4-20 電撃傷(感電・落雷)

緊急

4-20電撃傷(感電・落雷)

病態・根拠
このページの目次10項目

1病態:小さな皮膚創でも、深部と心臓を評価する

電流による損傷は皮膚だけに限らず、筋・神経・心臓などに及ぶ。筋傷害から横紋筋融解、ミオグロビン尿、腎障害を生じる場合があり、入口・出口の見た目だけでは重症度を決められない。ただし、無症状の短い低電圧接触と、高電圧・落雷・意識消失を同じリスクとして扱うものでもない。[1][2]

2鑑別と評価:電気の経路と、二次外傷を聞く

電源・電圧、接触時間、濡れた環境、体を通った経路、離れられなかったか、意識消失・胸痛・動悸を確認する。落下や筋収縮に伴う外傷も調べる。四肢の強い痛み、腫れ、感覚や血流の変化では深部傷害・コンパートメント症候群を考える。コードを口に入れた児は口唇・口腔創も評価し、局所の見た目のみで安全としない。[2]

3検査:全例一律ではなく、リスクに合わせる

心電図とモニターの必要性は、意識消失、不整脈症状、高電圧等をもとに判断する。筋傷害を疑う場合はCK、腎機能、電解質、尿等を確認する。CKは筋傷害の評価で、心臓リスクや局所の血流を単独で除外する検査ではない。危険な電解質異常や循環・尿量を含めて追い、必要時は再検する。[1][2]

4治療:尿の色だけで点滴を増やさない

ABCDE、必要な蘇生・不整脈対応、鎮痛、創の保護を行い、深部筋傷害・高電圧例は集中治療や熱傷外科へ相談する。補液は循環と腎保護を目的とするが、小児に体重を無視した固定の尿量目標を当てはめない。尿量、体重、腎機能、K、うっ血の所見を合わせ、専門医と調整する。赤褐色尿だけを理由に無制限に補液を増やさない。[1][2]

5観察・帰宅と専門紹介

高電圧、落雷、意識消失、心電図異常、深い熱傷、筋融解・外傷の疑いでは入院・専門管理を考える。一方、PCHの小児経路では、低電圧で無症状、必要な評価が正常、外傷・熱傷の治療が不要なら帰宅を検討できる。本院の観察時間・帰宅条件は院内手順と受入専門医で確認し、全員への入院とも一律帰宅とも決めない。動悸、失神、痛み・腫れの進行、排尿異常で再受診するよう伝える。[1][2]

6出典と適用範囲

国内熱傷ガイドラインの一般的な入院方針と、PCHの小児低リスク帰宅条件を区別した。未確認の固定輸液量・尿量目標を追加していない。

7臨床医が迷う場面

8家庭のコンセントで感電したが元気。全員に入院監視する?

電圧、接触時間、電流の経路、意識消失、動悸・胸痛と外傷を確認する。低電圧で無症状かつ診察正常なら外来管理を検討できるが、失神、異常心電図、高電圧、胸を横切る電流などでは心電図・監視と専門相談が必要。見た目の熱傷面積だけで決めない。

根拠:Perth Children’s Hospital Electrical injuries

9皮膚の傷が小さければ深部損傷も軽い?

電撃傷では皮膚所見より深い筋損傷が大きいことがある。筋痛・腫脹、運動障害、末梢循環、尿の色を再評価し、横紋筋融解やコンパートメント症候群を疑えば検査・入院へ進む。落下による頭頸部外傷も同時に評価する。

根拠:Perth Children’s Hospital Electrical injuries

10口でコードをかじった熱傷は、止血していれば終了?

口唇・口角の電撃傷は後日に出血することがある。気道、摂食、深さを評価し、熱傷・形成外科へ相談する。帰宅時には出血時の圧迫と緊急連絡先を具体的に説明し、創の再評価を設定する。自宅で痂皮をはがさせない。

追加根拠:RCH Trauma:電撃熱傷と口唇動脈出血

根拠:Perth Children’s Hospital Electrical injuries

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