9-6小児慢性腎臓病(CKD)
しょうにCKD・まんせいじんぞうびょう
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30
日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。
このページの目次8項目
1ポイント
- 成人では正常範囲のCrでも小児では異常になり得る。年齢、性別、身長、筋肉量を踏まえ、成長不良や多尿、蛋白尿、血圧を確認する。[1]
- 乏尿、呼吸困難、強い浮腫、高K等の急性悪化:慢性疾患の経過観察扱いにせず、急性腎障害/体液・電解質異常として緊急評価する。[2]
- 原疾患の治療と腎機能悪化の抑制を行い、血圧・蛋白尿、貧血、骨代謝、栄養と成長、就学・移行期支援を計画する。[1][2]
2鑑別のながれ
- Cr上昇→過去は正常で脱水/感染に伴う急変→AKIを評価し、CKDのラベルで緊急対応を遅らせない。[2]
- 成長不良+尿/画像異常→異常が持続する→CAKUT等のCKDを疑い、年齢別腎機能評価を行う。[1]
3検査
- 過去値との比較、尿検査、年齢に適した腎機能推算と画像で持続性と原因を評価する。筋肉量が少ない児ではCr単独の評価を避ける。[1]
- 乳幼児では生理的な腎機能が異なるため、成人のeGFR式・区分をそのまま使わない。[1]
4対応の注意
避けること・注意:腎機能低下の単回値だけで慢性と断定しない。成人向けの一律低蛋白食や水分制限を適用しない。[1][2]。
↑ このページの入口へ5初期対応と継続管理
初期対応
- 原疾患の治療と腎機能悪化の抑制を行い、血圧・蛋白尿、貧血、骨代謝、栄養と成長、就学・移行期支援を計画する。[1][2]
- 薬剤と食事制限は病期・電解質・成長を見ながら個別化し、家族の判断だけで栄養を過度に制限しない。[2]
フォローと再評価
- 血圧・成長・尿所見と腎機能の推移を専門医と共有し、成人診療への移行を発達段階に合わせて準備する。[1]
根拠と適用範囲
- 日本腎臓学会 CKD診療ガイド2024 第17章 小児CKD:国内小児CKDの診断・機能評価・管理
- NIDDK Kidney Disease in Children:小児腎疾患・合併症と管理。薬別用量の資料ではない
6帰宅・入院の目安
- 帰宅安定例は小児腎臓専門医の計画に沿った定期診療を行う。[1]
- 入院急な腎機能低下、重い高血圧・体液過剰・電解質異常、摂取不良は入院評価を検討する。[2]
- 搬送・紹介小児CKDと診断した場合は基本的に小児腎臓専門医の診療へつなぐ。[1]
7診療中の疑問と回答
- Crが成人の正常範囲内なら、腎機能は正常?
- 小児のCrは年齢、性別、身長・筋肉量に左右される。成人基準に当てはめず、小児の基準と推算式、過去の値を用いる。単回値だけで慢性とも決めず、蛋白尿、血圧、画像、成長経過を合わせて評価し、異常が続けば小児腎臓専門医へつなぐ。
根拠:日本腎臓学会 CKD診療ガイド2024 小児CKD / NIDDK 小児腎疾患 - 風邪で飲めないCKD児の普段の薬はそのままでよい?
- 脱水、尿量低下、血圧、腎機能・電解質を評価する。薬の排泄や腎血行動態に影響するため、普段の処方と市販薬を確認し、休薬・用量調整の要否を主治医と相談する。NSAIDsを自己追加させず、乏尿・呼吸苦・意識変化は予定を待たず緊急対応する。
根拠:日本腎臓学会 CKD診療ガイド2024 小児CKD / NIDDK 小児腎疾患 - 腎機能を守るため、蛋白と水分を厳しく制限する?
- 成人用の制限食を一律に適用しない。成長に必要な栄養と体液・電解質の状態、原疾患に応じて調整する。低身長や体重増加不良、貧血、骨代謝も継続評価し、腎臓医・栄養士と計画する。多尿型と浮腫・乏尿を同じ飲水指示で扱わない。
根拠:日本腎臓学会 CKD診療ガイド2024 小児CKD / NIDDK 小児腎疾患
8家族への説明
腎臓の数値だけでなく成長と生活も守る。薬・市販薬・サプリを追加する前に相談し、飲めない時や尿量変化は早く連絡する。[1][2]
一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。