9-7先天性腎尿路異常(CAKUT)
せんてんせいじんにょうろいじょう・CAKUT・水腎症
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30
日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。
このページの目次8項目
1ポイント
- 胎児エコーの指摘、反復尿路感染、成長不良、偶然の画像異常が発見契機となり、無症状の水腎症もある。[1][2]
- 下部尿路閉塞疑い、尿が出ない、全身状態不良:両腎に影響する閉塞は評価を急ぎ、小児泌尿器科・腎臓科へ連絡する。[2]
- 自然軽快する水腎症と閉塞/逆流性病変を分け、腎機能・感染リスクに応じて経過観察、抗菌薬予防または手術を専門医と検討する。[2]
2鑑別のながれ
- 出生前水腎症→軽度で改善する経過→一過性拡張を考えるが出生後の追跡を設定する。[2]
- 水腎症+排尿障害→男児、膀胱出口閉塞の疑い→後部尿道弁など下部尿路閉塞を迅速に評価する。[2]
3検査
- 出生前画像と出生後の尿量・感染歴・血圧・成長を確認し、腎尿路エコーと腎機能を評価する。[1][2]
- 必要に応じて排尿時膀胱尿道造影等を追加するが、全例に同じ検査を行うのではなく閉塞・逆流の疑いと重症度で選ぶ。[2]
4対応の注意
避けること・注意:無症状を理由に出生後の確認を省かない。水腎症があれば必ず手術、または全例で自然軽快すると断定しない。[1][2]。
↑ このページの入口へ5初期対応と継続管理
初期対応
- 自然軽快する水腎症と閉塞/逆流性病変を分け、腎機能・感染リスクに応じて経過観察、抗菌薬予防または手術を専門医と検討する。[2]
フォローと再評価
- 血圧・成長・腎機能と画像を病型別に追い、尿路感染時の受診方法を家族と共有する。[1][2]
根拠と適用範囲
- 日本腎臓学会 小児の腎疾患(CAKUT):国内学会一般向け。CAKUT部分のみ使用
- NIDDK Hydronephrosis in Newborns:出生前/新生児水腎症、閉塞・逆流・治療選択
6帰宅・入院の目安
- 帰宅全身が安定し閉塞の緊急性がなく、画像・腎機能の追跡を確保できれば外来で管理する。[2]
- 入院尿路感染による全身不良、尿量低下/腎機能悪化、閉塞の緊急評価が必要な場合は入院を検討する。[1][2]
- 搬送・紹介構造異常の病型と必要な介入を小児泌尿器科、腎機能の管理を小児腎臓科に相談する。[1][2]
7診療中の疑問と回答
- 出生前に水腎症を指摘されたが、元気なら確認不要?
- 症状がなくても出生後の腎尿路評価を予定する。出生前画像、片側か両側か、尿量、感染歴を確認し、エコーと必要な腎機能評価へつなぐ。改善する例もあるため直ちに手術とは決めず、重症度と閉塞・逆流の有無に応じて追跡する。
根拠:NIDDK 新生児水腎症 - 水腎症なら全例に予防抗菌薬を開始する?
- 予防抗菌薬は全例一律ではなく、拡張の程度、尿路感染歴、逆流や閉塞などの病型を踏まえて専門医と決める。継続する場合は目的と見直しの予定を共有し、発熱時は予防内服中でも尿路感染を除外せず、早期の尿検査と診察につなぐ。
根拠:NIDDK 新生児水腎症 - 軽度と言われた水腎症が増大した場合、何を変える?
- 過去画像と比べて悪化が続く場合は、自然軽快を待つだけにせず、腎機能と排尿状態を含め専門医へ再相談する。特に両側病変、尿量低下、感染を伴う場合は優先度を上げる。拡張の大きさだけでなく尿流への影響から介入を判断する。
根拠:NIDDK 新生児水腎症
8家族への説明
腎臓や尿の通り道の生まれつきの特徴を調べる。自然に改善するものもあるが、発熱や尿が少ない時は連絡する。[1][2]
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