らせない。可能なら並行して製品名を確認し、流水や使用可能な洗浄液で早く洗い流す。医療機関では結膜嚢内の残留物とpHを確認し、必要な洗浄を続ける。症状が軽くなっても角膜や眼内の障害評価が必要なため、眼科につなぐ。

出典:RCH 急性眼外傷(海外) / RCH 穿孔性眼外傷(海外)

6点眼麻酔で痛みが消えたので、家でも使わせてよい?

痛みの改善は治癒を意味しない。角膜上皮障害の確認と原因除去を行い、点眼麻酔を持ち帰り鎮痛薬として処方しない。反復使用は治癒を妨げ重い障害につながり得る。痛みが続く、視力が落ちる、異物が残る場合は眼科で再評価する。

出典:RCH 急性眼外傷(海外) / RCH 穿孔性眼外傷(海外)

7打撲後、見た目が正常なら眼科は不要?

視力、複視、瞳孔、眼球運動、痛みを確認する。視力低下や運動障害、瞳孔異常、眼内出血が疑われれば緊急眼科評価が必要。穿孔を疑えば眼を押さえず硬いシールドで保護し、検査を無理に進めない。遅れて症状が出たときの再受診も伝える。

出典:RCH 急性眼外傷(海外) / RCH 穿孔性眼外傷(海外)

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