11-12小児脂質異常症・家族性高コレステロール血症
ししついじょう・FH・高LDL
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30
日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。
このページの目次8項目
1ポイント
- 無症状でも高度LDL高値、家族のFHや若年冠疾患歴、黄色腫は評価を要する。肥満の有無だけでFHを除外できない。[1]
- 著しい高値またはホモ接合体FH疑い:小児脂質専門医に早期相談し、生活指導のみで長期間待たない。[1]
- 年齢と成長に必要な栄養を保ちながら食事・活動を改善する。持続高LDLのFHでは専門医と薬物療法を検討する。[1][2]
2鑑別のながれ
- LDL高値→家族のFH/早発冠疾患、肥満がなくても→FH/疑いFHを評価し家族内調査を行う。[1]
- 中性脂肪/HDLの異常→肥満や代謝リスク、採血条件→二次性・生活背景の脂質異常を評価する。[2]
3検査
- 再検で持続性を確認し、家族歴・家族の脂質値と二次性原因を評価する。FH/疑いFHでは家族内調査を進める。[1]
- 脂質パターンと採血条件を確認し、LDLと中性脂肪を同じ意味で扱わない。[2]
4対応の注意
避けること・注意:成人の減量食や薬の適応をそのまま使わない。家族歴が不明という理由で高度LDL高値を放置しない。[1][2]。
↑ このページの入口へ5初期対応と継続管理
初期対応
- 年齢と成長に必要な栄養を保ちながら食事・活動を改善する。持続高LDLのFHでは専門医と薬物療法を検討する。[1][2]
- 国内FHの第一選択薬はスタチンで、開始後は脂質だけでなく肝機能・筋症状・成長と二次性徴を評価する。[1]
フォローと再評価
- 脂質の持続性、成長と生活支援を再評価し、薬物療法中は肝機能・筋症状等を専門医と追う。[1][2]
根拠と適用範囲
- 日本小児科学会/日本動脈硬化学会 Pediatric FH Guidelines 2022:国内FH GL英語全文、2023年掲載
- NHLBI Integrated Guidelines for Cardiovascular Health and Risk Reduction in Children and Adolescents: Full Report:2011年米国小児指針。国内の診断閾値と混同しない
6帰宅・入院の目安
- 帰宅安定した無症状例は再検時期と生活支援・専門紹介を決めて外来管理する。[1][2]
- 入院脂質値だけの一律入院基準はない。合併症や高度異常は専門医と個別に判断する。[1][2]
- 搬送・紹介薬物療法が必要なFH、ホモ接合体疑い、極端な中性脂肪高値は専門診療へつなぐ。[1][2]
7診療中の疑問と回答
- 肥満がないのにLDLが高い。生活指導だけでよい?
- FHでは肥満がなくてもLDLが高い。再検による持続性、家族の高脂血症・若年冠疾患、黄色腫を確認し、甲状腺や腎疾患など二次性原因も検討する。高度高値やホモ接合体疑いは生活指導の効果を長く待たず、小児脂質専門医へ相談する。
根拠:日本小児科学会・日本動脈硬化学会 小児FH GL2022 - 小児にもスタチンを始める目安はある?
- 国内小児FH指針は、生活習慣の改善でもLDL-C 180mg/dL以上が続く場合、10歳を目安に薬物療法を考慮する。FHの診断、家族歴、動脈硬化の評価を合わせて専門医が判断する。成人用量をそのまま使わず、薬剤の小児適応と安全監視を確認する。
根拠:日本小児科学会・日本動脈硬化学会 小児FH GL2022 - LDLが下がったら薬を止め、採血も終えてよい?
- FHは遺伝性の持続する病態で、薬で下がったことは原因が消えたことを意味しない。成長・思春期の変化、服薬と副作用を確認して継続管理を行う。小児の管理目標はLDL-C 140mg/dL未満を参考に個別判断し、家族内の評価と成人診療への移行も計画する。
根拠:日本小児科学会・日本動脈硬化学会 小児FH GL2022
8家族への説明
体質の影響もあるため、本人や食事のせいと決めつけない。家族も含めて調べ、成長を守りながら将来の血管を守る。[1]
一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。