2-10 細菌性気管炎

緊急

2-10細菌性気管炎

病態・根拠
このページの目次9項目

1病態:浮腫に加え、気管内の分泌物が気道を塞ぐ

細菌性気管炎は、ウイルス性呼吸器感染に続いて細菌感染を生じ、粘膿性分泌物や炎症により上気道閉塞を起こす病態である。小児はもともとの気道が細く、わずかな狭窄でも呼吸の負担が増す。高熱、全身不良、喘鳴・嗄声・咳と、数日続いた上気道症状からの急な悪化が手がかりになる。[1][2]

2鑑別:通常のクループとして待てるか

クループがよくある原因でも、病的にぐったりしている、進行が速い、厚い分泌物、通常の治療に反応が乏しい場合は細菌性気管炎を考える。流涎、嚥下困難、こもった声では喉頭蓋炎や深頸部感染も鑑別する。アドレナリン吸入で一時的に改善しても細菌感染を否定できず、反応を見ながら専門対応を手配する。[1][2]

3検査の限界と、気道を先に守る理由

重い上気道閉塞は、泣かせる、寝かせる、鎮静することで完全閉塞へ進む可能性がある。保護者のそばで楽な姿勢を保ち、咽頭観察や採血・画像を無理に完遂しない。胸部・頸部画像は安定後の肺炎や気道所見の評価に役立つが、画像が撮れるまで気道支援を待つ検査ではない。気管内の直接評価や培養は安全な気道管理の体制下で行う。[1][2]

4治療の目的と当院からの連絡

酸素は低酸素を改善するが、粘膿性分泌物による閉塞そのものは解除しない。上級医、麻酔・耳鼻科、小児集中治療へ早期に連絡し、必要時の挿管と分泌物への対応を準備する。人工呼吸・高度気道管理がない当院では、悪化してからではなく疑いの段階で受入先と搬送・気道計画を合わせる。[1][2]

静注抗菌薬は黄色ブドウ球菌を含む原因菌を対象とし、MRSAの地域状況や重症度で調整する。MSFの具体的レジメンを国内へ固定せず、受入側と選択する。反復する静脈路確保の試みで呼吸を悪化させない。外来で通常のクループとして帰宅させる対象ではなく、気道と感染の経過を監視できる施設で管理する。[1][2]

5出典と適用範囲

MSFは資源条件の異なる診療環境も想定する。吸入薬や抗菌薬の固定用量・一律の治療期間は転記していない。

6臨床医が迷う場面

7クループ治療後も悪化する。吸入を繰り返して待ってよい?

高熱、強い重症感、急速な呼吸悪化、分泌物増加があれば細菌性気管炎などを再評価する。アドレナリンで一時的に軽くなっても確定治療にはならない。気道対応が可能な専門チームへ早く連絡し、当院では挿管を試みず院内方針に従い搬送を調整する。

根拠:RCH 急性上気道閉塞

8SpO2が正常なら採血とX線を先に済ませてよい?

上気道閉塞の低酸素は遅い所見であり、陥没、空気流入、意識、疲労を優先して評価する。中等症以上なら苦痛を与える検査で完全閉塞を誘発し得る。楽な姿勢を保ち、採血・画像より気道チームへの連絡と安全な搬送を先行する。

根拠:RCH 急性上気道閉塞

9喘鳴が小さくなったのは改善と考えてよい?

呼吸音だけでなく胸の動き、空気流入、意識を同時に確認する。喘鳴が弱くても空気が入らず疲弊していれば閉塞の悪化を疑う。啼泣させる咽頭診察や仰臥位を強制せず、応援と搬送を急ぎ、本人が選ぶ姿勢を保つ。

根拠:RCH 急性上気道閉塞

一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。

スペースで絞り込み(例:夜尿症 休薬)↑↓ 移動 / Enter 開く