11-7凝固異常・血友病・von Willebrand病を疑うとき
ぎょうこいじょう・けつゆうびょう・VWD
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30
日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。
このページの目次8項目
1ポイント
- 家族歴、過去の手術・抜歯後出血、関節筋肉痛、粘膜出血、現在の予防薬・製剤と個別治療カードを確認する。[1]
- 既知血友病の頭部外傷・頭蓋内出血疑い、頸部出血、コンパートメントを疑う筋出血:血友病センターへ直ちに連絡し、画像や検査待ちで必要な因子補充を遅らせない。[1]
- 既知血友病の出血は専門センターと協議し、個別の因子・止血計画に従う。[1]
2鑑別のながれ
- 紫斑・粘膜出血→血小板数と凝固系、家族・処置後出血歴を確認→ITP等とVWD・凝固異常を専門的に鑑別する。[2][3]
- 関節痛・筋痛→既知血友病、腫脹・機能制限→関節・筋内出血を評価し、重篤部位は治療を遅らせない。[1]
3検査
- 出血部位と循環状態を評価し、血算・凝固検査等は既往薬と専門家の指示に合わせる。[1]
- エミシズマブは通常の凝固検査を変化させるため、APTT等をそのまま病態判断・治療監視に用いない。[1]
4対応の注意
避けること・注意:重篤出血で検査・画像が揃うまで止血治療を待たない。[1] 専門家の止血計画なしで腰椎穿刺等の侵襲的処置を進めない。[1]。
↑ このページの入口へ5初期対応と継続管理
初期対応
- 既知血友病の出血は専門センターと協議し、個別の因子・止血計画に従う。[1]
- 処置前に出血性疾患の治療計画を立て、侵襲的検査を安全に実施できるか確認する。[1]
フォローと再評価
- 帰宅時は活動性出血がないこと、専門予約、個別止血カードと再受診徴候を確認する。[1]
根拠と適用範囲
- RCH Haemophilia:血友病出血の初期対応、補充遅延回避、エミシズマブと検査、専門連携。
- 日本血栓止血学会 診療ガイドライン:国内VWD・血友病GLの存在と現行資料経路を確認。個別本文未読。
- 日本小児科学会 小児科医の到達目標 第8版:領域16 血液/9 免疫/10 膠原病の一般小児科での認識と紹介。
6帰宅・入院の目安
- 帰宅出血が停止し、適切なフォローと個別治療計画が整った場合に外来を検討する。[1]
- 入院重篤部位の出血、活動性出血、循環不良や強い疼痛・機能障害は入院を含め評価する。[1]
- 搬送・紹介血液専門医・血友病センターへ相談する。[1][2]
7診療中の疑問と回答
- 血友病児が頭を打ったが元気。CTまで補充を待つ?
- 頭部・頸部などの重篤出血が疑われれば、画像や採血待ちで止血治療を遅らせない。製剤名、予防薬、インヒビター、個別カードを確認し、血友病センターへ直ちに連絡する。当院で画像ができない時間帯は補充の手配と搬送を並行する。
根拠:RCH Haemophilia(海外指針) - 関節痛が軽くなれば、いつもの運動に戻せる?
- 関節の腫れ、可動域、荷重の可否を再評価し、出血が続いていないか確認する。初期の痛みだけで回復と判断せず、止血とリハビリテーションの計画を担当センターと合わせる。過度な固定や無理な運動復帰を避け、再出血時の連絡条件を渡す。
根拠:RCH Haemophilia(海外指針) - エミシズマブ使用中でAPTT正常。出血は否定できる?
- エミシズマブは凝固検査に影響するため、通常のAPTTや第VIII因子活性の値をそのまま止血能の指標にしない。臨床所見と専用検査の要否をセンターへ相談する。出血時の追加製剤も相互作用・インヒビターで異なるので、既存の個別計画を確認する。
根拠:RCH Haemophilia(海外指針)
8家族への説明
既知の病名、使用中の予防薬、製剤と治療カードを受診時に示す重要性を説明する。見える出血が少なくても頭・頸部・筋肉内は早い連絡が必要と伝える。[1]
一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。