9-2 亀頭包皮炎・包茎・陰唇癒合

緊急

9-2亀頭包皮炎・包茎・陰唇癒合

病態・根拠
このページの目次9項目

1病態:発達途中の包皮と炎症を区別する

小児の包皮がむけない状態の多くは発達上のもので、癒着や狭さだけを感染や手術適応としない。無理な翻転は微小な傷や瘢痕を生じ、かえって病的な狭窄や嵌頓の原因になる。陰茎先端の軽い発赤は、尿・おむつ・石けん等の刺激でも起こる。膿に見える恥垢も、他の炎症所見と合わせて判断する。[1]

2鑑別と検査:感染、瘢痕、血流障害を見分ける

発赤の範囲、圧痛、腫脹、排尿の可否、発熱を確認する。発赤が陰茎へ広がる、全身症状がある場合は細菌性の炎症を考える。発熱を伴えば尿路感染の評価も必要で、尿培養を検討する。包皮の表面培養は汚染されやすく、陽性だけで原因菌と決めない。以前はむけたのにむけなくなった、白い瘢痕輪がある場合は病的包茎の評価につなぐ。[1]

翻転した包皮が亀頭の後ろで戻らず、腫れが増す嵌頓包茎は別の緊急病態である。静脈還流が妨げられ、進行すると血流障害を来す。尿閉、青黒い色調、強い痛みは待たずに専門科へ連絡する。[1]

3治療:原因を減らし、傷を作らない

刺激物を避け、やさしく洗浄し、鎮痛する。単なる発赤すべてに抗菌薬を使う根拠はなく、RCHは局所抗菌薬を一般的な亀頭炎に推奨していない。細菌性蜂窩織炎と判断する場合の全身抗菌薬、真菌感染への治療は診察所見と国内手順で選ぶ。包茎への外用ステロイドや処置は、本シートの院内方針に従い必要時に専門施設へ依頼する。[1]

4陰唇癒合とフォロー

陰唇癒合も、外観だけを理由に引き離さない。低エストロゲン期の薄い粘膜と刺激が関係し、無症状で排尿に支障がなければ自然な経過を見られることが多い。尿路閉塞、反復する感染、診断不明では小児泌尿器科・婦人科へ相談する。無理な剥離は痛みと再癒合を招きうる。保護者には、洗浄のために包皮を無理にむかないこと、尿が出ない・色が悪い・急速に腫れる場合は直ちに受診することを伝える。[1][2]

5出典と適用範囲

国内専門学会の公開ページは今回取得できず、国内製剤の固定用量や院内での剥離処置は追加していない。

6臨床医が迷う場面

7赤く腫れた包皮には毎回抗菌薬が必要?

尿のたまり、石けんなどの刺激、無理な翻転による炎症を確認する。軽い刺激性炎症は清潔と刺激回避が基本で、局所抗菌薬を一律に追加しない。発熱、発赤の拡大、排尿困難があれば細菌感染や尿路感染を評価し、全身抗菌薬や専門評価を検討する。

根拠:RCH 包皮・陰茎の診療指針

8白い塊や排尿時の膨らみがあれば手術に紹介する?

包皮内の恥垢は膿と間違えやすく、無症状なら除去のために無理に剥かない。排尿時の膨らみもそれだけでは閉塞としない。尿線の弱さ、疼痛、感染反復、瘢痕化を確認し、症状を伴う場合に治療と泌尿器科紹介を検討する。

根拠:RCH 包皮・陰茎の診療指針

9以前は剥けたのに剥けなくなった場合も生理的包茎?

白い硬い瘢痕輪や、以前剥けていた包皮が剥けなくなる変化は病的包茎を疑う。無理に拡張せず専門評価へつなぐ。尿が出ない場合は緊急対応とし、戻らない翻転包皮は嵌頓として院内手順に従い対応する。

根拠:RCH 包皮・陰茎の診療指針

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