11-13新生児マススクリーニング陽性への対応
ますすく・NBS・要精査
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30
日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。
このページの目次8項目
1ポイント
- 通知された検査項目、陽性か再検査か、採血日と発信元、指示された精査先を確認する。[1][2]
- 哺乳不良、活気低下、嘔吐、意識変化等があれば、通知の定期予約を待つ状況ではない。[1]
- 陽性通知に哺乳・活気低下、嘔吐、意識障害を伴う:代謝救急も想定し、直ちに専門施設と受診・搬送を調整する。[1]
- 通知元・専門医と連絡を取り、結果と現在の状態を共有して受診時期を決める。[2][3]
2鑑別のながれ
- 陽性通知→無症状であっても対象項目と通知内容を確認→偽陽性・軽症例もあり、確定精査で区別する。[1][3]
- 通知前後の哺乳不良・嘔吐→活気・意識低下、黄疸や検査項目を確認→代謝救急や内分泌疾患等を想定し、予約待ちにせず専門連絡する。[1][3]
3検査
- 確定診断は疾患別に行う。例えば先天性甲状腺機能低下症は血清評価等を含む専門診療が望ましい。[3]
- 陰性でも対象外疾患や拾いにくい病型がある。尿素サイクル異常症では検出が難しい病型が説明されている。[1]
4対応の注意
避けること・注意:陽性を病名確定として伝えない。無症状だから不要な検査と決めない。[1][3] すべての代謝疾患に同じ食事・糖質負荷の対応を転用しない。[1]。
↑ このページの入口へ5初期対応と継続管理
初期対応
- 通知元・専門医と連絡を取り、結果と現在の状態を共有して受診時期を決める。[2][3]
- 疾患で栄養対応が異なる。結果名だけで一律の絶食、蛋白制限、ミルク変更を開始しない。[1]
フォローと再評価
- 精査先への到達、結果説明と治療・追跡計画が家族へ伝わったか確認する。未確定の陽性を放置しない。[2][3]
根拠と適用範囲
- 国立成育医療研究センター NBS陽性の家族向け説明:尿素サイクル異常症:陽性の意味、尿素サイクル疾患と検査の限界。栄養は疾患依存であること。
- 大阪府 先天性代謝異常等検査:自治体からの陽性連絡・専門施設紹介。地域制度は大阪府のもの。
- 日本小児内分泌学会・日本マススクリーニング学会 先天性甲状腺機能低下症マススクリーニングGL 2021:CH陽性の確定診断・治療は専門機関が望ましい。全NBS疾患へ治療法を一般化しない。
6帰宅・入院の目安
- 帰宅無症状でも専門精査を省かず、通知の指示と専門機関の判断に沿って受診計画を実行する。[2][3]
- 入院症状を伴う場合は、代謝・内分泌救急を評価できる施設で入院を含め判断する。[1]
- 搬送・紹介通知に記載の代謝・内分泌等専門機関へ、疾患と緊急度に応じて連絡する。[2][3]
7診療中の疑問と回答
- 先天性甲状腺機能低下症の陽性通知だが元気。来月でもよい?
- 症状が乏しくても早期の確認と治療が神経発達に重要である。通知のTSH値、採血日、再検か精査かを確認し、通知元・小児内分泌科と受診時期を直ちに調整する。陽性を確定診断と伝えず、自己判断で精査を延期しない。
根拠:日本小児内分泌学会・日本マススクリーニング学会 CHガイドライン2021 - 再検査になっただけなら保護者への連絡は不要?
- 再検と要精査を区別し、予定の採血日と結果確認担当を決める。早産・低出生体重や採血時期、ヨウ素曝露など検査に影響する背景を共有する。初回値だけで安心せず、再検が未実施・結果未確認にならないよう追跡する。
根拠:日本小児内分泌学会・日本マススクリーニング学会 CHガイドライン2021 - 治療中のTSHが正常なら甲状腺薬を止めてよい?
- 治療で正常化した可能性があり、正常値だけでは一過性と判断できない。投与量・服薬法・成長・検査時期を確認し、小児内分泌科の再評価計画に従う。診断再評価のための休薬も専門医が時期と検査を決め、家庭で中断させない。
根拠:日本小児内分泌学会・日本マススクリーニング学会 CHガイドライン2021
8家族への説明
『病気と決まったわけではありません。ただし早く確認することに意味があります』という二点を伝え、家族の不安と受診の段取りを確認する。[1][3]
一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。