6-2 アトピー性皮膚炎

緊急

6-2アトピー性皮膚炎

診断・外用の見直し・生物学的製剤の選択と長期管理
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30

日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。

このページの目次12項目

ページ内目次

1ポイント

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2鑑別のながれ

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3皮疹の簡易重症度

軽症面積によらず軽度の皮疹のみ保湿+外用薬
中等症強い炎症を伴う皮疹がBSAの10%未満重症度相応のランクで外用
重症強い炎症を伴う皮疹がBSAの10%以上30%未満外用強化。改善なければ紹介検討
最重症強い炎症を伴う皮疹がBSAの30%以上外用強化。無効なら全身療法を検討し紹介
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4計算・スコア

スコア

アトピー性皮膚炎:かゆみ・重症度の入力と計算

評価した項目を選ぶと、その指標の結果を表示します。各指標は独立しています。入力が足りない場合は点数を表示しません。

NRS:かゆみを0〜10で回答

本人が回答できる場合に使います。乳幼児の保護者による評価とは分けて扱います。

どのかゆみを回答するか
0=かゆみなし、10=想像できる最も強いかゆみ
未入力です。
VAS(測定値を記録)

100mmのVASで測定した値を記録。画面の線の長さをmmに換算しない。

どのかゆみを回答するか

0 mm=かゆみなし、100 mm=最も強いかゆみ。紙などの100 mmの線で測定した値を入力します。

未入力です。
IGA:医師の全般評価を記録

診察者が、施設で採用する定義に沿って評価します。この入力欄はvIGA-ADの正式な判定表を再現したものではありません。

評価したIGA(0〜4)
未入力です。
EASI:4部位の所見から計算

診察者が評価します。面積は、その部位の皮膚全体を100%として選びます。全身のBSAとは分母が異なります。各部位の湿疹がある皮膚で、4所見の平均的な強さを選びます。最も悪い1か所だけで判定しません。

年齢区分(必須)

所見:0=なし、1=軽度、2=中等度、3=重度。1と2の中間は1.5、2と3の中間は2.5を選べます。0.5は使いません。

頭頸部この部位は未入力です
この部位で湿疹がある面積(この部位全体=100%)
紅斑
浮腫・丘疹
掻破痕
苔癬化
体幹この部位は未入力です
この部位で湿疹がある面積(この部位全体=100%)
紅斑
浮腫・丘疹
掻破痕
苔癬化
上肢この部位は未入力です
この部位で湿疹がある面積(この部位全体=100%)
紅斑
浮腫・丘疹
掻破痕
苔癬化
下肢この部位は未入力です
この部位で湿疹がある面積(この部位全体=100%)
紅斑
浮腫・丘疹
掻破痕
苔癬化

「なし」を選ぶと、その部位の4所見を0にします。面積を選び直した場合は、4所見も再入力します。

未入力です。
BSA:病変面積を確認
評価方法(EASIとは別に評価)
未入力です。

医師最終確認前の下書き。点数だけで診断や薬剤の適応を決めません。入力値を保存・送信しません。ページを再読み込みすると入力を消去します。

計算方法と注意点

EASIは各部位の「4所見の合計×面積スコア×部位係数」を合算します。8歳未満は頭頸部0.2・体幹0.3・上肢0.2・下肢0.3。8歳以上は頭頸部0.1・体幹0.3・上肢0.2・下肢0.4です。範囲は0〜72です。

NRSとVASは本人の回答を記録します。「平均」と「最大」を混ぜて経過を比較しないでください。IGAは採用する定義を確認します。BSAの手による評価は概算です。

出典

EASI:HOME公式マニュアル(2017)。年齢係数・面積区分・4所見・計算方法を参照。

IGA:アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024。標準化尺度はvIGA-AD公式日本語版を参照してください。上の入力欄は、医師評価済みIGAの記録用です。

