11-21尿崩症
にょうほうしょう・DI・AVP-D・AVP-R
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30
日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。
このページの目次8項目
1ポイント
- 夜間飲水、新たな夜尿、体重減少に注意し、乳児では哺乳不良・易刺激性・成長不良も手がかりとなる。[1]
- 飲めない、意識が悪い、脱水または高Na:自由飲水が不可能な尿崩症は危険であり、救急評価と厳密な出納・Na監視を開始して専門医へ相談する。[1]
- 水へのアクセスを確保し、入院では入出量と体重・電解質を密に追う。尿量だけで水分状態を判断しない。[1]
2鑑別のながれ
- 多飲多尿→高血糖/尿糖→糖尿病の浸透圧利尿を先に評価する。[1]
- 多飲多尿→血清高浸透圧に不釣合いな希釈尿→中枢性/腎性尿崩症を専門評価する。[1]
3検査
- まず血糖で糖尿病を除外し、電解質、尿糖/尿比重、同時採取の血清・尿浸透圧で評価する。[1]
- 中枢性疑いでは下垂体MRIと他の下垂体ホルモン評価、腎性疑いでは腎の評価を専門医と計画する。[1]
4対応の注意
避けること・注意:検査目的に独断で水分制限しない。水制限試験は専門監督下のみとし、乳児では安全性を特に考慮する。[1]。
↑ このページの入口へ5初期対応と継続管理
初期対応
- 水へのアクセスを確保し、入院では入出量と体重・電解質を密に追う。尿量だけで水分状態を判断しない。[1]
- デスモプレシンの開始・変更は内分泌へ相談し、腎性では別の治療を選ぶ。薬効下の水貯留と低Naも監視する。[1][2]
フォローと再評価
- 尿量だけでなくNa・体重・水分出納を追い、デスモプレシン変更時や感染時に再評価する。[1]
根拠と適用範囲
- RCH Clinical Practice Guidelines: Diabetes insipidus:小児、入院管理と安全上の注意
- NHS Diabetes insipidus:一般向け、AVP-D/AVP-Rの名称と治療概念
6帰宅・入院の目安
- 帰宅十分な飲水と治療計画があり、家族が体調不良時の連絡方法を理解している場合に専門医と退院を検討する。[1]
- 入院飲水不能、Na異常、初期評価で出納監視が必要な児は入院で扱う。[1]
- 搬送・紹介疑い例を小児内分泌または腎臓へ紹介し、原因と病型を確定する。[1][2]
7診療中の疑問と回答
- 多飲多尿だから、水分を制限して様子を見る?
- 尿崩症を疑う児の水へのアクセスを制限しない。血糖、血清Na・浸透圧と尿の濃縮を対で確認し、出納と体重を評価する。水制限試験は専門医の監視下で行う検査であり、自宅や一般外来で試すものではない。飲めない児は緊急評価する。
根拠:RCH Diabetes insipidus - デスモプレシン投与後も多尿。すぐ追加してよい?
- 処方の製剤・投与時刻と吸収、血清Na、飲水・尿量を確認し、専門チームへ相談する。効果の重なりは水貯留・低Naにつながるため、尿量だけで追加しない。既知の尿崩症でも嘔吐や飲水不能では普段の自己調整計画に任せず入院評価を考える。
根拠:RCH Diabetes insipidus - 入院・点滴中は何を目標に管理する?
- 自由飲水できない状況では普段の口渇による調整が働かない。水分出納・体重・血清Naを頻回に追い、輸液と抗利尿薬を一緒に調整する。尿量が減ったことだけを改善とせず、Na低下や過剰水分を確認する。大きな変動は専門科と対応する。
根拠:RCH Diabetes insipidus
8家族への説明
水を欲しがるのは体を守る反応の場合がある。飲水を止めず、嘔吐して飲めない時やぐったりした時は早く連絡する。[1]
一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。