9-11夜尿症(おねしょ)
このページの目次13項目
1夜間尿量・膀胱容量・覚醒の釣り合い
2分類が治療の順番を変える
3日誌と診察で確かめること
4続けられる治療を一緒に選ぶ
5国内製剤の適応と水中毒の予防
夜尿症の適応を持つミニリンメルトは120μg・240μg規格。原則6歳以上で、観察期の夜尿翌朝の平均尿浸透圧800mOsm/L以下または平均尿比重1.022以下を目安に尿濃縮低下を確認する。1日1回就寝前120μgから、効果不十分なら240μgへ増量する固定用量であり、体重換算や海外の増量上限を用いない。[3]
薬が効いている間に水分が過剰になると低Na血症・水中毒を来しうる。投与2〜3時間前(夕食後)から翌朝まで飲水を極力避け、過度の飲水後は投与しない。発熱や胃腸炎で補水が必要な間は中止し、再開は体調と飲水を確認して処方医の指示に従う。頭痛・倦怠感・嘔吐で中止と医師への連絡、意識障害・けいれんでは救急対応とする。[3]
低Na血症、多飲症、利尿薬治療を要する心不全、SIADH、中等度以上の腎障害、成分過敏症は禁忌。1週間以上の継続では血清Na・血漿浸透圧の検査、投与中は毎月の状態観察が必要である。約3か月ごとに1〜2週間中止して夜尿状況を確認するなど、漫然と継続しない。[3]
6早期評価から治療変更までの根拠
国内GLの総論4では120μgで開始し、早期に同量継続か240μgへの増量を判断する。引用されたICCSの目安は1〜2週間であり、添付文書が固定した増量日程ではない。服薬・食事・飲水の状況を直してから用量を決める。食後から食前への変更は吸収を増やしうるため、「効かない」ことだけを理由に時刻変更と増量を重ねない。[1][3]
治療前後を同じ長さの日誌で比較する。夜間尿量が減っても夜尿が続く場合は蓄尿・覚醒の要素が残る可能性があり、尿量だけで成功・失敗を判定しない。240μgでも適切な服薬下で無効なら中止・アラームへの変更や併用を検討する。抗コリン薬を考える前には便秘と残尿・排尿困難を評価する。[1][2]
7休薬・減量・再開を分ける
8併用薬が水中毒リスクを変える
9出典・適用範囲
- [1] 日本夜尿症学会 夜尿症診療ガイドライン2021。定義・分類、診療アルゴリズム、総論4 p.29〜30(開始・早期評価・減量)、CQ2〜10。国内GLの説明を基本とする。
- [2] Canadian Paediatric Society: Evaluation and management of enuresis in the general paediatric setting(2023)。問診・日誌、病態、治療を続ける支援の補足。海外の薬用量・水分管理時間は国内用法に置き換えない。
- [3] PMDA ミニリンメルトOD錠 電子添文(2025年6月改訂第5版)。夜尿症の適応・用量・禁忌、5〜8項・10.2項。
根拠確認日:2026-10-27。院内採用・検査の実施時期・連携先は診療担当者が確認する。
10臨床医が迷う場面
11デスモプレシンが効かない。何を確認してから増量する?
投与時刻、食事との間隔、舌下での服用と飲水、夜尿日誌を確認する。便秘・昼間症状や尿量型の見立ても再評価する。国内の夜尿症用量の範囲で医師が増量し、自己判断で追加しない。上限でも不応なら治療併用や専門紹介を検討する。
12発熱・胃腸炎の日もいつもの薬を飲ませる?
補水が必要な発熱や胃腸炎では休薬する。投与前から翌朝までの飲水制限を安全に守れない日や、多く飲水した日も投与しない。頭痛、嘔気・嘔吐、むくみ、意識変化やけいれんは低Na血症を疑い中止して受診し、体調と飲水が戻った後の再開は処方医と決める。
13夜尿が減ったら薬をずっと続けてよい?
月ごとに効果と安全性を確認し、継続時の血清Na・血漿浸透圧の監視を行う。約3か月ごとに1〜2週間の中断で継続の必要を見直す。再発時は日誌と生活条件を確認して再開を相談し、60μg製剤を用いた独自の減量法を夜尿症へ流用しない。
一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。