5-9 急性肝炎・小児急性肝不全

緊急

5-9急性肝炎・小児急性肝不全

病態・根拠
このページの目次13項目

1病態と認識

急性肝障害に肝合成能低下による凝固異常を伴うと、脳症や多臓器障害へ急速進行する。小児では肝性脳症が明確でなくても肝不全になり得る。[1][2]

  • 黄疸、食欲不振・嘔吐、出血傾向、低血糖、睡眠/行動や意識変化を確認し、感染・薬剤・代謝・免疫等の原因を年齢別に考える。[1]

2鑑別と見逃しを避ける所見

起点手がかり考える病態・行動
肝酵素上昇凝固能と血糖・意識が保たれる原因別急性肝障害の評価と経時的な再検を行う。[1]
肝障害+凝固異常脳症が目立たない乳幼児でもPALFを疑って早期に移植施設と連携する。[1][2]

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3検査の使い方と限界

  • 肝胆道系酵素に加えPT/INR、血糖、アンモニア、腎機能・電解質を測定し、経時的変化を追う。薬/サプリ/誤飲と投与時刻・量を確認する。[1]
  • ウイルス、自己免疫、遺伝代謝等の検査を年齢と背景で選び、ビタミンK反応も含め凝固障害を評価する。[1]

4初期対応・経過と専門診療への境界

  • 糖・循環・呼吸を支え、脳浮腫・感染・腎障害と電解質異常を監視する。原因に応じた特異治療と移植評価を並行する。[1][2]
  • アセトアミノフェン中毒のNACと非中毒性肝不全を区別し、非中毒小児へNACを一律投与しない。[1]
  • 肝合成能、血糖・神経状態と臓器障害を反復評価し、回復例も原因と再発/後遺症のフォローを設定する。[1]

5帰宅・外来フォロー

  • 肝不全所見のない軽症急性肝障害は、原因と再検/受診目安を専門医と確認したうえで外来を検討する。[1]

6入院・継続観察

  • 凝固障害、低血糖、意識/行動変化、全身不良や急速進行は入院・集中治療評価を行う。[1][2]

7専門相談・搬送

  • PALFが疑われた時点で肝移植が可能な小児専門施設へ相談し、診断確定まで移送判断を待たない。[1][2]

8避けること・適用上の注意

  • 肝酵素だけで重症度を判断しない。出血や侵襲処置の必要がないのにINR正常化だけを目的にFFPを投与しない。[1]
  • FFP/ビタミンK・NACの国内投与法、搬送の数値閾値、2026肝移植GLの詳細は未照合。

専門治療の固定オーダーや院内の採用薬・連絡先は、この原稿の作成だけで確定しない。病態の悪化は検査や通常の紹介予約を待たず再評価する。

9出典と適用範囲

根拠調査日: 2026-10-23。医師による逐条確認と院内適合性の確認は未完了。

10臨床医が迷う場面

11AST・ALTが下がったら改善と考えてよい?

逸脱酵素の低下だけでは肝機能の回復といえない。PT/INR、血糖、ビリルビン、意識・行動と循環を併せて追う。凝固障害や低血糖が進めば、酵素低下中でも急性肝不全の可能性があり、移植対応施設との相談を急ぐ。

根拠:NASPGHAN 小児急性肝不全 position paper 2022

12意識障害がないなら凝固異常を外来で追える?

小児では明らかな脳症がなくても急性肝不全となり得る。ビタミンK補充への反応も含めPT/INRを評価し、低血糖・出血・急速な悪化があれば入院監視する。診断確定や脳症の出現を待たず、肝専門・移植チームへ情報を共有する。

根拠:NASPGHAN 小児急性肝不全 position paper 2022

13凝固値を正常にするため血漿を定期投与する?

凝固値だけを目標にした血漿投与は出血予防効果と容量負荷、病勢評価への影響を考える。活動性出血や侵襲的手技などの適応を専門チームと判断する。原因薬・中毒の確認と特異治療、血糖・脳症の監視を並行し、検査値補正だけで治療を終えない。

根拠:NASPGHAN 小児急性肝不全 position paper 2022

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