6-17 薬疹・SJS/TEN・DIHS

緊急

6-17薬疹・SJS/TEN・DIHS

病態・根拠
このページの目次9項目

1病態:皮疹の面積より先に、粘膜と臓器を確認する

薬疹は軽い紅斑から重症の全身病態まで含む。SJS/TENでは表皮・粘膜の傷害が進み、眼、口腔、陰部、呼吸器等にも障害を生じうる。DIHSは薬剤開始から遅れて発症し、原因薬を止めても炎症や臓器障害が続くことがある。見える皮疹だけに外用薬を処方して終わると、重症化の入口を見逃す。[1][2]

2鑑別:薬を飲み始めた日まで戻って聞く

感染性発疹との区別に、すべての処方薬、市販薬、開始・中止日、過去の曝露を時系列で整理する。DIHSでは2~6週程度前に始めた薬が候補となり、直近の頓服だけを被疑薬としない。顔面浮腫、リンパ節腫脹、遷延する発熱、肝障害等が手がかりになる。SJS/TENを疑う眼痛・充血、口腔の痛み・びらん、多発紅斑や水疱では、すべての診断基準がそろうまで待たない。[1][2]

3検査の役割と限界

血算・分画、肝・腎機能等は、皮膚以外の障害を調べ、経過を追うために行う。好酸球増加や異型リンパ球はDIHSを支持するが、初期の一回の正常値で否定しない。HHV-6再活性化には発症からの時期が関わり、即時に結果がないことは専門紹介を待つ理由にならない。皮膚生検や原因薬を調べる検査は、病態・時期・安全性を考慮して専門医が選ぶ。[2]

4治療と紹介:原因薬への再曝露を避ける

被疑薬を中止し、薬剤名、開始日、最終投与、写真・経過を受入先に渡す。抗てんかん薬等の中断による危険もあるため、代替治療を担当科と同時に調整する。重症薬疹を疑う場合は入院設備のある皮膚科へ早く紹介し、眼症状は眼科評価も急ぐ。当院で免疫治療を独自に開始せず、呼吸・循環・水分状態を支えながら移送を調整する。[1][2]

DIHSでは中止後の悪化や再燃も起こりうるため、「薬を止めたから治療終了」としない。専門科で臓器障害と回復後の合併症を追う。家族には原因薬の確実性を区別して記録し、薬手帳や診療情報で共有すること、自己判断で再服用して確かめないことを説明する。[1][2]

5出典と適用範囲

SJS/TENの免疫治療選択や小児用量を本節で決めない。DIHSガイドラインは小児だけを対象とした資料ではない。

6臨床医が迷う場面

7発疹は少ないが眼が痛い。薬だけ中止して翌日再診でよい?

服薬後の発熱に眼痛・羞明・充血、口腔や外陰部のびらんがあれば、皮疹の少なさで軽症としない。SJS/TENの早期を疑い、被疑薬の中止と同日専門施設への連絡を進める。眼合併症は後遺症に関わるため、眼科を含む評価を遅らせない。

根拠:日本皮膚科学会 SJS/TEN診療ガイドライン補遺2025

8新しい薬を複数飲んでいる。全部アレルギー登録する?

処方薬、市販薬、頓用、サプリを開始・中止日と症状出現日で並べる。緊急時は必要性の低い被疑薬を中止し、必須薬の代替は担当科と相談する。原因確定前は疑いと確定を分けて記録し、安全な代替薬の情報も専門医と共有する。

追加根拠:NICE CG183 薬剤アレルギー:記録・回避・重症反応の紹介

根拠:日本皮膚科学会 SJS/TEN診療ガイドライン補遺2025

9薬疹が疑われた薬を少量で飲み直して確認できる?

SJS/TENが疑われる薬の再投与を外来や自宅で試さない。重い反応の再誘発につながり得る。原因薬評価は専門施設に依頼し、商品名だけでなく成分、投与時期、皮膚・粘膜・臓器所見を保存して、以後の処方時に参照できるようにする。

追加根拠:NICE CG183 薬剤アレルギー:記録・回避・重症反応の紹介

根拠:日本皮膚科学会 SJS/TEN診療ガイドライン補遺2025

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