3-2急性陰嚢症・精巣捻転
病態・根拠
このページの目次10項目
1鑑別の考え方:捻転を疑う理由は、静脈還流と動脈血流の障害にある
2鑑別:挙睾筋反射や尿検査で一つに決めない
高位・横位の精巣、強い圧痛、反射消失は捻転を支持するが、個々の所見は確定・除外の単独検査にはならない。精巣付属器捻転では上極の限局痛、精巣上体炎では排尿症状や発熱が手がかりとなる。ただし、これらがありそうでも精巣捻転を確実に除外できなければ外科相談を先にする。正常尿は精巣上体炎も完全には除外しない。[1]
3超音波の役割と限界
4治療と搬送前に必要なこと
5帰宅と家族への説明
6出典と適用範囲
- [1] RCH Acute scrotal pain or swelling。小児の診察、超音波の偽陰性、外科相談と帰宅条件。2026年更新。
- [2] 日本泌尿器科学会:陰嚢の急な腫れ・痛み。捻転の病態、症状、診断不確実時の緊急手術。
手技の手順・鎮痛薬量・施設間搬送の時間基準はこの解説では固定しない。
7臨床医が迷う場面
8超音波で血流があれば、精巣捻転は否定できる?
部分捻転や間欠性では血流が保たれることもある。突然の痛み、精巣の位置、嘔吐など臨床的疑いを優先し、画像陰性だけで終了しない。当院では疑った時点で手術可能な施設へ連絡し、超音波の実施や再検のために搬送を遅らせない。
9来院時には痛みが消えた。帰宅でよい?
自然に戻った間欠性捻転の可能性がある。突然の発症・消失、反復、精巣位置の変化を確認し、泌尿器科へ相談する。痛みの消失を確定的な否定材料にせず、再燃時に直ちに受診することも伝える。思春期男児の腹痛では陰嚢の確認を省略しない。
10精巣上体炎らしいので、抗菌薬を出す前に何を確認する?
まず捻転を十分評価する。年齢、尿症状、尿検査と培養、性活動歴をプライバシーに配慮して確認し、病原体と基礎尿路異常の可能性を考える。小児を成人の尿道炎レジメンに自動的に当てはめず、本文の院内対応と専門科の判断で処方する。
一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。