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5検査

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6スキンケア・塗布支援

保湿やかゆみ止めだけで、湿疹の炎症を治療しない。

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7処置・処方例

Rp. 1ステロイド外用薬 ランクは皮疹の強さ・部位・年齢・期間で選ぶ。眼囲へ漫然と高ランクを続けない。 外用
1FTUは成人の指で約0.5g。小児の必要FTU数は、年齢・塗る部位で調整する。
  1. 「薄く塗る」だけの指示にしない。実際の製品で1回量を示す。
  2. 外用ステロイドのランク早見表で製品と濃度を確認する。顔・乳幼児は部位・炎症・期間も評価する。
  3. 小児の部位別FTU・外用薬の年齢と濃度を確認。薬剤ごとの塗布上限を優先する。
避けること・注意:外用量不足のまま全身療法を追加すること。IgE陽性だけでの食物除去。自己判断の注射間隔変更・まとめ打ち。
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8外用薬と生物学的製剤

医療者向け・医師最終確認前の下書き。外用薬のランク・導入・安全性・効果判定・休薬を確認する。国内用法は2026-10-08に照合。

治療の項目へ移動13項目

外用ステロイド:ランク早見表

ランク(強い順)代表製品・濃度
I群 ストロンゲストクロベタゾールプロピオン酸エステル軟膏0.05%「イワキ」/ダイアコート軟膏0.05%
II群 ベリーストロングアンテベート軟膏0.05%/マイザー軟膏0.05%
III群 ストロングリンデロン-V軟膏0.12%/メサデルム軟膏0.1%
IV群 ミディアムロコイド軟膏0.1%/リドメックスコーワ軟膏0.3%
V群 ウィークプレドニゾロン軟膏0.5%「VTRS」

国内ADGL2024表8による5段階分類。成分の異なる薬の濃度だけで強さを比べない。一般名・剤形・17製品の表/顔・乳幼児の選び方を確認。旧商品名(デルモベート・キンダベート)は販売終了情報と分けて掲載。院内採用・供給は別途確認する。

導入前:外用失敗と決める前に

確認見直すこと
診断・感染接触皮膚炎、疥癬、白癬、感染の併存。
薬と使い方強さ・濃度・塗る部位・FTU・回数・日数。
続けられるか残量、刺激感、家族の不安、園・学校での支障。

紹介と注射の開始条件は別。導入に必要な6か月の外用歴まで、紹介を待たない。

記録する尺度をそろえる

尺度何を比べるか
EASI/IGA/BSA皮疹の強さと範囲。かゆみとは別。
NRS/VASミチーガ導入は過去24時間平均。0〜10/0〜100。
かゆみスコア0〜4。昼・夜を評価し、高い方を採る。
睡眠・生活夜間覚醒、掻破、登園登校、家族の負担。

尺度名をタップすると入力欄へ移動。EASI・BSAは計算補助、IGA・NRSは評価値の記録、VASは紙の実測値の記録。定義を確認し、平均NRSと最大NRSを混用しない。

何を改善したいかで比較する

選択の軸デュピクセントミチーガ
治療の中心IL-4/IL-13経路。湿疹とそう痒。IL-31受容体。残る強いそう痒。
小児の対象生後6か月以上・体重5kg以上。6歳以上。年齢別に製剤を選ぶ。
気をつける症状結膜炎・眼症状、好酸球増加、過敏症。皮膚症状の悪化・感染、浮腫性紅斑、過敏症。
生ワクチン治療中の接種は避ける。状態を慎重に確認し、十分な注意を払う。

優劣の表ではない。両剤ともかゆみ・皮疹を評価する。ミチーガは強いかゆみだけでは適応を決めない。

開始前に確認する

ミチーガの年齢そう痒の条件
6歳以上13歳未満かゆみスコア3以上。
13歳以上NRS 5以上またはVAS 50以上。加えて、かゆみスコア3以上。

禁忌・過敏症の例外、顔面の数値、施設・医師要件は導入条件の詳細を確認。NRS・VAS・かゆみスコアは別の尺度。

デュピクセント:体重別の投与量

対象初回維持投与
小児5kg以上15kg未満200mg200mgを4週間隔。
小児15kg以上30kg未満300mg300mgを4週間隔。
小児30kg以上60kg未満400mg200mgを2週間隔。
小児60kg以上600mg300mgを2週間隔。
成人600mg300mgを2週間隔。

すべて皮下注射。小児30kg未満は追加の初回負荷量なし。600mgは300mg製剤2本で投与し、200mg製剤3本で代用しない。 皮膚・皮下組織が薄い患者にはシリンジ製剤を用いる。

