7-12扁桃周囲膿瘍・咽後膿瘍(深頸部感染)
このページの目次9項目
1病態:咽頭痛の奥で、気道や縦隔へ広がる感染
2鑑別と、診察を中断する条件
流涎、こもった声、開口障害、頸部伸展・斜頸、呼吸困難を探す。通常の咽頭炎だけでなく扁桃周囲膿瘍、咽後感染、喉頭蓋炎等を考える。安静時の喘鳴や呼吸努力があれば、病名の確定より気道評価を優先する。無理な咽頭観察、仰臥位への固定、鎮静で悪化させないよう、楽な姿勢を保ち上級医と気道管理担当へ連絡する。[2]
3画像検査は目的と安全性を合わせて選ぶ
4初期管理と、外科治療の判断
経口摂取を控え、気道・循環の監視、必要な補液と鎮痛を行う。感染部位と重症度に応じた静注抗菌薬を専門医と選び、重症例では投与を画像待ちにしない。膿瘍の存在だけで全例が手術になるわけではなく、呼吸、全身状態、広がり、抗菌薬への反応と排膿可能性で判断される。[1][2]
当院では夜間CTと耳鼻科的排膿・高度気道管理を提供できないため、疑った段階で受入先へ相談する。重症所見は救急搬送と気道計画を同時に調整する。帰宅の可否を咽頭所見や解熱反応だけで決めず、嚥下、首の動き、呼吸、感染の深さを再評価する。保護者には、唾液を飲めない、声が変わる、首が動かない、息苦しい場合は直ちに知らせるよう伝える。[1][2]
5出典と適用範囲
- [1] CHOP Deep Neck Space Infection Clinical Pathway。重症度別の入院評価、画像・耳鼻科・気道対応。2026年更新。
- [2] RCH Sore throat。深部感染・上気道閉塞の赤旗、側面X線の限界と画像時の安全。
具体的な抗菌薬併用、排膿の適応、CT鎮静は受入先の小児耳鼻科・麻酔科と決める。
6臨床医が迷う場面
7抗菌薬内服中なのに首を動かさない。さらに数日待てる?
内服中でも膿瘍化は否定できない。斜頸、頸部可動域制限、開口障害、くぐもり声、流涎を評価する。嚥下・気道の障害があれば絶飲食とし、耳鼻科・気道管理のできる施設へ早期相談する。当院の当直帯に造影CTがないことを理由に翌朝まで待たない。
8口を開けにくいので、押さえて咽頭を詳しく診る?
上気道閉塞が疑われる児を無理に押さえたり、咽頭を刺激したりしない。本人の楽な姿勢を保ち、酸素化と呼吸を観察して気道管理の応援を呼ぶ。必要な画像・採血も安全な体制で行い、診断のための処置で閉塞を悪化させない。
9抗菌薬で熱が下がれば、膿瘍の処置は不要?
解熱だけで感染源が制御できたとはいえない。嚥下、頸部所見、気道、全身状態と画像を合わせて、耳鼻科が排膿の要否を判断する。膿瘍が疑わしいのに薬だけを延長しない。当院では盲目的穿刺・切開を行わず、悪化時は治療反応を待たず搬送する。
一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。