3-3急性虫垂炎
病態・根拠
このページの目次10項目
1病態:腹痛の移動と経過を捉える
2鑑別と検査:スコアと炎症反応の役割
PASやpARCは病歴、診察、検査から確率を整理する補助で、確定検査ではない。血算・CRPが低い発症早期や非典型例でも、経過と診察が気になるなら再評価する。尿検査は尿路感染等、思春期では妊娠関連病態や卵巣病変等を検討するために使う。尿所見だけを見て、右下腹部の症状をすべて尿路感染へ帰属させない。[1]
3「虫垂が見えなかった」は「正常」と異なる
4治療と紹介:当院で朝まで観察できるか
5低確率として帰宅する場合
診察が安心でき、摂取でき、別の診断が妥当で、再評価できることが条件となる。痛みの増悪・局在化、発熱や嘔吐の進行、動けない場合は予定を待たず受診するよう伝える。観察中も再診時も、前回の診察時刻と圧痛・歩行・摂取の変化を比較する。[1]
6出典と適用範囲
- [1] CHOP Suspected appendicitis ED pathway。2026年更新。リスク評価、虫垂非描出、再診察と帰宅条件。
- [2] IDSA 2024 腹腔内感染ガイドライン・小児虫垂炎の画像。小児の初回超音波、不確定後のMRI・CT、画像の限界。条件付き推奨でエビデンスの確実性は非常に低い。
- [3] NIDDK Symptoms and Causes of Appendicitis。腹痛の移動・増悪、小児の非典型症状。
画像不能な当院での夜間観察は受入外科と院内体制を踏まえた個別判断とする。海外の抗菌薬選択・量は転記していない。
7臨床医が迷う場面
8炎症反応が低くても虫垂炎を疑う?
早期や年少児では血液所見が典型的でない。発症からの時間、移動・局在する痛み、歩行や跳躍時の痛み、食欲と反復診察を重視する。低い検査値や未完成スコアだけで除外せず、疑いがあれば画像評価可能な外科へ相談する。
9抗菌薬だけの治療を外来で試してよい?
非手術治療は単純性と評価された選択例に専門施設で検討する方法であり、画像がない当院の疑い例にそのまま適用しない。穿孔・糞石・膿瘍などを含む評価が必要。絶食、鎮痛、補液を行い、外科と治療方針と搬送時期を共有する。
10痛みが少し改善したら朝まで待てる?
改善だけで穿孔や進行を除外しない。腹膜刺激、発熱、嘔吐、循環と経過を再評価する。当直の観察は受入外科と共有した再診察・即時搬送の条件が整う場合に限り、年少児や進行性疼痛は早期搬送を優先する。
一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。