2-15 長引く咳(3週以上)

緊急

2-15長引く咳(3週以上)

病態・根拠
このページの目次10項目

1病態:小児の咳は、持続期間と性状で原因を絞る

感染後に一時的に残る咳がある一方、湿性咳嗽が毎日続く場合は気道の分泌物や細菌性気管支炎などを考える。小児を成人の慢性咳嗽と同じ原因順位で扱わない。RCHとCICADAは小児の4週間を超える咳を評価対象とする。国内の遷延性・慢性の期間分類とは区別し、赤旗があれば分類上の期間を満たすまで待たない。[1][2]

2鑑別:乾性か湿性か、その始まりはどうだったか

突然のむせ込みを境に続く咳では異物、授乳・食事で悪化するなら誤嚥、乳児早期からなら構造的な異常も検討する。日々の湿性咳嗽は遷延性細菌性気管支炎や気管支拡張症の評価につながる。一方、咳だけで喘息と確定せず、喘鳴、呼吸困難、運動・夜間の変動、治療反応等を合わせる。発育不良、血痰、反復性肺炎、呼吸困難、嚥下の問題は精査の手がかりとなる。[1][2]

3検査:正常結果でも残る問いを整理する

持続する咳では胸部X線と、可能な年齢ならスパイロメトリーを検討する。これらは呼吸器疾患の手がかりを得る検査で、すべての異物や誤嚥、気道病変を一度に除外する検査ではない。病歴に疑いが残れば専門評価につなぐ。CT、気管支鏡、免疫学的検査等は、赤旗と初期検査から必要性を絞り、全員へ順番に追加しない。[1][2]

4治療と、試す治療を終える条件

原因が不明な咳に、抗菌薬、喘息薬、胃食道逆流の薬等を同時に重ねると、反応の意味が分からなくなる。診断仮説、対象症状、再評価日を決めて治療する。遷延性細菌性気管支炎を疑う場合の抗菌薬も、国内の薬剤選択で行い、湿性咳嗽の消失を評価する。十分な治療後も持続、または反復する場合は、同じ処方の繰り返しではなく専門精査を考える。[1][2]

5フォローと家族への説明

咳の録音や動画、湿性・乾性、食事や睡眠との関係の記録は再診に役立つ。全身状態が良く赤旗がなくても、いつまで続けば再診するかを具体的に伝える。息苦しさ、血痰、体重減少、新たな発熱・元気低下があれば予定を早める。改善しない咳を「癖」と決める前に、小児の原因評価が十分かを確かめる。[1][2]

6出典と適用範囲

国内の遷延性・慢性の定義と海外の4週基準は同一ではない。本節は期間だけによる自動的な治療開始基準を設定しない。

7臨床医が迷う場面

8咳の期間だけで喘息治療を試してよい?

乾性・湿性、毎日あるか、夜間・運動・食事との関係と喘鳴を確認する。突然始まった咳は異物、食事中の咳は誤嚥も考える。喘息を支持しない孤立性の咳に漫然と薬を追加せず、持続する毎日の咳は胸部所見と必要な検査を再評価する。

根拠:RCH Cough:小児の持続咳嗽の評価

9湿った咳が長引くが元気。抗菌薬を続ければよい?

持続する細菌性気管支炎などを考えるが、異物、誤嚥、気管支拡張症や基礎疾患の徴候も確認する。必要な治療を選んだ場合は終了時の反応を評価し、不応・反復例で漫然と延長しない。体重増加不良や喀血、反復肺炎があれば呼吸器専門へ紹介する。

根拠:RCH Cough:小児の持続咳嗽の評価

10睡眠中に咳が消えるなら心因性で確定?

睡眠中の消失だけで診断しない。喘息、感染、異物などを経過・診察で評価し、機能性の咳と判断する場合も陽性所見と生活への影響を共有する。新しい発熱、呼吸苦、血痰や進行する湿性咳があれば、既診断にかかわらず再評価する。

根拠:RCH Cough:小児の持続咳嗽の評価

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