1-3 かぜ症候群と抗菌薬適正使用

緊急

1-3かぜ症候群と抗菌薬適正使用

鼻汁・咽頭痛・咳の急性気道感染症・抗菌薬の要否
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30

日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。

このページの目次8項目

ページ内目次

1ポイント

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2鑑別のながれ

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3検査

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4処置・処方例

Rp. 1アセトアミノフェン(感冒・発熱の対症療法) 1回10〜15mg/kg、4〜6時間以上あけて頓用。1日総量60mg/kgかつ1500mgを超えない(1回最大500mg) 内服
感冒(狭義)に抗菌薬は不要。対症療法と経口補液が中心
  1. シロップ(カロナールシロップ2%=20mg/mL):—〜— を1回
  2. 細粒(カロナール細粒20%=200mg/g):—〜— を1回
  3. 坐剤:1回 —〜— に一番近い規格・個数を選ぶ(アンヒバ/アルピニー 50・100・200mg)
  4. 次は4〜6時間以上あける。1日の合計は — まで
Rp. 2アモキシシリン水和物(急性中耳炎で抗菌薬適応時) 60〜90mg/kg/日 分3。90mg(力価)/kg/日を超えない 内服
全身状態良好・耳漏なしなら抗菌薬なしで2〜3日経過観察が先。耳漏あり/重症化リスクあり/鼓膜発赤膨隆で投与を検討する。初回3〜4日で評価し総投与期間7日間を基本とする(院内方針院内)
  1. ワイドシリン細粒20%(200mg/g)で1日 —〜—(60〜90mg/kg/日)を分3
  2. 添付文書の上限は90mg(力価)/kg/日。これを超えない
  3. 3〜4日目に再評価。改善または不変・悪化なら治療方針を見直す。総投与期間は7日間を基本とする(院内方針院内)
Rp. 3アモキシシリン水和物(GAS咽頭炎で迅速検査陽性時) 30〜50mg/kg/日(最大1,000mg/日)分2〜3、10日間 内服
GAS迅速検査または培養でGAS陽性の場合のみ投与を検討する。GASを除く急性咽頭炎に抗菌薬は不要
  1. ワイドシリン細粒20%(200mg/g)で1日 —〜—(30〜50mg/kg/日、上限1,000mg=5g)を分2〜3
  2. 10日間内服。熱が下がっても飲み切る
Rp. 4クリンダマイシン(重度ペニシリンアレルギー時の代替) 15mg/kg/日 分3(例5mg/kg/回 1日3回)、10日間 内服
アナフィラキシー等の既往がある重度ペニシリンアレルギーでGAS陽性のとき
  1. 1日 — を3回に分ける(1回5mg/kg)
  2. 国内の経口剤はダラシンカプセル75mg・150mgだけ。カプセルが飲めない年齢では使いにくい
  3. 多めの水で飲み、飲んだあと30分は横にならない(食道潰瘍の予防・添付文書)
  4. 10日間
避けること・注意:インフルエンザ・水痘罹患時のアスピリン含有解熱鎮痛剤・総合感冒薬、ジクロフェナクナトリウム(インフルエンザ罹患中は原則禁忌)、抗ヒスタミン薬、ジヒドロコデインを含む鎮咳薬、テオフィリン製剤、ロペラミド(6か月未満は禁忌・2歳未満は原則禁忌)、ピボキシル基を有する抗菌薬、ST合剤・セフトリアキソン(新生児・低出生体重児は禁忌)、フルオロキノロン系、テトラサイクリン系(8歳未満で歯牙着色)。ウイルス性上気道炎への経験的抗菌薬投与は避ける。
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5送る/持つ

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6診療中の疑問と回答

鼻水が緑色になったら抗菌薬を始める?
鼻汁の色だけで細菌感染とは判断しない。症状の長さと悪化の仕方、顔面痛、耳所見、呼吸状態を確認し、鼻副鼻腔炎・中耳炎・肺炎など病型ごとの基準で判断する。単純なかぜには抗菌薬を加えず、どの変化で再診するかを家族に具体的に伝える。
根拠:AMR臨床リファレンスセンター 抗微生物薬適正使用第四版ダイジェスト
抗菌薬を希望する家族には、どう説明して再診につなぐ?
今回の診察で重い感染の徴候がないことと、かぜに抗菌薬が効かず副作用があることを説明する。鎮痛、飲水など今できる対処を示し、呼吸苦、飲めない、反応低下、いったん軽快後の再悪化を再診条件にする。説明だけで終えず、家族が何を観察するか確認する。
根拠:AMR臨床リファレンスセンター 抗微生物薬適正使用第四版ダイジェスト
かぜとして数日見たが、よくならない。別の抗菌薬を試す?
先に診断をやり直す。発熱の持続、呼吸所見、耳・咽頭、尿路感染、川崎病の徴候などを確認し、必要な検査を選ぶ。元気がなく嘔吐と不釣り合いな頻脈があれば心筋炎も検討する。診断なしに薬を順番に変更するのではなく、新たな所見を基に対応する。
根拠:AMR臨床リファレンスセンター 抗微生物薬適正使用第四版ダイジェスト
かぜに抗菌薬はいつ検討する?
GAS陽性の咽頭炎、中等症以上の副鼻腔炎、耳漏や重症化リスクを伴う中耳炎など、病型ごとの基準を満たす場合に限る。
生後3か月未満の発熱はどう扱う?
生後28日以下は日齢によらず全例で血液培養・カテーテル尿・腰椎穿刺のフル精査を行う。生後60日以下は原則入院とする(院内方針院内)。
かぜ症状に乏しい発熱の乳児は?
尿路感染症・重症感染症を必ず鑑別に残す。局所症状が出にくく発熱のみが手がかりのことがある。
GAS陽性の咽頭炎はどう治療する?
アモキシシリン30〜50mg/kg/日(最大1,000mg/日)分2〜3、10日間。重度ペニシリンアレルギーがあればクリンダマイシン15mg/kg/日 分3、10日間。
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8家族への説明

多くの「かぜ」はウイルスが原因で、抗菌薬は効きません。休養と水分・栄養が回復の中心です。抗菌薬を使うとお腹の中の良い菌まで一緒に減らしてしまうことがあります。3日以上経過しても改善しない場合、日常生活に支障が出るほど悪化した場合は再受診してください。ぐったりしている、呼吸が速い・苦しそう、水分が摂れない、一度良くなりかけたのにまた熱が上がってきた、熱が3日以上続く、といった様子があればすぐにご連絡ください。

一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。

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