4-19溺水
病態・根拠
このページの目次10項目
1病態:まず起きるのは呼吸障害と低酸素
2鑑別:事故の原因と、低酸素以外の傷害も調べる
水没時間、発見時の様子、救助・人工呼吸・CPRの内容、意識が戻った時刻を確認する。不明な時間を、長すぎるという推測だけで蘇生を控える理由にしない。てんかん、不整脈・失神、低血糖等が先に起きた可能性、飛び込みや転落の外傷も検討する。頸椎保護は外傷機転に応じて判断し、水没だけを理由に全員へ固定するものではない。[2]
3検査は呼吸と意識の状態に合わせる
4初期治療と専門相談
5観察と帰宅:経過時間だけで判断しない
6出典と適用範囲
- [1] RCH Drowning。溺水の評価、必要な検査、抗菌薬と観察・帰宅条件。
- [2] Children’s Health Queensland Drowning emergency management。小児溺水の病態、原因評価、観察、初期管理。
- [3] AHA/AAP 2024 溺水蘇生focused update Highlights。低酸素機序、人工呼吸を含むCPR、AEDで蘇生を遅らせない推奨。
観察時間に施設間の幅がある。入院・搬送の判断を単一の時間、単回SpO2や胸部X線だけで決めない。AHA公式PDFはweb取得で本文確認し、curl取得では内容を得られなかった。
7臨床医が迷う場面
8胸部X線が正常なら観察を短くできる?
画像所見だけでは経過を予測できない。受傷時刻から院内方針の6〜8時間を目安に、呼吸仕事量、SpO2、意識と肺所見を追う。酸素需要や呼吸苦があれば画像正常でも帰さず、人工呼吸管理を持たない当院では早期に搬送先と相談する。
9水を吸ったので抗菌薬を全例に出す?
予防的抗菌薬は全例に必要ではない。高度に汚染された水、発熱など感染・敗血症の所見を区別し、必要な場合に培養と薬剤選択を検討する。咳や肺所見は非感染性の肺障害でも生じるため、それだけで抗菌薬の追加・延長を決めない。
10泳げる子が突然沈んだ。事故だけで説明してよい?
発生前の動悸・失神・けいれん、既往、家族の突然死歴を確認し、必要に応じ心電図を評価する。低酸素が軽いのに意識障害が続く場合は低血糖・低体温・外傷なども再検討する。事故予防の指導と、溺水の原因となった病態の評価を両方行う。
一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。