ミチーガ:年齢別の製剤と投与量

対象製剤投与量・間隔
6歳以上13歳未満30mgバイアル30mgを4週間隔。
13歳以上・成人60mgシリンジ60mgを4週間隔。

すべて皮下注射。初回負荷量なし。30mgバイアルと60mgシリンジは互換使用しない。結節性痒疹の初回60mg→30mg維持をADに流用しない。

導入前と治療中:安全性を確認する

場面確認・対応
導入前過敏症、感染、眼症状、ワクチン計画、合併症。
デュピクセント結膜炎・角膜症状、好酸球関連症状、寄生虫。
ミチーガ感染、皮膚悪化、浮腫性紅斑、水疱・びらん。
眼痛・視力低下当日眼科。結膜炎だけと決めつけない。
呼吸困難・血圧低下重篤な過敏症を疑い救急対応。

副作用への対応・自己注射・ワクチンを確認。両剤共通の「採血不要」とはしない。

16週まで:無反応と部分反応を分ける

反応次の判断
無反応最適GLに基づき中止。診断・外用・感染・投与を再確認。
部分反応皮疹・かゆみ・生活のどこが残るかを比べ、継続や変更を専門医と相談。
改善外用を継続し、改善維持期間を記録。

EASI-75未達だけで一律中止としない。重大な副作用は16週を待たずに対応。効果判定の詳細。

改善を維持できた後:継続・休薬

薬約6か月の改善維持後
デュピクセント寛解と適切な外用・保湿を確認し、一時中止等を検討。
ミチーガそう痒改善と適切な併用薬を確認し、一時中止等を検討。

初回から半年で終了する意味ではない。再燃歴・負担・希望も評価。自己判断の間隔延長はしない。

休薬後の再燃・打ち忘れ

一律の再開負荷量・切替休薬日数を設定しない。再開条件と投与忘れ。

他の治療と、具体例を確認する

生物学的製剤と経口JAK阻害薬の併用を定型処方にしない。

根拠を確認する

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9帰宅・入院の目安

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10診療中の疑問と回答

塗り薬が効かないと言われたら、すぐ強くする?
塗布した実量・部位・頻度と継続日数を確認し、実物で塗り方を見直す。掻破、感染、接触皮膚炎も評価する。適切な外用でも睡眠や生活への支障が続く場合は、単に高ランクを長期処方せず皮膚科と治療を再設計する。
根拠:RCH Eczema:外用最適化・感染の評価
きれいになった部位の外用は全部中止する?
炎症が落ち着いたら部位と再燃歴に合わせて抗炎症薬の頻度を減らし、保湿は続ける。同じ部位に繰り返す児では維持の塗布計画を共有する。治療中も皮膚萎縮などを確認し、再燃時に戻す薬・量と受診条件を家族に示す。
根拠:RCH Eczema:外用最適化・感染の評価
赤くじゅくじゅくしている皮疹に抗菌薬を足す?
湿潤だけで細菌感染とは決めない。膿疱、痂皮、拡大する発赤、発熱を診察する。痛みの強い均一な小水疱・打ち抜き状びらんや眼症状はヘルペス性湿疹を疑い当日評価し、通常の外用強化だけで待たない。
根拠:RCH Eczema:外用最適化・感染の評価
ステロイドは怖い薬?
炎症に合う強さ・十分な量・適切な期間で使う。改善後に減らし、副作用も確認する。
塗り薬を全部試してから注射?
全ての薬を順番に試す固定の条件ではない。外用を適正化し、製剤別の導入条件を専門医と確認する。
注射は半年で終わる?
初回から半年で自動終了しない。改善を維持できた期間、外用、再燃歴と負担を見て相談する。
打ち忘れたら?
2回分をまとめない。医師・薬剤師に連絡し、投与日を確認する。
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12家族への説明

注射を始めても、保湿と必要な塗り薬を続けます。湿疹、かゆみ、眠れるかを別々に確認します。目の痛み・見えにくさ、急に増える大きさのそろった水ぶくれ・ただれは、熱がなくても当日連絡してください。注射のまとめ打ちや間隔変更を自分で決めないでください。

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