6-13多形紅斑
このページの目次8項目
1標的状皮疹から何を考えるか
2検査と治療の目的
診断は分布・形態・経過から行う。典型的で元気な例に広い感染検査を一律に追加するより、先行する口唇ヘルペス、呼吸器症状、新規薬剤、飲水と排尿の変化を確認する。非典型的な皮疹や水疱では皮膚科での診断再評価や生検が必要になることがある。[1]
軽症では保湿や局所治療、痒み・疼痛の軽減が目的になる。外用で赤みが引いても、粘膜障害や全身状態の評価を省略しない。原因と考える薬剤があれば開始時期を整理し、継続の可否を処方元と確認する。全身ステロイドなどは診断と利益・害の評価が必要で、当院の外用中心の方針から独断で追加しない。[1][2](当院運用)
飲めない口腔痛は脱水につながり、眼症状は視機能を脅かす。飲水不能、眼の充血・痛み・見えづらさ、皮膚痛や剝離の拡大では当日中に専門科へつなぐ。帰宅できる場合も、病変写真と飲水量を記録し、新しい粘膜症状が出たら予約日を待たずに再診するよう伝える。[1][2]
3出典
- 海外・DermNet:Erythema multiforme(専門家編集)(本文確認:2026-10-23)
- 海外・NHS:Erythema multiforme(本文確認:2026-10-23)
海外資料の薬剤・処置は国内の承認・院内採用を意味しない。本文の施設条件を前提に適用する。
4併存する単純ヘルペスの治療を分ける
当院では明らかな口唇ヘルペスの再燃を伴う場合にアシクロビル内服を検討する方針であり、多形紅斑の全例に抗ウイルス薬を投与しない。併存する単純ヘルペスと多形紅斑自体の治療目的を分け、薬剤ごとの国内添付文書の適応・体重区分・腎機能を確認する。海外の口唇ヘルペス短期用法を「思春期」のみで日本の小児に流用しない。
5臨床医が迷う場面
6標的状皮疹があれば、そのまま外来治療でよい?
口腔・眼・外陰部の粘膜、皮膚痛、水疱・剥離、発熱と飲水を確認する。皮疹が安定し全身状態良好なら外用と経過観察を検討するが、急速な拡大や粘膜障害はSJS/TENなどの鑑別が必要で、早急に専門施設へ相談する。
7薬疹か感染後の反応か不明なとき、どう薬を整理する?
発疹前の新規薬・頓用薬と開始日、感染症状、口唇ヘルペスを時系列で確認する。疑わしい薬の中止を処方医と調整し、重要薬も含め自己判断で全薬を一斉中止させない。再投与で確かめず、被疑薬と反応内容を記録する。
8外用後も広がる場合に内服ステロイドを開始する?
まず粘膜症状、皮膚痛、水疱、全身状態を再診察する。当院では専門医相談前に全身ステロイドを開始せず、進行例を早急に紹介する。単に紅斑の数だけで増薬せず、飲水できない、眼が痛い、剥離がある場合は入院を含めて判断する。
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